• 口臭 予防

    エビオス錠の効果と副作用とは/ビール酵母が口臭に効く?

    エビオス錠の効果と副作用とは/ビール酵母が口臭に効く?

    エビオス錠の効果と副作用の有無、摂取時の注意点を解説します。口臭に効くというのは本当なのか、主成分であるビール酵母についても触れていきます。

この記事をシェアする

  • 観覧数:50645 Views
  • 更新日:2016年05月09日

エビオス錠の効果と副作用/口臭にも効くって本当?

テレビのCMや広告などで、「エビオス錠」というお薬を見たことや聞いたことはありませんか?何となく健康に良さそうなものの、その効果について正確に知っている方はあまりいないのではないでしょうか。

エビオス錠は、今から80年以上も前から発売されている歴史ある薬剤です。胃腸薬や栄養補給剤として使われていますが、最近では「口臭の抑制に効果があるのではないか」と話題を呼んでいます。実際に、エビオス錠に口臭を抑える働きがあるのか気になるところです。

今回はエビオス錠の効果や副作用、口臭抑制との関係について詳しく解説していきます。

エビオス錠ってどんな薬?

エビオス錠

エビオス錠は、アサヒフードアンドヘルスケアから販売されている指定医薬部外品です。

医薬部外品とは、きちんとした効果が認められてはいるものの、医師に処方された薬や、薬剤師がいるお店でしか変えない薬(医薬品)よりも効き目が緩やかであるものを指します。
エビオス錠の場合は医薬部外品に「指定」と付いているので、最初は医薬品として扱われていましたが、後に安全性が高いと認められて医薬部外品に移行したものと考えられます。

エビオス錠の成分

エビオス錠の主成分は「ビール酵母(乾燥酵母)」です。9種類のビタミン・ミネラル類、18種類のアミノ酸、2種類の核酸、総グルタチオン、食物繊維が総合的に働き、胃腸の調子を整えます。食欲不振や栄養補給にも効果があります。

エビオス錠の3つの効果

エビオス錠では、主にビール酵母由来の効果・効能が発揮されています。気になるエビオス錠の効果について、ひとつずつ確認していきましょう。

1.胃腸を整える

主成分のビール酵母に含まれる乳酸菌などが、胃や腸の機能を整える整腸剤のような働きをします。消化不良や胃のむかつき、胃もたれ、胸やけ、吐き気などに効果を発揮してくれます。

2.腹部膨満感を解消

お腹の張りの原因はいくつかあります。例えば、飲み物を飲む際に空気を一緒に飲み込んでしまう呑気症です。腸の蠕動運動が弱まり、取り込まれた空気がガスとして排出されないと、お腹が苦しくなってしまいますね。特に便秘中はガスがなかなか出て行きません。
また、腸内ガスは、ストレスや偏った食生活で腸内の悪玉菌が増えてしまうことによっても発生します。

エビオス錠は腸内細菌のバランスを整え、ガスが溜まりにくいお腹にしてくれます。

3.豊富な栄養を補給できる

ビール酵母

エビオス錠には、栄養ドリンクのように様々な栄養成分が配合されています。

エビオス錠は、特にビール酵母由来のビタミンB群が豊富で、皮膚の新陳代謝を高めるナイアシン、悪性貧血を予防する葉酸、ストレスに対抗するホルモンの元となるパントテン酸、若くツヤツヤした髪を維持するビオチンなどが多く含まれています。

ミネラル類ではカリウム、リンが多めです。タンパク質の合成に必要不可欠な必須アミノ酸もたくさん含まれています。また、核酸として含まれているDNAやRNAは、細胞の遺伝子情報に関わる物質で、主にタンパク質の合成を行っています。

さらに、抗酸化物質のひとつであるグルタチオンも配合されています。ガンなどの病気やお肌のシミといった老化現象は、体内で産生される活性酸素によって引き起こされていることが明らかになっており、この活性酸素に対抗するのが抗酸化物質です。
エビオス錠は、「胃が弱っている」「食欲不振である」といった場合の栄養補給にも最適な薬といえます。

エビオス錠の用法・用量

エビオス錠剤は子供から高齢者まで、妊娠中・授乳中の女性までが安心して服用することができますが、用法・用量については必ず守る必要があります。

具体的な使い方としては、1日3回を食後に数錠服用します。成人だと、1回につき10錠×3回分なので、1日30錠を服用することになります。

なお、子供の場合は5歳以上なら1回3錠、7歳以上なら5錠、11歳以上なら8錠、15歳以上なら成人と同じ10錠と、年齢によって用量が異なりますので注意してください。
5歳未満の子供の場合、錠剤を喉に詰まらせる恐れがあるため服用は避けましょう

商品形態としては、ボトルタイプ(600錠、1200錠、2000錠)パウチタイプ(300錠、900錠)の2種類が販売されています。成人ですと1日30錠服用なので、600錠あれば20日間は持つという計算になります。

エビオス錠が口臭に効くって本当?

