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    子供の口臭対策/治療【原因別】心を傷つけない親の対応

    子供だって口臭が気になるんです~と口に手をあてて叫んでいる男の子

    子供の口臭の原因と対策を詳しく紹介。口呼吸など自分でなかなか改善できない要因もあるため、歯科での相談が必要な場合も!

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  • 更新日:2015年10月14日

対応次第で子供の心を傷つける!?子どもの口臭原因と対処法

口臭があるだけで、なんだかオヤジくさい感じがしてしまうかもしれません。しかし、口臭の有無と年齢は関係ありません。子供だって口臭がきつくなることもあります。

我が子の口の臭いが「臭いかも…」と思ったら、早めに対処してあげることが大切です。「気のせいかな」とスルーしてしまうと、子供の人間関係に悪影響を及ぼすことだってありますし、子供の心を傷つけることにつながる可能性も否定できません。大人が適切に対応することが必要なのです。

子供の口臭を簡単に指摘してはいけない

泣いている子供

子供の口臭に気付いたからと言って、「口が臭いからちゃんと歯磨きしなきゃダメよ」などと、配慮のない言い方をしてしまうと子どもの心を傷つけてしまうことがあるため、注意が必要です。

口臭はとてもデリケートな問題なので、簡単に指摘してはいけません。配慮に欠ける対応が、子供の将来に影響してしまうことだってあるのです。

臭いを気にしすぎてしまう子になってしまうことも…

口に指を当てている女の子

「自分は臭いのではないか」「自分の発しているニオイによって、嫌われているのではないか」と、過剰に臭いを気にしすぎてしまう精神疾患があります。自臭症(または自己臭症)と呼ばれる精神疾患で、別に臭くないのに「自分は臭い」と思い込んでしまったりします。

実際に口臭や体臭があって悩んでいる人も多いですが、それとは異なり、特に問題として捉える必要がない程度のニオイを過剰に気にしてしまうのです。口臭がきついわけでもないのに、口臭をひどく気にしてしまったりします。
家族の何気ない一言が、発症の原因になるケースも多いようです。

子供の口臭の主な原因

子供の口臭に気付いたら、まずは原因を明確にすることが大切と言えるでしょう。さまざまな口臭対策がありますが、子供の口臭の原因に合った対策を行わなければ効果的と言えません。

子供の口臭の原因には、主に次のようなものがあります。

1.歯磨きが不十分

歯磨きをしている女の子

歯磨きが上手にできない子供も少なくないでしょう。磨き残しがあることによって、口の中が不衛生になり、口臭の原因となる場合があります。

小さいうちは仕上げ磨きを行うので、それほど磨き残しがない場合もありますが、成長するにつれて仕上げ磨きを行わなくなることで、上手に磨けていない子は口の中に汚れが溜まってしまいます。

小学生くらいになると、仕上げ磨きを行わなくなる保護者が多くなってきますが、永久歯への生え変わりの時期でもあるため、低学年のうちは仕上げ磨きを続けた方が良いと言えるでしょう。

3.口呼吸

口を開けた状態で遊んでいる男の子

口呼吸にはさまざまな悪影響がありますが、口臭が強くなることもその一つです。口呼吸によって口の中が乾燥することで、口の中の細菌が繁殖しやすくなってしまうのです。

口呼吸になってしまうことの原因に、鼻の疾患や舌癖、口周辺の筋肉の発達不足(衰え)などがあります。口呼吸は、口臭の原因となるだけでなく、虫歯や歯周病のリスクを高めたり、歯並びが悪くなる原因となったりもするため、早めに対処することが望ましいでしょう。

病気が原因で口臭が強くなっていることも…

痛みでお腹を押さえている男の子

何らかの病気の兆候として、口臭がきつくなる場合もあります。虫歯や歯周病などの歯科疾患も口臭の原因になりますが、全身的な疾患も口臭の原因になります。

「胃が悪いと口が臭くなる」と認識している人も少なくありませんが、胃だけでなく腎臓や肝臓の疾患も、口臭の原因になり得ます。口臭の原因が全身疾患である場合、口臭だけでなく他の自覚症状が現れている可能性がありますので、他の症状の有無にも注意して見てあげる必要があるでしょう。

子供の口臭はどう対処する?

子供の口臭は、子供よりもその保護者が悩むことが多いようです。強烈な口臭でも、本人は自覚していないケースが多いです。自分の口臭に慣れてしまうために、自分の息が臭いことに気付かないのです。
子供に口臭のことを指摘することなく、症状の改善に向けて促してあげると良いでしょう。

子供の口臭の原因の大半が、先に紹介した「歯磨きの不十分」と「口呼吸」であるとされていますから、これらの対策を促してあげることで、口臭を改善できる可能性が高いでしょう。
もちろん、他に原因がないかどうかをチェックしてあげることも必要です。

歯磨きをしっかり行うには?

