ビオフェルミンが口臭に効果あり!?そのメカニズムとは
「ビオフェルミン」は大正製薬が販売している整腸剤です。大正時代から販売されている歴史のある有名な整腸剤ですので、家に常備しているという方も少なくないのではないでしょうか。
ビオフェルミンは乳酸菌を配合した整腸剤で、乳酸菌の働きによりおなかの調子を整えるのが本来の用途なのですが、最近、ネット上の口コミで「口臭予防にも効果がある」と評判になっています。
今回はビオフェルミンとはどんな薬なのか、口臭予防に効果があるとされているのはなぜなのか、そのメカニズムについて詳しく説明していきます。
乳酸菌による口臭予防に興味のある方は、今後の口臭ケアの一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。
ビオフェルミンとは
ビオフェルミンは、正式には「新ビオフェルミンS錠」という商品名で販売されています。錠剤タイプのほか、パウダー状で飲みやすい、生後3ヶ月以上の乳幼児から服用可能な「新ビオフェルミンS細粒」も販売されていますが、これらの2商品の効果に違いはありません。
新ビオフェルミンS錠は、妊娠中・授乳中の女性や、赤ちゃん(生後3ヶ月の乳幼児~5歳未満は細粒タイプのみ)からお腹の調子を崩しがちな高齢者まで安心して服用することができます。ストレスや食生活で乱れやすいおなかの健康を保つために、手軽に飲める整腸剤と言えるでしょう。
ビオフェルミンは指定医薬部外品
ビオフェルミンは指定医薬部外品です。医薬部外品とは、身体に対する作用が穏やかな薬剤として薬事法で定められたものをいいます。さらに指定医薬部外品は、医薬部外品に準ずるもので厚生労働大臣が指定する新指定医薬部外品や新範囲医薬部外品のことです。
つまり、新ビオフェルミンS錠は穏やかな効果があることは認められていますが、いわゆる薬剤ほど強い効果ではないということになります。
ビオフェルミンの成分・効果
ビオフェルミンに配合されている主な成分は、整腸作用に効果があると言われている乳酸菌です。
乳酸菌を製剤化しているビオフェルミンは、食後に服用することで乳酸菌が腸内に届き、栄養や水を吸収して増殖しておなかの調子を整えます。主に軟便や便秘、お腹に溜まったガスによる腹部膨満感などの症状に効果を発揮してくれます。
ビオフェルミンに含まれる3つの乳酸菌
ビオフェルミンには白糖やタルク、トウモロコシデンプンなどの添加物のほか、以下の乳酸菌成分がそれぞれ18mgずつ含まれています。
- コンク・ビフィズス菌末
- コンク・フェーカリス菌末
- コンク・アシドフィルス菌末
「コンク・ビフィズス菌末」は大腸の中で酢酸や乳酸を生成して整腸効果を高める作用、「コンク・フェーカリス菌末」は小腸で増殖して、ビフィズス菌やアシドフィルス菌の増殖をサポートしながら腸内環境を整える作用、「コンク・アシドフィルス菌末」は小腸内で乳酸を生成して有害とされる菌の活動を抑える作用があります。
これらの3種類の乳酸菌はヒト由来のもので、飲んだときの定着性に優れており、食後に飲むことで胃酸の影響を受けないため、しっかりと腸に届くという特徴を持っています。
整腸効果が現れるまでの期間
ビオフェルミンの整腸作用が現れるまでの時間には個人差があり、服用して2~3日で現れる方もいれば、1週間以上かかる方もいます。ただし、ビオフェルミンを1ヶ月以上飲んでも症状が改善されない場合は、何らかの病気を抱えている可能性もあるため、メーカー側は医療機関を受診することを推奨しています。
ビオフェルミンが口臭に効果的って本当?
