便秘が口臭の発生源!?その原因と対策の方法
便秘は単に排便が困難になるだけではなく、体の中にさまざまなトラブルを発生させます。その中の一つが口臭。一見それほど関わりは深くなさそうに思われるかも知れませんが、実は両者は密接に関係しているのです。
なぜ便秘が口臭の原因になるのか?
なぜ、便秘が口臭と関係するのでしょうか?以下にその発生のメカニズムについて整理します。
便秘が口臭となるメカニズム
はじめに、便秘とはどういう状態のことをいうのでしょうか?
便秘とは
一般的に大腸内の排泄物(便)が長時間腸内にとどまる、あるいは通過が遅くなるなど排便が快適に行われない状態のことを言います。
排便が3日程度行われない状態が継続した場合、便秘と判断する人も多いですが、腸の状態が良好であれば1日1回排便が起こるとされています。
便秘になるということは、すなわち便が長く体内に貯留されるということです。これによって、腸内で悪玉菌が増加し、便の腐敗と発酵が進行します。腐敗した便からは発がん物質などの有害物質を発生させることとなり、本来であれば便とともに排出させるはずの有害物質は腸壁から吸収されて血液中に溶け出してしまうのです。
この有害物質が血液の流れに乗って全身に行き届き、皮膚や呼気からも排出されるようになります。元々は便の腐敗から生じたものであるため、非常に便臭に似たにおいが体臭や呼気となって現れてしまいます。
便秘になると肌荒れする人も多いですが、便秘により発生した有害物質が血液にのって肌に悪影響を及ぼすために起こるとされています。便秘は口臭や肌荒れだけでなく、全身に悪影響を及ぼすと言えるでしょう。
何日出ないと口臭に影響するの?
食べたものの消化から排便までに要する時間の目安は24時間程度とされていることから、排便は1日1回が理想的だと考えられます。排便は腸内環境の影響を受けますから、腸内環境が良好であるほど、理想的な排便(回数)につながると言えるでしょう。
便秘気味の人は便の滞留時間が長くなり、その分においを発しやすくなります。何日くらい便が出ないと口臭に影響するか、といった具体的なデータは明確になっていませんが、個人差が大きいと言えるでしょう。「1週間くらい出ていない(排便がない)」という人でも、口臭に影響しない人も中にはいます。
3日出ない場合には、通常の3倍長く便を体内に溜め込んでいることとなります。
やはり、便秘の期間が長ければ長いほどにおいは出やすく、きつくなりやすい、と考えていいのではないでしょうか。
便秘は女性に多い!?
平成25年国民生活基礎調査によれば、便秘に悩まされる女性は男性に比べて2倍近くも多いという結果も出ています。
女性が便秘になりやすい原因には、主に以下の4つのことが考えられます。
1.筋力が弱い
女性は男性に比べ、筋力が弱いと言えます。腹筋は腸の運動に影響していますから、腹筋力が十分にないと便秘になりやすくなってしまうのです。
2.ホルモンバランスの関係
女性はホルモンバランスによって、さまざまな影響を受けますが、便秘も同様です。黄体ホルモンには体内に水分を溜めこもうとする働きがあり、便に水分が不足することによって排出がスムーズでなくなってしまいます。生理前に便秘になりやすいという女性も少なくないでしょう。
3.ダイエットの関係
近年は、多くの女性がダイエットをしています。しかし、無理な食事制限によるダイエットは、便の量を減らして、排便の習慣を乱しやすいため注意が必要です。また、ダイエットによるストレス、栄養バランスの乱れなども便秘の原因になります。
4.便意の我慢
「外出先でトイレに行きにくい」という女性は多いです。便意を我慢することも便秘につながってしまいます。
便秘が原因の口臭対策
「口から便臭がする」…考えただけでもゾッとしますよね。便秘が原因の口臭をなくすためにはどうすればいいのでしょうか?
便秘が原因の口臭は、いくら口の中のケアを行っても根本的な解決にはなりません。便秘が便秘原因の根幹であるならば、やはり便秘を治すことが最優先課題です。
次に、口臭を消したい人の便秘対策方法をご紹介します。美しさは、体の中から作られます。口臭対策はもちろん、美容のためにも、便秘解消を目指しましょう。
1.規則正しい食生活
便秘に悩まされている人は、まず自分の食生活の見直しから始めましょう。朝・昼・晩、きちんと三食食べること、特に朝食をしっかり摂ることが大切です。
便秘解消に朝食がカギ!