ビールの比較

気になるエビオス錠と口臭の関係についてですが、その秘密は主成分である「ビール酵母」にあります。

東京農業大学と東京工業大学の共同研究で、「ビール酵母を含んだビール」を飲みながら餃子を食べた場合と、「ビール酵母を含まないビール」を飲みながら餃子を食べた場合の口臭を測定したところ、「ビール酵母を含んだビール」を飲んでいた時の口臭の方が、低い計測値を記録しました。つまり、ビール酵母によって口臭が抑制された可能性があるのです。

その原理については、ビール酵母がニオイ物質を吸着し、吸着されたニオイ物質が腸内で能率よく分解されるためなのではないかと考えられています。また、ビール酵母は口臭だけでなく、体臭にも抑制効果があるのではないかと期待されています。

そもそも「ビール酵母」とは?

ビール酵母とは、酵母菌という微生物の一種です。ビールやワインなどのアルコール類は、酵母菌による発酵過程によって作られます。パンを作る時に利用されるイースト菌も酵母菌のひとつです。

ビールとビール酵母

ビールの原料は大麦です。大麦から、種子を発芽させて麦芽を作り出します。ビール工場では、まず大麦に水を吸わせ、粒を選別し、時間をかけてゆっくりと発芽を進行させます。最後に焙煎を行い、芳ばしい香りのする安定した麦芽を熟成します。

次に、麦芽を細かく砕き、酵母菌が麦芽の細胞の中へ浸透しやすい形にするため、お湯でゆっくりと加熱します。この煮詰めてできた液体を「麦汁(ばくじゅう)」といいます。麦汁の時点で、ミネラル類やアミノ酸が豊富に含まれています。この麦汁に加えるのがビール酵母です。

ビール酵母を加えることで発酵が始まり、アルコールが作られていきます。最後にできるのがビールです。

エビオス錠中のビール酵母

エビオス錠に含まれているビール酵母は、生の酵母を乾燥して濃縮させた乾燥酵母になります。乾燥させた酵母を粉砕し、粉末状にして錠剤にしたのがエビオス錠です。

口臭の原因を明確にして根治することも大切です

ただし、注意すべきなのは、エビオス錠を販売しているメーカー側が「口臭に効く」と明言しているわけではないという点です。
また、エビオス錠に限らず、どんな薬剤でも口臭の抑制効果については個人差があります。口臭を改善するには、根本的な口臭の原因を追究し、それに適した治療・対策を行うことが最も重要です。

エビオス錠を服用する際の注意点・副作用の有無

痛風の症状

エビオス錠を服用する上で気になるのはプリン体でしょう。「プリン体といえば痛風」など、悪いイメージを抱いている方は多いのですが、プリン体自体は決して悪者ではありません。プリン体はDNAやRNAといった核酸の中に含まれており、生きていく上で欠かせない存在でもあるのです。

プリン体の1日の摂取量に注意

しかし、プリン体は分解されると尿酸となります。この尿酸が厄介で、増えすぎると結晶化し、関節に炎症を起こす痛風を引き起こしてしまいます。プリン体は旨み成分でもあるため、モツやレバー、ウニやイクラなどのグルメな食品に豊富に含まれています。痛風が「贅沢病」と呼ばれるのはそのためです。

日本痛風・核酸代謝学会が発表した「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によると、プリン体の摂取目安は1日400mg程度とされています。エビオス錠の一日摂取量30錠あたりに含まれるプリン体は113.3mgです。尿酸値が高い方、痛風の方、アルコールを毎日たくさん飲む方は、エビオス錠を服用する前に主治医に相談してください。

ビール酵母によるアレルギーに注意

過敏症の方がビール酵母を摂取することで、かゆみやじんましんなどのアレルギー反応が現れたという報告もあります。エビオス錠を服用して身体に異常が出た場合、あるいは服用しても症状が改善されない場合には、ただちに服用を中止し、必要に応じて病院を受診しましょう。
飲み合わせの悪い薬やサプリメントについては、メーカーに直接問い合わせることをおすすめします。

この記事に関連する記事