コンクールFとは?効果や使い方まとめ
現在、様々なメーカーから、歯周病や虫歯などの口腔トラブルや口臭予防を目的としたマウスウォッシュ(洗口液)が販売されていますが、その中に「コンクールF」というマウスウォッシュがあります。
コンクールFは、株式会社ウェルテック社が販売している医薬部外品の洗口液で、虫歯や歯周病に効果を発揮するとされています。
今回はコンクールFについて、一般的なマウスウォッシュと比べてどのような特徴があるのか、効能や使い方、アレルギーの有無などの安全性のほか、同メーカーから販売されている「コンクールジェルコートF」に関する情報にも触れながら、詳しく解説していきます。
コンクールFとは?
高い殺菌力を持つコンクールFは、歯周病などの口腔トラブルに効果があるとされる洗口液です。
日本人の成人の約80%が罹患しているとされている歯周病は、歯茎の腫れや痛み、出血といった症状をもたらすだけでなく、悪化すると歯槽骨が溶けて歯を支えられなくなり、歯が抜けてしまう病気です。
歯周病予防の基本は、歯や歯茎の表面に付着したバイオフィルム(細菌の集まり)をブラッシングによって落とすことです。バイオフィルムを除去した状態で洗口液を使えば、歯や歯茎に洗口液が行き届きやすくなり、歯周病予防に効果を発揮します。
洗口液特有の刺激がない
一般的に、マウスウォッシュには使用後の爽快感や口臭予防を目的として、エタノールなど含まれていることが多いのですが、エタノールなどは口腔内の粘膜を刺激するため、ピリピリとした辛さを感じることがあります。中には「マウスウォッシュを使いたいけれども、この辛みが苦手で…」という方も多いのではないでしょうか。
コンクールFは口に入れても強い刺激を感じにくく、後味もマイルドなミント味です。独特の辛みが苦手な方も安心して使用することができます。
濃さの調整がしやすい濃縮タイプ
コンクールFは小さなボトルに入っていますので、「すぐに使い切ってしまうのでは?」と思うかもしれませんが、濃縮タイプのため自分でうすめて使います。
1回に使うのは5~10滴で、1本につき約360~700回のすすぎが可能です。口腔内の状態に合わせて濃さを調整できます。
コンクールFの成分と効果
コンクールFには、主に以下の成分が配合されています。
- グルコン酸クロルヘキシジン(CHG)
- グリチルリチン酸アンモニウム
- 緑茶抽出液
- l‐メントール
- エタノール(溶解補助剤)
「グルコン酸クロルヘキシジン」には殺菌作用があり、口腔内で細菌が増えるのを抑える働きをします。この作用が、虫歯や歯周病の予防に効果を発揮します。また、殺菌効果によって口臭の予防にも役立ちます。
歯周ポケットが深くなると、プラークが歯周ポケットの奥深くへと入り込みやすくなり、通常のブラッシングでプラークを落としきるのがますます困難になります。「グリチルリチン酸アンモニウム」には、歯茎の炎症を抑えて歯周ポケットの深化を防ぐ抗炎症作用があります。歯周ポケットが深くなるのを防ぐことは、歯周病の悪化を食い止めることにもつながるのです。
さらに、緑茶抽出液とl‐メントールが苦みを和らげ、洗口後の口腔内をすっきりさせてくれます。
コンクールFはどこで購入可能?価格は?
コンクールFは歯科専売製品ですので、基本的には歯科医師の指導のもと、歯科医院で購入することが可能な商品です。一般的なドラッグストアでは通常販売されていません。
購入時には、歯科治療時や歯科検診の際、洗口液について歯科医師や歯科衛生士に相談するとよいでしょう。
なお、本体価格は税抜きで1,000円となっています。
コンクールFの使い方
コンクールFは濃縮タイプの洗口液ですので、水で薄めて使用します。
- 約25~50mL(コップ約1/8~1/4ほど)の水に対し、コンクールFを5~10滴入れる
- よくかき混ぜ、口に入れてすすぎ吐き出す
なお、コンクールFの使用回数や頻度については、特に定められていません。口のネバつきや口臭が気になるシチュエーションなど、自分のタイミングで使用するとよいでしょう。
コンクールFの安全性は?使用する際の注意点
多くの食品や薬品について、アレルギー症状をもたらす場合があることが知られていますが、コンクールFも、体質によっては稀にアレルギー症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。
アナフィラキシーショック
コンクールFに含まれるグルコン酸クロルヘキシジン(CHG)は、口腔内に長く留まり、最大で12時間、唾液中の細菌が増えるのを抑える効果を発揮します。
歯周病の原因となるプラークに対しても持続的に殺菌効果を発揮することから、歯科医院でのスケーリング後にグルコン酸クロルヘキシジンを用いることで、より高い予防効果が得られると言われています。
しかし、グルコン酸クロルヘキシジンはごく稀にアレルギー症状をもたらすことがあります。一部の歯科医院で、歯周ポケットを直接コンクールFで洗浄したところ、患者がアナフィラキシーショックを起こした事例があるのです。
個人が通常の洗口液として利用する場合、正しく希釈した上での利用であれば、アナフィラキシーショックに至るほど重大な影響があることは考えにくいですが、使用する際には歯科医師や歯科衛生士の指導のもと、用法・用量を守って正しく利用するようにしましょう。
歯や粘膜への着色
グルコン酸クロルヘキシジンは口腔内に長く留まることで高い殺菌効果を発揮しますが、長時間留まるために、歯や舌が着色する場合があります。
ただし、着色は歯や舌の表面だけですので、定期的な歯面清掃等を行うことで除去することができます。
味覚障害
グルコン酸クロルヘキシジンは味覚障害の原因にもなると言われています。ただし、実際に味覚障害を起こしたのは海外の事例です。海外ではより高濃度のグルコン酸クロルヘキシジンが利用されているケースがあることから、味覚障害などの症状が出たと考えられます。
しかし、日本国内で販売されているコンクールFのような洗口液で、味覚障害が現れたという事例はありません。
ジェルコートFの併用もおすすめです
より高い歯周病・虫歯・口臭予防を目指す方は、同社から販売されている「コンクールジェルコートF」を併用するのもおすすめです。
コンクールジェルコートFはフッ素を950ppm(ppm=100万分の1の割合を示す単位)配合した歯磨きジェルで、歯の再石灰化を促進し、歯質を強化する効果があります。また、研磨剤や発泡剤などの刺激物が含まれていませんので、歯が傷つきにくいのがポイントです。
コンクールFと同様、コンクールジェルコートFの値段は税抜き1,000円で歯科専売製品です。気になった方は、かかりつけの歯科医師や歯科衛生士の指導の下で使用してみてはいかがでしょうか。
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