食事をとると、腸に刺激が伝わります。朝食をとることで、大腸が活動を開始して、排便が起こりやすくなるのです。朝の排便習慣を身に付けるために、朝食をしっかりとることをおすすめします。
2.適度な運動
運動不足も便秘の原因の一つです。特に女性の場合は筋肉量が少ない傾向にありますから、快便に必要な腹筋を鍛えることは大切なことです。ウォーキングやジョギングは、取り入れやすい全身運動でありおすすめです。
また、適度な運動は便秘の要因となるストレスを解消することもできます。
続けやすい運動がベスト
普段の生活の中で取り入れられる運動がおすすめです。駅まで歩く・階段を利用する・CMの間に腹筋をする など、少しの時間であっても、毎日続けられることからスタートするのも良いでしょう。
3.善玉菌の摂取
口臭の原因となっている腸内の有害物質を発生させる悪玉菌を減らし、善玉菌を増加させることが大切です。食物繊維やオリゴ糖などを摂取し、悪玉菌のエサとなる動物性脂肪は極力減らすことに努めましょう。
善玉菌の摂取により腸内環境を整えることは、便秘解消だけでなくさまざまな効果が得られるでしょう。
便秘解消に役立つ善玉菌を増やしてくれる食品
- 納豆や豆腐などの大豆食品
- 昆布やワカメといった海藻類
- サトイモやサツマイモなどの芋類
- バナナやリンゴなどの果物類
- ヨーグルトなどの発酵食品
4.白湯の摂取
便秘解消に水分摂取は欠かせません。便の水分が不足すると、スムーズに排出が行えなくなってしまうのです。しかし、冷えた水をたくさん摂取してしまうと、体を冷やす原因になってしまいます。
「1日に〇リットルの水を飲むと良い」などと言われたりしていますが、水分摂取は一度にたくさん摂取しても良いとは言えませんし、水の温度も大切になってくると言えるでしょう。
便秘解消を目的とする場合、起床後に50℃程度の「白湯」をコップ一杯摂取することが効果的だと言われています。
白湯を摂取して内臓を温めることは、機能の向上、血行を促進などにつながり、便通の改善に効果が期待できます。
体を冷やすことは便秘の原因に!
冷え症に悩む女性は多いですが、内臓の冷えは便秘の原因になります。冷たい飲み物を多く摂取する人は要注意!季節問わず、内臓を温めることも考慮することが大切でしょう。暑い夏でも、冷たい物ばかり摂取していると、内臓は冷えてしまいます。
5.すぐに薬に頼らない
便秘になったからといって安易に薬に頼ることは避けましょう。一時的に良くなったとしても根本的に解決したわけではないので、また同じことが繰り返されてしまいます。
便秘薬に頼らず、適切な食事と運動を根気よく継続し、自然な排便のリズムをつくるために例えば朝食後など決まった時間の排便を習慣化させることが大切です。
便秘薬は頻繁に服用しない
便秘でどうしても辛い時など、便秘薬に頼らざるを得ない場合もあるでしょう。しかし、薬を頻繁に服用するのは良くありません。「便秘薬に頼らなければ出ない」という人も、少しずつ薬を飲む間隔が大きくなるように、生活習慣や食事などを改善していくことが必要でしょう。
子供も便秘で口臭!?
最近、小さな子どもの口臭を気にするお母さんが増えています。子供の口臭は、口呼吸や歯磨きの不十分(口内環境の悪化)が主な原因となっていますが、便秘が原因となっているケースも少なくないようです。
子供の口臭に気づいたら、まず口臭原因の把握に努めることが重要です。もし、便秘が原因で口臭が強くなっているのなら、生活習慣や食習慣の改善に努めましょう。
近年は、運動不足が原因で便秘になる子供も増えているようです。運動量が足りていない場合は、体を使った遊びをたくさんしてあげると良いでしょう。
口臭は子供にとってもデリケートな問題です
口臭を指摘されたら、ショックを受ける大人が多いでしょう。子供にとっても、口臭はデリケートな問題であり、容易く指摘することは避けなければなりません。
子供の心を傷つけることがないように、大人が適切に対処してあげることが大切でしょう。
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