唾液が少ない10の原因/唾液を増やす対策方法
「唾液が少ないから口が渇く…」こんな悩みを持っている方は多いのではないでしょうか。いわゆるドライマウスの症状ですが、こうなってしまうとイヤな口臭を発したり味覚に異常が生じたりと、様々な弊害が生じます。
では、どうして唾液が少ない状態に陥ってしまうのでしょうか?今回は唾液が少ない人の10の特徴と唾液を増やす対策方法についてご紹介します。
唾液が少ない人の10の特徴
唾液が少ない状態、いわゆるドライマウスになってしまうのには様々な要因が挙げられます。ここでは、唾液が少ない10の原因とその対策についてわかりやすく整理していきます。
1.口呼吸
鼻炎や花粉症などで鼻が詰まると、呼吸をするために自然と口呼吸になり、唾液が少ない口の中が乾燥する症状を引き起こします。
鼻呼吸の場合、空気は多くの壁に仕切られている副鼻腔を通るため乾燥しにくい構造となっているのですが、口呼吸をしていると、口腔内の粘膜が空気に触れるために唾液が乾きやすくなってしまうのです。
対策
口呼吸が癖になっている方は、鼻呼吸に変えるトレーニングが必須です。
口呼吸のそもそもの原因が鼻の病気であれば、その病気治療が根本的な解決策となります。歯並びが原因である場合には、マウスピースなどによる矯正を含めて歯科医院で相談してみましょう。
2.過度なストレス
唾液の分泌をコントロールしているのは自律神経ですが、緊張状態や過度のストレス、イライラ、悩みを抱えることによってこのバランスが崩れてしまい、交感神経が優位に働くことでネバつきのある唾液が分泌されるようになります。
唾液の量自体も減少してしまうため、口の中が乾いた状態になるのです。
対策
唾液の量を増やすには、ストレスの原因を取り除くことが一番の対策方法ですが、現代社会においては多かれ少なかれ誰でもストレスは抱えているもの。
軽い運動や趣味などでリラックスしながら気分転換を図り、ストレスを上手に発散することを意識しましょう。
3.咀嚼が少ない
唾液は噛むことによって唾液腺周辺の筋肉が動き、唾液腺が刺激されて分泌を促進させます。
ところが、あまり噛む必要のない柔らかい食べものばかりを食べていたり、よく噛まないで食事をしていたりすると、唾液の分泌が鈍くなり、徐々に唾液が少なくなってしまいます。
対策
噛む回数が少ない場合には、意識して噛む回数を増やすことが重要となります。
食事するにも忙しくてなかなかゆっくりと時間が取れず、咀嚼回数を増やせないという方は、日常的にガムを持ち歩いて口の乾きを感じたときに噛むなどして、唾液の分泌を促しましょう。糖分が気になる方は、シュガーレスのものを選ぶのがおすすめです。
4.タバコを吸う
タバコに含まれるニコチンは、体内の血管を縮小させて血行を悪化させ、唾液の分泌機能を低下させます。
喫煙者の口臭がキツくなりやすいのは、タール(ヤニ)の臭いのほか、この唾液が少ない状態に陥ることも原因のひとつとして挙げられます。
対策
もちろん禁煙することが最良の方法ではありますが、愛煙者にとっては禁煙自体が少なからずストレスに結びついてしまうため、無理のないように徐々にその方向に向かっていくことが大切です。
タバコを吸ったあとはこまめに水分を取り、アメやガムを口にして唾液を増やすことも心がけましょう。
5.アルコールの飲み過ぎ
アルコールを摂取すると、尿や汗と一緒にアルコールを体外に排出しようとする利尿作用が働きます。また、食事量や水分量が不足しがちになるため、脱水状態を引き起こしやすくなります。
飲酒によるアルコールの過剰摂取も、体内の水分バランスが崩れて口腔内の唾液の減少を招く原因のひとつなのです。
対策
日頃からお酒を飲む習慣のある方は、お酒の量を控えることが一番ですが、飲み会やお付き合いなどでどうしてもアルコールを飲まざるを得ないという場面も多いものです。
お酒を飲むシチュエーションでは水も一緒に飲むと、脱水症状を避けて唾液が少ない状態にならずに済みます。
6.加齢
年齢を重ねていくと口周りの筋肉や歯の力が衰えて、噛む行為が困難になり、唾液が分泌されにくくなってしまいがちです。
