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    フィステルの放置は口臭にも!歯茎のおできの原因と治療法

    フィステルの放置は口臭にも!歯茎のおできの原因と治療法

    歯肉のできもので見過ごせないのがフィステルです。フィステルを治療せずに放置すると、他の健常な歯までダメにしてしまう危険性も…。

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  • 更新日:2016年02月01日

歯茎に小さなおできが…もしかしてフィステルかも!

あなたは「フィステル」という言葉を耳にしたことはあるでしょうか?フィステルは、歯肉に出現する白いような赤いようなポチッとしたおできのことで、見た目は口内炎とよく似ていますが、口内炎は放っておいても次第に治癒する一方、フィステルは時間が経ってもなかなかなくなりません。

フィステルには痛みの症状が出にくいことから、「痛くないから大丈夫だろう」と楽観視して、病院を受診せずに放置してしまう方が少なくありません。
しかし、フィステルは進行すると強烈な口臭の原因となるほか、他の健康な歯・組織にも取り返しのつかない悪影響を与えてしまう可能性があり、決して放っておいてはいけないものなのです。

今回は、フィステルとはなんなのか、フィステルができてしまう原因、フィステルの治療法について詳しく解説していきます。
フィステルと口臭の関連性についても触れていきますので、ぜひ目を通してみてくださいね。

歯茎にできた白/赤いできものは「フィステル」?

歯茎にできた白/赤いできものは「フィステル」?

まず、フィステルとは何なのでしょうか?フィステルの正体を一言で表すと「膿を排出する出口」です。

歯が外傷を負ったり虫歯になったりした際、適切な処置を行わずにいると、根の方まで虫歯が進み、が溜まります。根の先端付近に溜まった膿には行き場所がないため、歯肉を突き破って出てくるのですが、そのときに白っぽい膿が出てくる時の穴をフィステルと呼びます。

歯科医はフィステルを「瘻孔(ろうこう)」「内歯瘻(ないしろう)」と呼ぶこともあり、虫歯の該当歯には「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」という病名が付きます。
また、フィステルは口の中ではなく、口腔外のなどに出現することもあります。この場合は外歯瘻(がいしろう)と呼びます。

フィステルができる原因は?

フィステルができる原因を理解するには、基本的な根尖性歯周炎のメカニズムを知るとわかりやすいでしょう。

フィステルができるまで

  1. 歯が細菌によって虫歯になる
  2. 歯の中の神経(歯髄)に虫歯が進行し、歯髄炎の状態になる
  3. 虫歯によって歯髄が壊死してしまう
  4. 神経が入っている管の中で細菌が増え続ける
  5. 歯根の先の穴(根尖孔)から細菌が出てきて、炎症を起こす
  6. 炎症が起きている部分に膿が溜まる
  7. 膿が増えてきて痛みや発熱が生じる
  8. 限界まで達すると、膿が歯肉から自然に出てきてフィステルができる

フィステルができるまで

簡潔な流れを説明すると、「歯が虫歯になる→歯が死ぬ→膿が溜まる→膿が外に出てくる」ということになります。

歯の神経が死んでしまう理由

神経を含む歯髄は歯に栄養補給をする大切な組織です。歯の神経を取ると、歯に栄養が行き届かなくなるため寿命が縮んでしまいます。したがって、できるだけとっておきたいもののため、軽い虫歯では神経を取ることはありません。
しかし、深い虫歯でも頑張って神経を残そうとすると、虫歯に勝てずそのまま神経が死んでしまうことがあります。

また、歯の神経が死んでしまう理由は虫歯だけに限らず、転んで歯をぶつけて歯にヒビが入ることで、細菌がヒビから入り込んで神経が壊死したり、歯の神経が切断されたりということも少なくありません。

その他の根尖性歯周炎以外の理由としては、歯周ポケットの入り口が閉じていたり、深い歯周ポケットができていたりする重度の歯周病の場合にもフィステルができることがあります。

フィステルの症状

フィステルは口内炎とは異なり、痛みを伴うことはあまりありません。ただし、寝不足などで疲れが溜まってくると、痛みや腫れなどの症状が出てきやすくなります。

フィステルによって膿が外に出ると痛みは和らぐのですが、生体にとって膿は異物であり、細菌も繁殖している状態です。この細菌は血液を通して全身を巡り、他の組織に有害となる可能性があります。

フィステルを治すには?どんな治療をする?

