口の中で血の味がするのはなぜ?原因と改善方法
「口の中を傷つけた覚えはないのに、口の中で血の味がするような気がしてしまう…」
「なんだか口の中が鉄臭い…」
そんなふうに感じたことはありませんか?
口内に異臭を感じると、それが口臭となって周囲の人にも臭っているのではないか、といった心配だけでなく、もしかしたら何らかの病気のサインなのではないかと不安になってしまうのではないでしょうか。
口の中で血の味を感じる原因には、様々なことが考えられます。具体的にはどのような原因が考えられるのか、鉄臭さを改善するにはどのような方法があるのか、確認していきましょう。
口の中で血の味がする原因は?
口の中で血の味がするように感じ、なかなか解消されないときには、原因として次の5つのうちのいずれかが疑われる場合があります。
それぞれ、具体的にどのような病気が原因で、口の中で血の味を感じているのでしょうか。心当たりはないかチェックしていきましょう。
1.歯周病
歯周病は国民病とも呼ばれるほど有病者数の多い歯の疾患です。「歯周病」と聞くと、歯茎の病気というイメージが強いという方が多いのではないでしょうか。しかし、歯周病の本当の恐ろしさは歯を支えている骨を歯周病菌が溶かしていくことにあります。
歯根部は顎の骨に支えられていますから、土台部分である骨が溶かされてしまうと、歯そのものが揺れやすくなってグラグラしてきたり、ひどくなってくると歯が抜けてしまったりといった症状を引き起こします。
ところが、歯周病は「サイレントディジーズ(静かなる病気)」とも言われるように、初期の段階では痛みや腫れなどの自覚症状がないことも珍しくありません。そのため、口腔内の臭いや唾液の味に違和感を覚える頃には、既に歯周病がかなり進行してしまっているといったケースも少なくありません。
歯周病で血の味を感じる理由は?
歯周病が原因で口の中に血の味を感じるとすれば、炎症を起こした歯茎の内部に血が溜まっていたり、歯茎が出血しやすい状態になったりしていることが考えられます。特に、歯の裏側で出血している場合などは、鏡などを使って自分で確認しても見つけにくいため、歯周病の症状が表れていないか、定期的に歯科医院を受診して歯科医師にチェックしてもらうことが大切です。
2.味覚障害
味覚障害とは、その名の通り食べ物や飲み物の味の感じ方に問題が起きる症状のことを言いますが、何も口にしていないはずなのに口腔内に異臭や異常な味を感じるといった場合もあります。口の中で血の味がするという場合も、味覚障害が原因となって引き起こされている可能性があるのです。
味覚障害の原因
味覚障害にはいくつかの原因があると考えられており、薬の副作用によるものや、別の病気が引き金になっているケース、あるいは食品添加物の影響によるものもあります。
また、味覚障害の原因として分かっているもののひとつに、亜鉛の欠乏が挙げられます。偏った食生活によって亜鉛を含む食品の摂取が不足していたり、亜鉛の吸収を妨げる食品の摂取が原因になっていたりします。
3.胃や食道の病気
特に、咳をしたとき口の中に血の味が強く感じられるようであれば、口腔内ではなく胃や食道に原因があるということも考えられます。
たとえば、逆流性食道炎という病気では、胃酸が逆流することで食道の壁が炎症を起こし、炎症を起こした部位に出血が起こって、この臭いが「血の味」として感じられることがあります。
また、その他にも、胃や食道に何らかの異常があって胃壁や食道の壁が傷ついていると、むせてしまったり口の中に異臭を感じたりすることがあります。
4.肺の病気
口の中で血の味がするのは、肺の病気に起因している場合もあります。特に、慢性閉塞性肺疾患や肺癌、肺炎といった病気では、しばしば咳の症状が現れます。
慢性的に咳が続くようになると、咳によって喉やその周りの粘膜が傷つき、血の味がするように感じることがあるのです。
5.口腔内の金属の劣化
口は食べ物を摂取し味わうための大切な部分ですから、詰め物の臭いで食べ物の味が変わってしまうような素材を使うことはありません。歯科治療で用いられる金属は、基本的に口の中で金属特有の臭いを放つことはありません。
ただ、可能性としては高くありませんが、過去に歯科治療で歯に詰め物をしたり、ブリッジ付きの入れ歯を使ったりしている場合、これらに用いられている金属が劣化して血なまぐさいニオイを発している可能性も考えられます。その場合、歯科医師の判断のもと新しいものと取り替える必要があります。
また、詰め物やブリッジそのものは劣化していなくても、その部分に歯垢が溜まりやすくなっていて、虫歯や歯周病が進行していることも考えられるため、注意が必要です。
口臭として血の臭いが発生することも…
口の中で血の味がする原因は様々ですが、その血の臭いは周囲の人にも口臭として気づかれてしまうものなのでしょうか。
結論から言うと、口の中で血の味がしている場合、口臭として血の臭いが発生している可能性は否定できません。口腔内などの粘膜が傷ついて出血している場合、血なまぐさいような口臭を感じることもあるでしょう。
また、多くの場合、口臭は自分では気づきにくく、家族など身近な人から指摘されて初めて自覚するケースも少なくありません。つまり、自分でも違和感を覚えるほどの臭いが口の中に生じているとすれば、強い口臭として臭っている可能性も考えられるでしょう。
血の味を過剰に気にしている可能性も
一方で、異常がないにもかかわらず、自分だけが過剰に口の中の血の味を気にし過ぎているという場合も考えられます。
血の味が気になって、つい必要以上に力を入れて歯を磨いてしまうと、歯茎や口腔内の粘膜を痛めてしまいます。さらに、歯茎からの出血によって却って血の味が強くなってしまう…といった悪循環に陥ることも考えられます。
何らかの理由があって血の味がしているのか、あるいは自分がそう思い込んでいるだけなのかどうか、自分で独自に判断することは避け、どうしても気になる方は歯科医院を受診し、なぜ口の中で血の味がしているのか原因を明確にして治療を進めることをおすすめします。
口の中で血の味がする症状を改善するには?
