虫歯が原因で口臭がキツく!むし歯の膿は息の匂いに大きく影響
口臭対策として、口の臭いに効く歯磨き粉を使ったり、マウスウォッシュを使用したりする人が多いのですが、実は根本の原因を改善できていないのが実状です。口の中がスッキリした感じがするので、口臭が改善されたような気になってしまうのですが、気休めでしかなく、根本の原因はそのままです。
口臭の原因のほとんどが口の中にあります。口の中の病気が原因で、口臭がきつくなってしまうのです。本当に口臭を改善したいのならば、口臭の原因となっている病気の治療が必要です。
虫歯も口臭を引き起こす
口臭を引き起こす原因に舌苔(舌の汚れ)・歯周病があり、その割合も高いですが、虫歯も口臭の原因になります。
「虫歯がある」という人は珍しくありませんが、それが口臭の原因になるということはあまり知られていません。虫歯は自然に治らないので、歯磨きをしたりマウスウォッシュで対策したりしても、口臭は改善されないのです。
虫歯で起こる口臭の原因・治療方法
初期段階の虫歯では、それほど気になる口臭は起こりませんが、進行してくると様々な原因で口臭を引き起こすようになります。一見小さな虫歯に見えても、歯の中で虫歯が大きく広がっている場合もあります。「まだ大丈夫だろう」などと、歯医者に行かずに虫歯を放置している人も多いですが、その虫歯が口臭を引き起こしている可能性もあります。
虫歯が原因の口臭を消すには、根本原因である虫歯の治療が必要です。しかし、口臭を生じるほどの虫歯の場合、抜歯が必要になるケースも少なくないでしょう。
「痛くないから大丈夫」と思う人も少なくありませんが、重度の虫歯になると痛みがない場合もあります。痛みを感じる神経が死んでしまっているのです。
1.歯の神経が腐って口臭がキツくなる
虫歯が進行して神経が死んでしまうと、その神経が腐ってしまい、不快な臭いのするガス(腐敗臭)を発生するようになります。
虫歯は神経に達すると痛みが生じますが、そのまま放置してしまうと神経が死んで、痛みが生じなくなります。痛みが治まるので、虫歯が治ったと勘違いしてしまう人も少なくありませんが、神経が死んで痛みが生じなくなっているだけです。
そして、その神経が腐ることによって、強烈な口臭を生じるようになるのです。
神経が腐ってしまった虫歯の治療とは?
腐ってしまった神経を除去し、神経が通っている管(根管)をキレイにする治療を行います。この治療を「根管治療」と呼びますが、神経が細菌に感染してしまった場合に必要になります。
特殊な器具で神経や細菌に汚染された歯質を除去し、キレイにした根管に再感染を防ぐために詰め物をします。
2.重度の虫歯は膿が口臭の原因に
先にも紹介した通り、神経に達した虫歯を放置しておくと、神経が死んで腐ってしまいます。そして、神経が通っている根管に、細菌がどんどん増えていきます。細菌によって引き起こされた炎症は、歯根の先から外へと、さらに拡がっていきます。歯を支える歯槽骨を溶かしながら、歯根の先に膿の袋を作り炎症を拡大していきます(歯根嚢胞)。
この症状は決して珍しい症状ではなく、比較的多くの人が経験しています。レントゲンで根の先に黒い影(嚢胞)が写りますが、この黒い影の部分は骨が溶かされた部分であり、袋状に膿が溜まった部分です。
神経は死んでしまっているので痛みはありませんが、歯が浮いた感じがしたりする場合もあります。また、歯根の先にできた膿が、歯肉に白いおできのように出てくる場合もあります。
歯根嚢胞の治療とは
歯根嚢胞は、根管治療を行って改善する場合もありますが、場合によっては抜歯が必要になったり、外科的な処置が必要になったりする場合もあります。
虫歯が進行して歯根嚢胞ができている状態でも、痛みが生じないケースが多いです。痛みなどの症状がなければ放置してしまいがちですが、嚢胞の摘出手術が必要になったり、歯を失うことにつながったりすることもあるため、早めの対処が必要でしょう。
虫歯による口臭を防ぐ方法は?