また、高齢になると徐々に猫背になりますが、猫背は呼吸を浅くさせて口呼吸を引き起こします。加齢によるこれらの要因が、口の中の唾液が少なくなる結果に結びついてしまうのです。
対策
年齢による老化現象に抗うことは困難ですが、普段の食事から可能な限り噛みごたえのある食品の摂取に努める、背中が丸くならないように意識して良い姿勢を保つことなどが重要です。
7.薬の副作用
年齢を重ねれば、持病などで薬に頼らざるを得ないことも多々ありますね。昨今では花粉症などに悩まされる方も多いのですが、服用する薬によっては、その副作用により唾液が減ってしまうことがあります。
例えば、高血圧の薬や鎮痛剤、抗うつ剤、あるいは花粉症の治療に使用される抗ヒスタミン剤なども、口の中を乾燥させる原因になると言われています。
対策
自己判断で薬の服用を止めることは大変危険です。
病気の種類によってはどうしても服用せざるを得ない場合もあるため、かかりつけの医師に口の乾きに関する症状をしっかりと説明し、薬の量や種類についても相談しましょう。
8.水分不足
正常な大人の唾液分泌量は、1日約1.5Lと言われています。つまり、それだけ水分を補給することが大切なわけですが、この水分補給を怠ることで唾液の減少につながってしまいます。
ダイエットなどで無理な食事や水分摂取の制限を行っている方は特に注意が必要です。
対策
唾液の減少は口の中が乾いてしまうことによるものです。できれば唾液が少ないと感じる前に、普段からこまめに水分補給をして唾液の分泌を促進させることが望ましいでしょう。
9.話す機会が少ない
営業職や接客業などとは異なり、中には仕事柄、もくもくと仕事をこなしていくような日常的に喋る機会が少ない職種の方も多いのではないでしょうか。
しゃべる機会が少ないということは、口や舌を動かす機会も少ないということになりますので、唾液のスムーズな分泌が難しくなってしまいます。
対策
日常的に人と話す機会を作り、おしゃべりで口を動かして唾液の分泌を促すよう心がけましょう。その他の方法としては、空き時間にできる舌を使ったベロ回し体操で唾液分泌の促進を図るのも効果的です。
ベロ回し体操のやり方
- 口を閉じ、歯に沿って右回りに舌を回していきます。
- 右回りが終わったら、次は左回りに歯に沿って舌を回していきます。
- 最初の回数は無理をせず10回を目標にし、だんだんと回数を増やしていきましょう。
10.ファストフードやカフェイン飲料の摂取
手間をかけることなく、買ってきてさっと食べられるファストフードは便利なものですが、ファストフードはあまり噛むことなく食べられてしまうため、唾液の減少を招きます。
また、カフェインを含む飲料の飲み過ぎも、カフェインの利尿作用により体内の水分量を低下させ、唾液が減少してしまいがちになります。
対策
基本的には咀嚼回数を増やすことが重要であるため、ファストフードをよく食べる方は、しっかりと噛みごたえのある食事にシフトチェンジしましょう。
普段からコーヒーなどのカフェイン飲料を好んで飲んでいる場合、ノンカフェインの飲み物に変えるか、水分補給をまめに行うことが大切です。
あてはまらない場合は病気を疑って!
唾液の減少には様々な原因が挙げられますが、ご紹介した唾液の減少で考えられる10の原因に当てはまらない場合は、病気が原因であることも疑われます。
唾液が少ない症状で想定される病気は?
・肝硬変
・シェーグレン症候群
・糖尿病
中でも唾液の減少が顕著な症状として現れるのがシェーグレン症候群です。
自分の身体にも過剰に反応して攻撃してしまう自己免疫疾患のひとつであるシェーグレン症候群は、主に涙腺や唾液腺に障害を起こし、乾燥症状を招く病気です。年齢は50代をピークに圧倒的に女性に多く、その男女比は1:14と言われています。
「いくら改善策を講じても唾液の減少が治まらない…」という場合には、我慢をせず早めに病院を受診するようにしましょう。
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