ビオフェルミンは整腸剤ですので、おなかの調子を整えるために服用するのが本来の利用方法です。しかし、ネット上では整腸作用に加え、口臭予防にも効果があると口コミで評判となっています。
なぜビオフェルミンが口臭予防に効果をもたらすのでしょうか。
乳酸菌が口臭予防に効果をもたらすメカニズム
ビオフェルミンが口臭に効果があるとされる理由は、ビオフェルミンに含まれる乳酸菌が持つ悪玉菌を排除する働きにあると考えられています。
口臭の原因のひとつとして、口腔内で繁殖する細菌が挙げられます。そこでビオフェルミンを飲むことで、乳酸菌が人体にとって良くない働きをする悪玉菌が繁殖するのを抑えるため、口臭の原因になる細菌が増えにくくなるというわけです。
また、歯周病も強い口臭を放つ原因となりますが、歯周病菌も口腔内にとっての悪玉菌ですので、乳酸菌が歯周病菌の繁殖を抑える効果も期待できそうです。
腸内の悪玉菌はガスを発生させ、これが口臭の原因となる場合もあるため、乳酸菌が胃腸の調子を整えることも、結果的に口臭対策にもつながると考えられます。
最近では、こういった乳酸菌が持つ働きに注目し、口臭対策専用の乳酸菌タブレットや歯磨き粉、マウスウォッシュなども数多く販売されています。
口臭予防のために利用するには?
ビオフェルミンの「使用上の注意」には、15歳以上であれば1回に3錠を1日に3回、5歳~14歳は2錠を1日に3回、食後に服用するよう明記されています。
食後に飲むことが推奨されているのは、乳酸菌が胃酸の影響を受けにくくなり、生きて腸まで届くようになるためです。
ビオフェルミンで口臭予防をする際には、錠剤を噛んでから飲むとよいと言われています。あくまで使用した人の感想であり、その効果の程度は異なりますが、「ビオフェルミンを噛み砕いて飲むようになってから、朝起きたときの口臭が気にならなくなった」「錠剤を噛み砕いてから口の中で行き渡らせることで、より効果を実感した」という方もいるようです。
噛んで飲むことに問題はないの?
ビオフェルミンを口の中で噛んでから飲むことに、何か問題はないのか気になる方も多いのではないでしょうか。製薬会社の公式ウェブサイトによれば、軽く噛み砕く程度であれば効果に違いはないとのことですので、特に問題はないようです。
他にも、ヨーグルトと一緒に服用してもよいことや、妊娠中や授乳中の服用も問題はないことが示されていますので、安心して服用できます。
ビオフェルミンの成分は乳酸菌ですので、服用することで大きな副作用が起きることは考えにくいですが、他の薬と同様、過剰摂取により身体に何らかの影響を及ぼす可能性は否定できません。必ず用法用量を守って利用するようにしましょう。
その他のセルフケアや歯科検診も忘れずに
ビオフェルミンに含まれる乳酸菌の効果について見てきましたが、ビオフェルミンは全ての口臭を完全に除去してくれるわけではありません。口臭予防の基本は、口臭の原因を把握し、適切なセルフケアや治療によって原因を根本的に取り除くことにあります。
いくら乳酸菌が悪玉菌の繁殖を抑えてくれると言っても、悪玉菌のえさになる歯垢が歯と歯の間に残ったままであれば、結局は悪玉菌が増えることに変わりありません。
毎日の歯磨きや歯間ケアで歯垢をしっかりと除去する、過度な舌の汚れ(舌苔)は除去する、定期的に歯科医院を受診するなど、基本的なケアを継続することが最も大切です。
また、口臭の直接的な原因が全身疾患や内臓系の病気である場合も考えられます。病的口臭をなくすためには、これらの病気を完治させるしかありません。
ビオフェルミンはあくまでも整腸剤です。口臭予防への効果を製薬会社が提言しているわけではありません。ビオフェルミンによる口臭予防効果を期待して使用した場合、効果には個人差があるということを理解しておきましょう。
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