• 口臭 対策

    【銅クロロフィリンナトリウムの効果と副作用】口臭に効く!?

    【銅クロロフィリンナトリウムの効果と副作用】口臭に効く!?

    銅クロロフィリンナトリウムが口臭・胃・二日酔いに効くって本当!?得られる効果や副作用、銅クロロフィリンナトリウムを含む医薬品などご紹介。

この記事をシェアする

  • 観覧数:27093 Views
  • 更新日:2016年05月10日

銅クロロフィリンナトリウムの3つの効果と副作用

「銅クロロフィリンナトリウム」とは、耳慣れない名前かもしれません。銅クロロフィリンナトリウムは、口臭を消す効果を持つ成分です。口臭予防成分としてマウスウォッシュなどに添加することが国から認可されています。口臭抑制作用を持つ成分は少ないので、銅クロロフィリンナトリウムは貴重な化学物質と言えるかもしれません。

銅クロロフィリンナトリウムとは?

クロロフィル

銅クロロフィリンナトリウムとは、植物に含まれる葉緑素(クロロフィル)からなる水溶性の色素です。
そもそも、葉緑素とは光合成をするための物質で、植物の葉っぱやケイ藻、緑藻、褐藻といった藻類に含まれています。天然に存在するクロロフィルにはマグネシウムが配置されていますが、銅クロロフィリンナトリウムではこのマグネシウムがに置換されています。強アルカリである水酸化ナトリウムで処理することによって、人工的に作り出します。

天然のクロロフィルよりも水に溶けやすく、安定した性質を持っているので、医薬品や化粧品に配合されやすくなっています。化粧品に記載されている「クロロフィル」は、銅クロロフィリンナトリウムの場合も多いです。

銅クロロフィリンナトリウムの用途

銅クロロフィリンナトリウムは、元は葉緑素なので、ダークグリーン色を呈しています。この色を利用して、チューインガム、シロップ、キャンディー、昆布、チョコレートなどの食品の着色料としても使用されています。

銅クロロフィリンナトリウムの主な効果

「葉緑素=光合成」というイメージが強いかもしれませんが、クロロフィルの力は植物に対して作用するだけではありません。銅クロロフィリンナトリウムには、人間にも多くのメリットがあります。

1.口臭を軽減する

銅クロロフィリンナトリウムのメリットでよく挙げられるのは、脱臭による口臭抑制作用です。東京歯科大学の研究実験では、銅クロロフィリンナトリウムが口臭物質である揮発性硫黄化合物(VSC)の産生を阻害することがわかっています。

生理的口臭の多くが、この揮発性硫黄化合物が原因になっていると言われています。そのため、揮発性硫黄化合物の産生を阻害する銅クロロフィリンナトリウムの摂取は、口臭の改善に効果が期待できるでしょう。
もちろん、単に銅クロロフィリンナトリウムを摂取するだけでなく、口の中の衛生管理や生活習慣の改善、ストレス対策なども併せて行うことが大切です。また、病気が原因の口臭(病的口臭)は、虫歯や歯周病といった病気の治療を行わなければ、根本的な解決にはつながりません。

揮発性硫黄化合物(VSC)とは?

口臭を気にする女性

揮発性硫黄化合物は、舌の表面に付く舌苔(ぜったい)プラーク(歯垢)内に存在する細菌が、食べカス・垢・白血球などのタンパク質を分解することで発生します。

揮発性硫黄化合物にはさまざまな物質がありますが、口臭の原因となる主なものに硫化水素[H2S]・メチルメルカプタン[CH3SH]・ジメチルサルファイド[(CH3)2S]の3種類があり、腐った卵のニオイ、ドブ川のニオイ、生ゴミのニオイといった不快なニオイを発生させます。また、歯周病が進行すると口臭が強くなりますが、この場合の口臭も揮発性硫黄化合物が原因となっています。

2.胃粘膜を修復する

銅クロロフィリンナトリウムには荒れた胃の粘膜を修復する働きがあり、多くの胃薬に含まれています。代表的なものとして第一三共胃腸薬グリーン微粒(第一三共ヘルスケア)・新富士胃腸薬(富士薬品)などがあります。

3.二日酔いの症状を改善する

銅クロロフィリンナトリウムには、吐き気や胸のむかつきといった二日酔いの症状を改善させる働きがあります。ただし、二日酔いによる頭痛には効果がありません。

銅クロロフィリンナトリウムの毒性・副作用は?

