• 口臭 対策

    口臭測定器のオーラルクロマとは?検査方法・注意点・費用

    口臭測定器のオーラルクロマとは?検査方法・注意点・費用

    口臭測定器のオーラルクロマは硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの濃度を測定し、結果を数値で表してくれる機器で、口臭外来で受けることができます。

この記事をシェアする

  • 観覧数:9341 Views
  • 更新日:2016年09月06日

口臭測定器「オーラルクロマ」とは?検査方法や注意点

口臭測定器「オーラルクロマ」

一言で口臭と言っても、口腔内のトラブルや全身疾患、ニオイの強い食べ物・飲み物によるものなど、いくつもの原因が考えられます。「自分に口臭があるのではないかと気になる」「口臭を何とかしたい」と思っている方がより効果的に口臭対策をするためには、口臭の原因を明確にすることが重要となります。

口臭の原因を詳しく分析し、適切な治療法を確立するのに役立つ機器として、口臭測定器が挙げられます。
口臭測定器にはオーラルクロマ、リフレス、ブレストロンなど様々な機器がありますが、今回は口臭測定器「オーラルクロマ」
エフアイエス株式会社
)の検査方法・検査時の注意点について詳しくご紹介します。

口臭測定器「オーラルクロマ」とは?

「オーラルクロマ」は、口臭の原因となる三要素ガスと呼ばれる硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの濃度を測定できる口臭測定器です。測定方法が簡単なので短い時間で測定を終えることができ、被験者への負担が少ないのが特徴です。

オーラルクロマでこんなことがわかります

口臭の種類は、大きく分けて4つの原因に分類されます。

生理的口臭

食べかすなど口腔内の汚れ、起床時、空腹時、ストレスや緊張に起因するもの

外因的口臭

臭いの強い食品、飲酒、喫煙に起因するもの

病的口臭(口腔内の原因)

歯周病、歯垢、舌苔などに起因するもの

病的口臭(口腔外の原因)

呼吸器の病気、糖尿病、肝疾患、腎疾患、白血病などに起因するもの

口臭測定器のオーラルクロマは、口臭の原因となるガスを三要素ガスに分解して測定することで、どのガスがどれだけ出ているのか、具体的な数値で詳しく知ることができます。
オーラルクロマによってどのガスが多く検出されるかが数値で分かれば、臭いの原因が特定しやすくなり、より有効な対策や治療を行いやすくなるのです

口臭の原因物質がわかることの重要性

レポートを持った医療関係者

口臭を改善するにあたり、口臭の原因を早期に特定することは、歯磨きを丁寧にすればいいのか、歯周病の治療が必要なのか、あるいは口腔内ではなく内臓系の病気を疑ったほうがいいのかといった、適切な治療の方針を早い段階で見極めるためにも重要なことです。

反対に、口臭の原因がはっきりと分からないまま対策をしていると、口臭が改善されないだけではなく、場合によっては大きな病気の兆候を見逃してしまう可能性もあります。
口臭の原因は口腔内だけにあるとは限りません。万が一、内臓系の病気に罹っていることが原因で口臭が発生していた場合、口腔内のケアにばかり気を取られているうちに、どんどん病気が進行してしまうといったリスクも考えられます。

効果的な治療を行うと同時に病気のサインを見逃さないためにも、口臭の原因物質を特定しておくことはとても大切なことなのです。

オーラルクロマによる検査の流れ

オーラルクロマは短時間で簡単に口臭の原因ガスを調べることができますが、具体的にはどのような流れで検査が行われるのでしょうか。詳しいオーラルクロマによる検査の流れを解説します。

呼気を3箇所で採取して測定

オーラルクロマによる口臭測定では、呼気を3箇所で測定することによって口臭の原因を判定します。計測にかかる時間は4分ほどです。

口の中のガス(口腔内ガス)の測定

口の中のガスを採取するため、注射器を口にくわえます。唇のすき間から呼気が漏れないよう、しっかりと口を閉じた状態で30秒間、注射器の中に息を吹き込みます。こうして採取したガスを測定器に注入し、口臭測定器による測定を開始します。

