オキシドールうがいの方法・効果・注意点は?
傷口の消毒液として、オキシドールを常備しているという家庭は多いものですが、実は、オキシドールが口腔内を衛生的に保つうがい薬としても活用できることはご存知でしょうか。
今回はオキシドールでうがいをする方法、その効果や注意点についてまとめました。オーラルケアの一環としてオキシドールうがいを取り入れてみようかと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもオキシドールとは?
学校で怪我をしたとき、保健室で養護教諭が脱脂綿につけて傷口を消毒してくれたという経験のある方も多いのではないでしょうか。あの消毒に使われているのがオキシドールです。
そもそも、オキシドールとはどんな水溶液なのかというと、酸素と水素から構成される過酸化水素(化学式:H2O2)の濃度が約3%の水溶液(過酸化水素水)のことです。無色透明の液体ですが、独特な金属臭・オゾン様の臭いを放ちます。
本来、過酸化水素は毒物及び劇物取締法によって指定された劇物(成人が誤飲した場合、致死量が2~20gのもの)なのですが、オキシドールは過酸化水素を水溶液として濃度を薄めているため、消毒や漂白など、様々な形で活用することができます。
オキシドールの効能・使い道
オキシドールが体の表面に触れると、身体の組織や血液に存在している「カタラーゼ」という酵素が反応し、触媒となって多量の酸素の泡を発生させます。この酸素の泡には異物を除去する殺菌作用があることから、ウイルスの殺菌を目的として、歯科・眼科器材の消毒に利用されています。
ただし、オキシドールの殺菌作用に持続性はなく、強力なものではありません。
オキシドールは主に医療用の消毒液としての用途が広く知られていますが、消毒以外にも、衣類のしみ抜きや紙を作るためのパルプの漂白、半導体など工業製品の洗浄、脱色剤などとしても用いられています。
オキシドールはどこで購入可能?
オキシドールは主に薬局やドラッグストアで購入することができます。容量については、100mlのものや500mlのものが主となります。
オキシドールは多くの薬局で「オキシドール」あるいは「過酸化水素水」といった表示名で販売されています。オキシドール消毒用液として「マルイシ」という商品名のものもありますが、これもオキシドールと同じものです。なお、オキシドールは、海外では「3% Hydrogen Peroxide」といった名称で販売されています。
オキシドールの保管方法
薬局やドラッグストアなどで手軽に購入できるオキシドールですが、購入後の保管にはいくつかの注意点があります。
過酸化水素水は不安定な水溶液です。直射日光や高温に晒されると酸素が揮発して水になってしまいますので、購入後は30℃以下の冷暗所で保管するようにしましょう。
また、揮発がより早まりますので、オキシドールを薄めた場合はその都度使い切るようにしてください。
オキシドールうがいのやり方
オキシドールには様々な用途がありますが、口腔内を殺菌する目的として、オキシドールをうがい液として用いる方法もあります。
ここでは、オキシドールを使ったうがいのやり方について解説します。
使用するオキシドールと手順について
オキシドールうがいをする場合、使用するのは一般的に販売されているオキシドールで問題ありません。
ただし、オキシドールはそのまま口に入れると刺激が強く、口腔内の粘膜を傷つけてしまう恐れがありますので、必ず水で薄めて使いましょう。目安としては、10倍程度の希釈が望ましいです。
うがいのやり方としては、水で10倍に薄めたオキシドールを口に含み、通常のうがいと同様、口をゆすいで吐き出すだけです。オキシドールの殺菌作用により、うがいをする前に比べて口の中がスッキリしたことを実感できるはずです。
うがいの仕方は「クチュクチュ」?「ガラガラ」?
うがいには、口の中で水を「クチュクチュ」とするやり方と、喉で「ガラガラ」とするやり方がありますが、オキシドールうがいの場合、どちらを行っても問題はありません。
舌の奥の方は「クチュクチュ」だけでは浸透しないことがありますので、「クチュクチュ」と「ガラガラ」を両方行うようにしてもよいでしょう。
オキシドールうがいは歯磨きの後で
歯磨きをしないでオキシドールうがいをした場合、水に溶けない歯垢(プラーク)に阻まれてオキシドールが細菌まで届かない可能性があります。オキシドールには確かに殺菌作用がありますが、オキシドールが口の中の細菌に届いていなければ、その作用は十分に発揮されません。まずはきちんとブラッシングを行い、その後でオキシドールでうがいをすると、より効果的でしょう。
オキシドールうがいにおける注意点・副作用は大丈夫?
オキシドールは比較的安く手に入る消毒液です。ドラッグストアや薬局などでも購入できることから、手軽にオーラルケアを始めるにはよい方法と言えるでしょう。
しかし、オキシドールうがいのやり方によっては、思わぬ身体の不調を引き起こす恐れもあります。うがいを行う前には、注意点や副作用についてしっかり確認しておきましょう。
オキシドールうがいは万能ではない
オキシドールには殺菌作用がありますが、だからといってオキシドールうがいだけで口腔内の汚れを全て落とせるというわけではありません。
特に、歯と歯の間や歯茎との境目などの歯垢が溜まりやすい部分は、歯ブラシを使った丁寧なブラッシングやデンタルフロス・歯間ブラシを使った物理的な清掃によって除去する必要があります。
また、オキシドールうがいは全ての口臭に効果があるというわけではありません。あくまで自己責任で、補助的なオーラルケアの一環として活用してください。
口臭には、食べ物や飲み物によるもののほか、歯周病・虫歯などの口腔トラブルや、全身疾患が関わっている場合もあります。口臭の原因が病気によるものの場合、原因である病気を完治させなければ口臭は改善されません。長期に渡り口臭が改善されない場合は、何らかの病気である可能性を考慮し、病院を受診することをおすすめします。
オキシドールの誤飲事故には十分注意を
家庭用オキシドールの場合、万が一、誤って飲み込んでしまったとしても、水で薄めたものを少量飲み込んだ程度であれば毒性は低いのですが、体質的に敏感な方は何らかの症状が現れる可能性があります。オキシドールを飲み物のように飲むことはもちろんですが、誤飲にはくれぐれも注意が必要です。
また、一人でうがいをするのが難しい小さなお子さんや高齢者の方には、オキシドールうがいはさせないようにしてください。
オキシドールうがいによる副作用
オキシドールは、口の中の粘膜に刺激を与えます。そのため、特に粘膜の弱い方や敏感な方は、オキシドールを口に含むと刺激を強く感じることがあります。そのような場合は使用を控え、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
また、妊娠中・授乳中の方や、その他の薬を服用中の方、過去にオキシドールを使用してアレルギーを起こしたことがある方も、使用前には担当の医師に相談してください。
なお、長期・広範囲に渡ってオキシドールを習慣的に使用すると、口の中の粘膜や歯肉が荒れるなどの症状が現れることがあります。そのため、オキシドールの頻繁な使用は避け、口の中に異常を感じた場合はただちに使用を中止し、医師や薬剤師の指導に従う必要があります。
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