歯磨きが不十分で口の中が不衛生になり、口臭が強くなっているならば、次のような方法で日々のケアを徹底すると良いでしょう。口臭だけでなく、虫歯や歯周病の予防のためにも大切なことです。

1.仕上げ磨きを行う

歯磨きを終えた女の子に仕上げ磨きをしてあげるお母さん

仕上げ磨きを行う習慣を身に付けると良いでしょう。「大きくなったので仕上げ磨きを卒業した」という場合でも、しっかり磨けていないのであれば、仕上げ磨きを再開することをお勧めします。

十分に歯磨きができていなければ、口臭を改善できないばかりでなく、虫歯や歯周病の原因となってしまいます。自分でしっかり磨けるようになるまで、仕上げ磨きを行って口の中を清潔に保ってあげることは大切なことです。

2.歯磨き指導を受ける

成長とともに、仕上げ磨きをさせてくれなくなる子も多いようです。小学校高学年になると、歯磨きも自立して欲しいと思う保護者も多いと思いますが、仕上げ磨きを行わないのですから、自分で上手に歯を磨けるようになってもらう必要があるでしょう。

歯科医院では、専門的な知識を身に付けた歯科衛生士が、歯磨きの指導を行ってくれます。磨き残しになりやすい箇所には個人差がありますが、その箇所をどのように磨けば良いのかなどを教えてもらえます。
自分自身で磨き残しになりやすい箇所を把握し、適切な磨き方を習得することは、普段のケアの効果が高まって口臭の改善につながるでしょう。

口呼吸の対策

先にもありましたが、口呼吸の原因には、「鼻の疾患」「舌癖」「口周辺の筋肉の発達不足(衰え)」などがあります。
鼻の疾患には、鼻炎や蓄膿症などがありますが、これらの症状(鼻づまり・鼻声など)がある場合には、耳鼻科の受診が必要です。

舌癖・口の周りの筋肉の発達不足などは、どのように対処したら良いの?という人が多いですが、自分で対処できない場合には、歯科医院で相談すると良いでしょう。多くの歯科医院で、口呼吸改善の指導を行っています。

1.舌癖を治す方法

舌癖(ぜつへき)とは、その名の通り舌の癖です。普段、舌の動きを意識することは少ないと思いますので、舌癖があっても気付かない場合も多いかもしれません。主な舌の癖に、飲み込む時に前歯を舌で押し出すような動きをしてしまう普段から口をポカンと開けていて舌が上の歯と下の歯の間に出ている、といったものがあります。

このような舌の癖は、口呼吸を招くだけでなく歯並びにも悪影響を及ぼすため、早めに対策を取る必要があります。また、口をポカンと開けていることが多いと、印象も違ってきますし、口周辺の筋肉のたるみを招くといったデメリットもあります。

舌癖を治すためには、そのための訓練を行う必要があります。正しい舌の位置、飲み込み方を覚え、それを習慣付けるためのトレーニング(MFT:口腔筋機能療法)を行うのです。舌癖は自分で治すのは簡単なことではありません。歯並びなどに悪影響が及んでからでは、他の治療が必要になってしまう可能性も否定できませんので、専門家のもとで行うことをお勧めします。

2.口周辺の筋肉を鍛える方法

口の機能は、歯だけでなく口周りの筋肉の影響も受けます。お口ポカンや舌癖にも大きく影響していますから、舌癖を治すためにも口周辺の筋肉を鍛えることが必要になるでしょう。

口周りの筋肉を鍛える方法に、先にもありましたがMFT(口腔筋機能療法)というものがあります。口周りの筋肉を強化しバランスを整えることを目的として行うもので、目的に応じてさまざまなプログラムがあります。
矯正治療を行っている歯科医院の多くでMFTを取り入れています。

原因が明確でない場合は専門家に相談を…

口臭外来のある歯科医院も近年多くなっています。原因に合った対策を行うことが、効果的な口臭改善につながると言えますので、「さまざまな対策を取ってきたけれど、全然良くならない…」という場合には、専門家に相談することをお勧めします

口臭外来ではどんなことをするの?

口臭外来では、口臭の原因となっている口の中のトラブルを解消するのはもちろん、口臭に関する詳しい検査を行うことで、口臭について正しく理解できるでしょう。

「まだ子供だから口臭外来まで行かなくても…」と考える保護者の方も多いかもしれません。口臭外来でなくても歯科で口臭の相談をすることはできます。かかりつけの歯科医院ならば、安心して相談できるでしょう。

子供の口臭の悪影響

子供が、自分の口の臭いを気にしていないならばそれでいいのか?と言えば、そうではありません。本人は自覚がなく気にしていなくても、子供の友達が気付いて指摘したり、からかい・いじめに発展したりすることも考えられるでしょう。
友達からの指摘や態度などによって、心が傷ついてしまう可能性もあります。自臭症を発症してしまうこともあります。後で後悔することがないように、親が気付いた段階で適切な対処をしてあげることが望ましいでしょう。

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