吐く息に含まれるガス(呼気ガス)の測定

口から吐く息に含まれるガスを調べるため、ビニール袋に息を吹き込んで集めます。こうして採取した息を測定器へ注入します。

鼻の奥のガス(後鼻腔ガス)の測定

鼻の穴から専用の細い管を入れた状態で発声することにより、鼻の奥の部分のガスを採取します。これを測定器へ注入し、測定します。

検査を受ける際の注意点

注意を促す女性

口臭測定器「オーラルクロマ」による口臭測定を行う場合、いくつかの注意点があります。

まず、本来の口臭を正確に測定するためにも、測定の前日からは、ニオイの強いものを食べたり飲んだりしないようにしましょう。お酒はもちろんのこと、にんにくやネギなど強い臭いを発する食べ物にも注意が必要です。また、臭いが強い食べ物でなくても、測定の1~3時間前からは飲食を控えるようにしてください。

喫煙についても、測定の1~3時間前から控えるように指導されることが多いです。具体的に何時間前から控えるかについては医院によって異なることがありますので、担当の医師の指導に従うようにしましょう。

さらにマウスウォッシュやうがい薬、歯磨き粉やガムといった、口臭予防に使われる製品の使用も3日前からはやめておくようにします。
測定当日は歯磨きをせず、口を水でゆすぐだけにしましょう。なお、香水を付けると口臭を正確に測定できないことがありますので、香水やコロンは付けずに医院へ向かうようにしてください。

口臭測定器による検査を受けるには?

口臭測定器「オーラルクロマ」による検査を受けるには、口臭専門外来を訪れるのが最も確実です。まずは電話で機器を導入しているかどうかを問い合わせ、予約を入れて受診するようにしましょう。

また、歯科医院でも口臭検査を行っていることがありますが、どの歯科医院でも必ず検査できるわけではありません。かかりつけの歯科医院で口臭測定器による検査ができるかどうかは、直接問い合わせて確認するようにしましょう。

口臭検査の費用は?

口臭検査の費用

口臭測定検査の費用については、3,000円の医院もあれば5,000円の医院もあるなど、医院によっても大きく異なります。検査にいくらかかるのかについては、事前に電話等で問い合わせて確認しておくとよいでしょう。

なお、口臭検査や口臭を防ぐための治療のみを行う場合、健康保険は適用されません。ただし、口臭の原因が歯周病や虫歯の場合、口臭を取り除くためには歯周病や虫歯を治療する必要がありますので、従来通り保険診療となり、健康保険が適用されます。

調べてみたら、口臭が強くないということも…

口臭測定器で口臭測定を行った結果、「口臭が強くない」または「口臭がほとんどない」といった結果が出ることももちろんあります。

しかし、口臭測定の検査を受ける方の多くが、「自分には口臭がある」「人から口が臭いと思われているのではないか」と考えて医院を訪れています。そのため、口臭測定器の結果が「口臭がない」「口臭は強くない」と示しているにも関わらず、検査結果が信用できないのではないかと疑ってしまうケースも少なくありません。

これには、ニオイの感じ方が人によって異なることが挙げられます。ニオイに敏感な方は自分や他人の口臭を意識しやすい傾向がありますし、同じ人でも体調や周囲の環境、会話するときの距離や相手の位置によって、口臭の感じ方が変わることがあるのです。

また、人と会話をしていて、相手が不快な表情をしたように感じたり、手で鼻のあたりを覆うことがあったように思えたりすると、そのことばかりが気になってしまう場合があります。その結果、実際には口臭がほとんどない方でも、自分の口臭が必要以上に気になってしまいます。これを心理的口臭と言います。

「自分には口臭がある」と一度思い込んでしまうと、なかなかその思い込みから抜け出せなくなりがちです。必要以上に口臭を意識してしまいがちな方こそ、測定器による客観的なチェックを受けることが大切と言えるでしょう。

この記事に関連する記事