虫歯による口臭を防ぐには、虫歯を作らない、早めに適切な治療を受けるということに尽きるかと思います。虫歯は歯磨きをすれば防げると認識している人も少なくありませんが、歯磨きしていても虫歯になる人はたくさんいます。歯磨きだけでは、十分に予防できているとは言えないのです。
虫歯の原因とは?
虫歯の原因は口の中の細菌です。歯磨きによって虫歯の原因細菌を除去することで、虫歯を予防することは可能です。
しかし、完璧に歯を磨ける人は少ないのが実状ですし、虫歯のリスクが高い人も多くいます。虫歯のリスクを高める要因を取り除き、口の中に汚れを溜めないことが、効果的に虫歯を防ぐために必要でしょう。
虫歯の効果的な予防法
1.正しい歯の磨き方を身に付ける
大人にも正しく歯磨きを行えていない人が多いようです。正しい歯の磨き方を身に付けることが必要でしょう。歯医者の歯磨き指導は、子供だけでなく大人にも行っています。「今さら」と思わずに、歯磨き指導を受けて、自分の磨けていない箇所を把握し、正しい歯磨きの仕方を身に付けることが大切でしょう。
2.虫歯リスクを下げる
虫歯のリスクを高める要因はさまざまあります。自分に当てはまるものは改善することが必要でしょう。次に当てはまるものが多いならば、虫歯のリスクが高いでしょう。
- 甘い物を頻繁に摂取する
砂糖には虫歯菌のエサです。虫歯菌は糖を分解・吸収して、虫歯を作る(歯を溶かす)酸を作り出します。 - 唾液の分泌量が少ない
唾液には口の中を清潔にしたり、再石灰化を促進したりといった、虫歯を防ぐ働きがあります。唾液の分泌量が十分でなければ、虫歯になりやすくなってしまいます。 - 唾液の中和力が低い
口の中が酸性に傾くと、虫歯が発生しやすくなってしまいますが、唾液の働き(唾液緩衝能)によって中和され、虫歯になりにくい環境が作られます。この唾液の働きが弱いと、虫歯になりやすくなってしまいます。 - 口の中に虫歯菌がたくさん存在している
虫歯の原因となる細菌の数は、その人によって違います。虫歯菌が口の中に多いほど、虫歯のリスクが高くなると言えるでしょう。
3.自分の虫歯リスクを知る
先に紹介した通り、虫歯を防ぐには歯磨きを正しく行うことはもちろん、虫歯のリスクを下げることも大切です。しかし、自分の虫歯リスクを把握している人は少ないのが実状でしょう。
歯科医院で受けられる唾液検査(サリバテスト)では、唾液緩衝能や唾液の分泌量、口の中の細菌の数などを調べることができます。
サリバテスト(唾液検査)とは
サリバテストとは、味のないガムを噛んで唾液を採取し、唾液の質や量、虫歯菌の数などを調べる検査です。虫歯のリスクがわかり、自分のリスクに合った予防・対策が可能になります。
保険が適用とならない検査であるため、歯科医院によって値段は異なります。
虫歯になりやすい親知らずの口臭との深い関係
親知らずはまっすぐに生えてきませんから、親知らずの周辺が不衛生になりやすいです。そのため、親知らずやその手前の歯が虫歯になりやすくなるため、口臭の原因になってしまいます。
また、親知らずが虫歯にならなくても、汚れが溜まったり、溜まった汚れによって歯肉に炎症が起きたりして(智歯周囲炎)、口臭の原因になりやすいです。
親知らずは口臭に限らず、さまざまなトラブルを引き起こしやすいのは事実です。親知らずが生えてきたら、早めに抜歯をすることでトラブルを事前に防ぐことも可能でしょう。早めに歯科で相談することをお勧めします。
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