自臭症の主な症状/原因 – クサいと思い込む心の病
自臭症とは、自分で口のニオイが臭いと思い込む心の病気のことです。別称として、心因性口臭・自己臭症・自己臭恐怖症・口臭恐怖症・仮性口臭症などとも呼ばれます。
口臭を気にする人はとても多いですが、口臭を自覚していても口のニオイが強いとは限りません。自臭症は、気にするような口臭がないのに口臭が強いと思い込み、悩んでしまうのです。
東京歯科大学の研究によれば、口臭外来を受診した人の8割以上が口臭を自覚していましたが、その半数が「口臭なし」という診断を受けたとされています。
自分で口が臭いと思い込んでいるだけかもしれないのです。
口臭が気になりすぎる人は要チェック!自臭症の症状とは?
軽度の自臭症もあれば、社会生活に支障をきたす重度の自臭症もあります。「自分の口のニオイで周囲に迷惑をかけてしまう」と自分を責めて、ひきこもりになってしまうケースもあるとされています。
症状や重症度はさまざまですが、具体的な例として次のような症状が挙げられます。
- 自分の口臭で周囲に迷惑をかけていると思う
そのことで自分を責めてしまう
- 他の人のしぐさや動作が気になる
鼻に手を当てるといった動作が自分の臭いによるものだと思ってしまう
- 自分の臭いのことが頭から離れない
他のことが手につかない・ニオイのことが気になって気分が優れなくなってしまう
- 自分の臭いを軽減するための行動を過剰に行ってしまう
歯磨きを1日に何度も行ったり、ガムを常に噛んでしまったりする
- 口臭が気になって人と会うのが面倒になってしまう
口臭が原因で外に出かけるのが面倒になる、人前に出るのが嫌になってしまう
※症状には個人差があります
自臭症の原因・発症のきっかけ
自臭症の原因はさまざまですが、発症のきっかけで多いものは次の通りです。
- 他の人に口臭を指摘された
- 他の人に口が臭いと言われたような気がする
- 話をしている時に相手が鼻に手を当てた
些細なことがきっかけで、気にするほどの口臭はない(または口臭がない)のにもかかわらず、自分はひどい口臭があると思い込んでしまいます。
自臭症を発症しやすい人
自臭症を発症している人に、完璧主義な人・繊細な人・几帳面な人な多いとされています。もちろん、性格的な要因だけでは発症につながりません。きっかけとなる出来事や性格的な要因など、さまざまなことが複雑に関係して、自臭症が発症するとされています。
また、発症する時期もさまざまで、思春期に発症するケースが多いとされていますが、思春期を過ぎて発症するケースも珍しくありません。
自臭症の治療とは?病院は何科?
自己臭症の人は、一人で悩んでしまうケースが多いようです。口臭について悩んでいることを周囲に打ち明けることなく、一人で抱えてしまっています。
口臭外来を受診して自臭症が発覚するケースは多いですが、本人が「口臭が強い」と思い込んでいるのですから、自分で自臭症を疑うことは少なようです。まずは、口臭外来を受診するというのも一つの方法でしょう。
重度の場合は精神科・神経科での治療が必要に
もちろん、自臭症は口臭外来でのカウンセリングで改善される場合もありますが、重度になるほど精神科・神経科での治療が必要になります。
しかし、本人が心のケアの必要性を理解していない、精神科や神経科の受診に抵抗があるという場合もあります。周囲の対応も症状の改善に大きく影響してくるため、慎重な対応が求められるでしょう。
治療方法はさまざま
自臭症の程度はその人によって大きく異なり、10年以上口臭に悩み続けている人もいれば、20年以上悩まされている人もいます。症状の程度の違いによって、治療方法も違ってくるでしょう。
口臭外来での治療法
口臭外来では、実際の口臭(口臭がないこと・気にするほどのニオイではないこと)について説明を行ったりしながら改善を目指しますが、社会生活に支障が出ているケースなどでは、精神科・神経科での専門的な心のケアが必要になります。心のケアが必要なケースでは、口臭外来で精神科や神経科を紹介してくれる場合が多いようです。
精神科・神経科での治療法
精神科や神経科で行う治療は、主に心理療法や薬物療法が用いられます。
思い込んでいる口臭と実際の口臭の違い、口臭で周囲に迷惑をかけたりしていないことなどを理解させることが必要であり、認知療法が選択されるケースも多いようです。
自臭症が進行すると…
口臭を気になって1日に何度も歯磨きをするようになったり、対人関係を避けるようになったり、家に引きこもるようになってしまったり… 自己臭症は進行すると社会生活にも大きな悪影響を及ぼすようになってしまいます。さらには、うつ病や対人恐怖症につながることもあります。
自臭症の原因は複雑で、進行するほど自宅での治療は困難になりますから、なるべく早く専門家による治療を受けることが望ましいでしょう。
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