口の中で血の味がする、あるいは口臭が血の臭いとなる原因別に、それぞれ対処法を紹介していきます。原因ごとに有効な治療法は異なりますので、必ず歯科医師の指導のもと治療を行うようにしましょう。
歯周病
歯周病の治療は、歯ブラシを使ったブラッシング、デンタルフロス・歯間ブラシでの歯垢除去などプラークコントロールが基本となります。つまり、きちんと歯垢を落とし口の中を清潔に保つことで、歯周病菌にとって住みづらい環境に変えていくということです。
また、定期的にスケーリングを行い、溜まった歯石を除去することも大切です。歯石には細菌が繁殖しやすく、口臭の原因になりやすいのです。歯石はセルフケアで除去することは困難ですので、定期的に歯科医院を受診することをおすすめします。
ただし、いくら歯石を取っても、毎日の歯磨きによって歯垢をきちんと落とせていないと、いずれにしても口の中に細菌が繁殖することになります。やはりブラッシングが適切に行われていることが、歯周病を改善していく上で最も重要になってきます。
重度の歯周病の場合
歯周病が重度にまで進行している場合は、歯周ポケットが深くなり、歯茎の奥深くまで歯垢がこびり付いてしまっています。
一般的に5mm以上の歯周ポケットになると、外から歯石を取ることは難しくなります。この場合、歯肉弁を切開して歯石を露出させ、歯石を直接取り除くフラップ手術と呼ばれる歯周外科手術を行い、徹底的に歯石を取り除きます。治療を行う歯の本数にも左右されますが、手術時間はおよそ1~2時間となります。
さらに、歯周病により顎の骨の溶け方が著しい場合には、減った部分の骨を人工骨で補ったり、特殊なタンパク質を入れて骨を再生させたりといった治療が行われることもあります。
味覚障害
味覚障害の場合は原因が複数考えられますので、症状ごとに治療が行われます。多く見られる原因として亜鉛の欠乏が挙げられますが、この場合は亜鉛を多く含む食品やサプリメントの摂取で亜鉛を補います。
亜鉛を多く含む食品の一例としては、次のようなものがあります。亜鉛不足が気になる方は毎日の食事に積極的に取り入れるとよいでしょう。
亜鉛を多く含む食品 ・牡蠣などの貝類や魚卵 |
反対に、お茶やコーヒーといった飲料や糖分を多く含むもの、アルコールなどは、過剰摂取することで亜鉛の吸収を妨げることがあります。亜鉛食品を積極的に摂取するとともに、これらの亜鉛の吸収を妨げる食品を摂らないよう心がけることも必要です。
中には、服用中の薬の副作用によって味覚障害が起こっていることもありますが、この場合、独断で服薬を止めることは絶対に避けてください。必ず担当医に相談しましょう。
胃や食道の病気
口臭に気を取られるあまり、口の中ではない別のところに原因があることに気づかずにいると、内臓の病気が進行してしまう危険性もあります。
口の中ではなく胃や食道に原因があると思われる場合は、早めに病院を受診しましょう。特に、咳をしたときに血の味がするようであれば、念のため内科にかかった方がよいでしょう。
肺の病気
肺の病気が疑われる場合には、呼吸器内科を受診します。長期間、咳が出続けてなかなか直らないときや、痰に血が混じるなどは、呼吸器系の病気の可能性もないとは言い切れませんので、やはり早めに受診することが大切です。
口腔内の金属の劣化
過去に入れた詰め物やブリッジがどの程度劣化しているのかを自分でチェックするのは、現実的にかなり難しいでしょう。そのため、定期的に歯科医院に通い、検診を受けることが大切です。
過去に治療した虫歯についても、虫歯が取り切れていなかったり、新たに虫歯になったりすることがありますが、詰め物の中がどうなっているのかは、X線画像診断をしてもらわないと詳細を知ることはできません。
口腔内の異変にできるだけ早く気づくためにも、定期的に歯の専門家である歯科医師や歯科衛生士による検診を受けるように心がけましょう。
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