銅クロロフィリンナトリウムにはメリットが多くありますが、期待しすぎたり、成分に頼りすぎたりするのは良くありません。どんな成分でも、過剰に摂取することは危険です。身体に害を及ぼす可能性が高くなります。とはいえ、銅クロロフィリンナトリウム自体は、ほぼ副作用の心配はありません。懸念するといえば、便の色が緑色に変化することぐらいでしょう。

ただし、銅クロロフィリンナトリウムだけでなく、その他の成分も含まれている医薬品を摂取する場合には注意が必要です。
例えば、胃腸薬であるメサフィリンには口が乾く作用があります。緑内障の人は使用禁止ですし、高マグネシウム血症の人も要注意です。第一三共胃腸薬グリーン錠にも銅クロロフィリンナトリウムが含まれていますが、授乳中の場合は赤ちゃんへの影響が懸念されるため、控えた方がいいと記載されています。

銅クロロフィリンナトリウムを摂取するには?

銅クロロフィリンナトリウムは、口臭改善や二日酔いの症状改善、荒れた胃の改善など、得たい効果に合わせて、次に紹介するような医薬品が販売されています。

口臭改善、二日酔いの症状改善のために

サクロフィール

サクロフィールはシート状の錠剤で、1回3~4錠を1日1~3回に分けて服用します(15歳以上)。また、口臭の改善だけでなく、二日酔いの症状改善にも効果があるとうたわれています。

サンクロン

サンクロンは小瓶に入った液体であり、1日に数回、1回につき2~3mLを牛乳やヨーグルトに薄めて食間に摂取します(小児は半量)。味が独特なので、薄めないと飲みにくい人が多いでしょう。

胃腸薬として

銅クロロフィリンナトリウムが含まれている胃腸薬には、第一三共胃腸薬グリーン錠メサフィリンなどが挙げられます。

胃の調子が悪い時に、胃薬を服用する人は多いですが、胃薬は症状に合わせて選ぶ必要があるため注意が必要です。胃の働きを良くする「健胃薬」を含むものもあれば、胃酸分泌を抑制する「H2ブロッカー」を含む胃薬もあります。胃薬の種類によって、配合が異なりますから、自分の症状に合ったものを選択することが大切です。
特定の症状がない、複数の症状に悩まされているという場合には、複数の効果が得られる「総合胃腸薬」を選ぶと良いでしょう。

口臭の根本的原因を改善することも大切です

口腔内のメンテナンス

軽い胃痛のケースなら、銅クロロフィリンナトリウムの配合された胃腸薬を飲むことで改善される場合もあるでしょう。しかし、症状が重くなっても薬で我慢していると、大事な疾患を見逃してしまう恐れがあります。気になる症状がある場合は、必ず病院を受診して、根本的な解決を図ることが必要となってきます。

また、口臭についても同様です。口臭の原因はハッキリしないことも多々あるため、「口臭が消える薬」と言われると、魔法の薬のように感じられて多大な期待を寄せてしまうかもしれません。しかし、銅クロロフィリンナトリウムによる口臭抑制作用はあくまでも一時的なもので、対症療法に過ぎません。
生理的な口臭であれば清掃によって改善しますし、口腔内の病気、あるいは全身の病気が原因であれば、やはり治療を施さなければいけません。

成分のメリット・デメリットを把握して、正しい付き合い方をしていくことが大切でしょう。

この記事に関連する記事