口臭外来ではどんなことをする?治療・検査内容/費用/保険など
近年、口臭外来を設置している歯科医院が多くなっています。「口臭を相談するのは恥ずかしい」と、なかなか治療に踏み出せないでいる人も少なくないようです。
しかし、ある調査では、口臭外来を受診した人のうち、口臭を自覚している人の約半数が「口臭なし」という診断を受けたという結果も出ています。
「口臭に悩まされている」という人の中に、実際には口臭が強くない人も多くいるのです。自分の口臭に合った治療を行うことはもちろん、口臭は客観的な評価や精神的な面からのアプローチも必要であることから、専門家に相談することは早期解決につながると言えるでしょう。
口臭外来ではどんなことをするの?
口臭は誰にでもあります。しかし、その強弱はその人によって違います。また、時間帯によっても口臭の強さは違ってきます。
周囲が気付くような強い口臭がありながら、本人は全く自覚していないケースもあれば、口のニオイを深刻に悩んでいるけれど、他の人が気になるような口臭ではない(口臭は強くない)というケースもあります。
口臭外来では、口臭の強さや原因を調べ、口の中にある口臭の原因に合った治療を行い、口臭を改善します。
主な検査の流れは次の通りです。
1.問診
問診票を記入します。生活習慣などの簡単な質問に答えます。
2.口臭検査
口臭検査は、主に医師が呼気・口腔内の臭いを嗅ぐ「官能検査」とオーラルクロマなどの口臭測定器を使用した「機器測定」が行われています。
測定器を使用した検査では、口臭の主な原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)を検出し、客観的な口臭の強さを評価します。
揮発性硫黄化合物には、主に硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドがあります。
口臭検査は自由診療ですから、医院によって検査の内容が異なる場合もあります。必要に応じて、より精密な検査を行う医院もあるでしょう。
3.診断
検査結果や口臭の原因、必要な治療などについての説明があります。口の中に口臭の原因がない場合には、内科を紹介してくれる場合もあります。
また、口臭が思い込みであり、検査で「口臭はない」と診断される場合など、「自臭症(自己臭症)」と診断される場合などには、カウンセリングを行う場合もあります。
4.治療
口臭の原因が歯周病や虫歯の場合は、病気を治す治療が必要になります。また、口臭には生活習慣や食生活、口内清掃の仕方など、さまざまなことが影響してきますから、総合的な治療が必要になる場合も多いです。
歯科治療だけでなく、生活習慣やブラッシングなどの指導を行いながら、口臭を改善に導いていきます。
口臭外来の費用・保険適用
口臭外来の診療は、保険が適用とならないため、歯科医院によって費用は異なります。また、保険診療に比べてお金がかかる可能性があります。
主に次のような費用がかかります。
- 初診料
- 検査費用
- カウンセリング費用
- ケア用品費用
など
※費用の内訳は医院によって異なります
口臭外来の治療費は医療費控除の対象になる?
口臭治療にかかった費用は、医療費控除の対象となります。口臭治療は保険が使えませんので、費用が高額になってしまう場合もありますが、確定申告を行うことで支払った治療費用の一部が戻ってきます。(還付金として戻ってくる金額は、総所得によって違います。)
医療費控除について
医療費控除とは、同じ年の1月1日から12月31日までに支払った医療費が対象となり、確定申告を行うことで一定の所得控除が受けられる制度です。
生計を共にする家族の医療費も合算して申告することできますし、医療機関に支払った費用だけでなく、薬店で買った市販の風邪薬なども対象となるため、事前に確認しておくと良いでしょう。
口臭外来が近隣にない場合は、交通費がかさんでしまうこともあるでしょう。自家用車では医療費控除の対象とはなりませんが、公共の交通機関を利用した場合には控除の対象となります。
口臭外来に行けば必ず口臭が治る!?
口臭外来では口臭の原因を明確にすることができますが、「口臭がない」と診断されることもあります。実際に口臭を自覚している人の半数が、口臭なしという診断を受けているとも言われています。
このような、自分の口は臭いという「思い込み」の場合にも、口臭外来で相談を受けてもらえます。
自臭症である場合や全身疾患が要因である可能性がある場合などは、専門の医院を紹介してもらうことも可能でしょう。
近隣に口臭外来がない場合は?
口臭の原因のほとんどは口の中にあるとされています。通える距離に口臭外来がない場合には、歯科医院で相談すると良いでしょう。
口臭外来を設けていない医院でも、口臭治療を行っている医院もありますので、事前に医院に問い合わせてみると安心です。
口臭治療の効果
口臭は、人間関係にも影響しやすいです。口臭が気になることで、積極的になれない・コミュニケーションがスムーズに取れない・自分に自信が持てないといった悪影響が及びます。
口臭を改善することによって、メンタルにも良い影響があり、仕事や人間関係にさまざまなメリットがあるでしょう。
口臭治療が病気の発見につながることも!
また、口臭が何らかの病気のサインである場合もあるため、口臭の原因となっている病気を明確にし、適切な治療を開始することは大切なことです。口臭の原因となる病気の一つに歯周病がありますが、歯周病は進行すると歯を失うことにもつながりますし、全身疾患に悪影響を及ぼすことが明らかになっています。
口臭が病気のサインになっている場合もあるため、たかが口臭と放置しないことが大切です。
口臭がセルフケアで改善されない場合には、早めに治療を開始することをお勧めします。
治療が必要ない口臭
口の中や全身に何らかの口臭の原因がある場合、口臭がないのにもかかわらず口臭があると思い込んで悩んでいる場合などは、適切な治療が必要になります。
しかし、ニンニク料理を食べた後の臭いやお酒を飲んだ後の臭いなど、生活活動が原因となって生じる口のニオイは治療する必要はありません。ニンニク臭など、食事による口の臭いがとても強くなる場合もありますが、時間の経過とともに軽減されます。
また、厳密には、食事や飲酒によって生じる口のニオイは、口臭に含めないとされています。
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