フィステルの治療では、原因となる歯の神経は既に死んでしまっているため、根の中の神経を全てキレイに取り除き、代わりのものを詰める必要があります。この処置を「感染根管治療(かんせんこんかんちりょう)」と呼びます。

感染根管治療の主な流れ

  1. レントゲン撮影で病巣を確認し、歯から根の中の管に通じる穴を空ける
  2. 炎症がなくなるまで、針のようなやすりを使って管の汚れを除去・消毒する
  3. 薬を入れて密封し、仮の蓋をする

感染根管治療の主な流れ

感染根管治療ではこの流れを数回行い、治療を進めていきます。
基本的に感染根管の治療では麻酔はしませんが、生きている神経が一部残っているなどの理由で痛みがある場合は麻酔をして治療を行います。

フィステル治療に伴う痛みについて

麻酔が切れた後は、疼くような痛みや腫れが見られることがありますが、1週間ほどで落ち着きます。ただし、確率としてはごくわずかではありますが、治療後に大きく腫れ、激痛が引き起こされるフレアーアップという状態になるケースもあります。
痛みが強い場合は、鎮痛剤や抗生剤などの服用、洗浄といった処置がなされます。

なお、治療時の痛みの他、治療にかかる期間や回数にも個人差が大きく、1~3回で済む方もいれば、違和感がとれずに数ヶ月治療が終わらない方など様々です。
症状によってはかなりの時間がかかる可能性を考慮すると、やはり早期発見が第一と言えますね。

フィステルがなかなか治らない場合は?

「根管が極度に曲がっていて器具が到達しない」「根管が枝分かれしている」など、通常の感染根管治療を行うのが困難で、フィステルが消失しないケースがあります。その場合、「歯根端切除術(しこんたんせつじょじゅつ)」という外科手術を行います。

歯根端切除術

通常の感染根管治療では歯を削って治療を進めるのに対し、歯根端切除術では歯肉にメスを入れ、直接歯根の先の膿の袋を取り出して治療します。

また、治療対象となる歯によっては、歯茎側からの歯根端切除術を行えない場合があります。その場合は歯を抜歯し、根管処置を行ってから再度元の位置に戻すという再植法がとられています。
ただし、再植法は「抜歯の際に歯が折れる危険性がある」「根が曲がっている」などの理由により行えないケースもあります。

フィステルができたけど痛くない!放置したらどうなるの?

フィステルができているということは、歯の痛みを感じる神経が壊死していると判断されますので、ほぼ痛みを感じることはありません。
痛みがないためになかなか病院を受診しない方も多いのですが、原因の虫歯を放置していては、隣の歯に虫歯が広がる、歯を支える歯槽骨が溶けてしまうなどの可能性が出てきます。

また、フィステルは「膿が出るとまた溜まり、また出て…」の繰り返しとなります。痛みがないという場合でも、フィステルの症状を確認した時点で歯からのトラブルのサインであると判断し、一刻も早く治療を受けることをおすすめします。

フィステルは口臭の原因になる?

フィステルから出てくる膿は、細菌や白血球の死骸が入り混じってできたものなのでイヤな臭いを放ちます。当然、この膿は口臭の原因にもつながりますし、中には酸っぱいような膿の味を感じて、気分が悪くなってしまうという方も多いようです。

寝起きや空腹時、緊張などによって引き起こされる生理的口臭や、喫煙飲酒やニオイの強い食べ物・飲料を口にすることで起こる外因的口臭とは異なり、フィステルによる口臭は病院で治療しないと治らない病的な口臭です。

「これってフィステルかも?」「このおでき、口内炎じゃなさそう」などと、少しでも思い当たる症状がある方は、一刻も早く原因の歯を特定し、しっかりと治療を行って口臭の原因を断ち、歯や歯茎の健康を取り戻しましょう。

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