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    プラークスコアで歯垢の磨き残しチェック!計算式/基準値

    プラークスコアで歯垢の磨き残しチェック!計算式/基準値

    プラークスコアは、歯科医院で出す歯の磨き残しの指数です。虫歯・歯周病予防のためにも、プラークスコアで自分のブラッシング方法を見直すことはとても重要です。

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  • 更新日:2016年10月17日

プラークスコアでわかることとは?数値の意味/計算式

プラーク(歯垢)は、虫歯や歯周病、口臭などの口腔トラブルを引き起こす大きな原因です。口腔内の汚れであるプラークを落とすこと(プラークコントロール)は、爽やかで健康な口腔環境を作る第一歩となります。

歯へのプラークの付着量は、日頃のケアによって個人差が出てきます。プラークがどれだけ自分の口の中にあるか、磨き残しを確認する指数として、プラークスコアというものがあります。

今回は、プラークスコアとは何か、プラークスコアを導き出す計算式、プラークコントロールの基準値について解説します。

そもそもプラークとは?

歯磨きをせずにいると、口の中に常に存在している細菌がさらに増殖し、歯に付着してプラークを形成します。
プラークとは歯に付着する細菌の塊で、歯垢(しこう)とも呼ばれます。プラーク1mg内には、およそ1億個以上もの細菌が住みついています。

プラークが唾液中に含まれるカルシウムやリンなどのミネラルと結合すると、歯石という軽石のような硬く白い物質へと変化し、より強固に歯に付着するようになります。プラークは歯磨きで落とすことができますが、歯にピッタリと付着した歯石は、スケーラーという専用の器具を使わないと除去することができません。

プラークスコアとは?

プラークの染め出し

プラークスコアとは、歯の汚れ具合を示す指数です。プラークコントロールレコード(PCR)と呼ぶ場合もあります。

プラークスコアでは、プラークや歯石といった口腔内の汚れを測って数値化します。歯垢染色剤で汚れの染め出しを行い、汚れを可視化してどこに付着しているのか目で確認し、確認した結果は記録用紙やパソコンに入力していきます。

具体的には、1本の歯を近心・遠心・頬側・舌側の4面に分けて、染め出しによって着色された箇所があった面を塗りつぶしていきます。
近心というのは身体の中心に近い方、遠心というのは身体の中心から遠い方を指します。頬側、舌側は文字通り、頬に近い面と舌に近い面です。また、頬側を唇側、舌側を口蓋側と呼ぶこともあります。

なお、どれくらいの着色範囲・濃さでカウントするかについては定義されていないため、検査を受ける歯科医院や使用する薬品の種類の違いにより、プラークスコアがやや異なることがあります。

プラークスコアの計算式

プラークスコアの数値は、以下の計算式で算出することができます。

プラークスコア(%)=プラークが染め出しされた歯面数÷(検査した全ての歯の数×4)×100

以下に分かりやすい例を挙げます。
通常、人間の歯は親知らずを入れると全部で32本生えています。1本の歯を4つの面に分けたので、32本×4面=128面が分母となります。
ここで、プラークが付着して着色した歯面が40面だったとすると、計算は40面÷128面×100=31.25%となります。

プラークスコアが100%ってどういうこと?

プラークスコアが100%という状態は、全ての歯にプラークが付着している、つまり口腔内の汚れ具合が100%であるということを表しています。
プラークスコアを測る際は、染め出しの前にしっかりとブラッシングを行わないと意味がありません。食事をした後、そのままプラークスコアを測れば、誰でも80~100%という結果になってしまうからです。

歯磨きせずにプラークスコアを測り、100%だった場合は当然の結果と言えますが、歯磨きをしたのにプラークスコアが100%だった場合、普段からプラークコントロールが全くできていないことを意味しています。すぐに正しい歯磨き方法を習得しなければ、虫歯や歯周病などのリスクが高まる一方となります。

プラークコントロールができているという基準値は?

プラークコントロールを行う上で目標とすべきプラークスコアの数値は、基本的に20%以下とされています。
プラークスコアが20%以下なら、プラークコントロールが正しく行われていると判断できます。
反対に、プラークスコアが20%よりも上だった場合は、プラークコントロールが不十分であると考えられます。歯ブラシやデンタルフロス・歯間ブラシを使って、正しいプラークコントロールを実践する必要があります。

歯周病を防ぐには…

歯科衛生士の指導

歯周病の予防・治療において、プラークスコアの測定は欠かせないものです。

病院によっても異なりますが、歯科医院における歯周病の定期検診では、「歯周ポケットの測定・出血の確認→プラークスコアの測定→歯磨き方法のチェック・指導→スケーリング(歯石除去)→研磨」という流れが主となります。
プラークスコアの測定は、歯磨きでどこが磨けていないのか自覚するため、また、衛生士さんが患者さんに対して歯磨き方法を指導するためにも、とても重要なことなのです。

医院によっては、プラークスコアの結果を紙で見せてくれたり、グラフで経時的な変化を示してくれたりするところもあります。数値のような客観的評価は、患者さんにとってもわかりやすく、オーラルケアへのさらなるモチベーションアップにつながります。

歯周外科治療が必要な人は…

歯周外科治療とは、スケーリング(歯に対する歯石除去)やルートプレーニング(歯根に対する歯石除去)などの基本的な歯周治療を行っても効果がない場合に行う外科的な治療法です。
メスを使って歯肉を切開して病変を取り除いたり、歯周病で深くなってしまった歯周ポケットを浅くするために歯肉を移動させたりといった処置を行います。

プラークスコアが良くないと、歯周外科治療に進むことはできません。せっかく出血するような大がかりな処置を行っても、プラークコントロールがしっかりできていないと、またすぐに歯や歯肉の状態が悪化してしまうためです。
歯周病は日頃のセルフケアが重要となりますので、歯周外科治療は良好なプラークコントロールを持続できる方にしか適応できません。目標とされるプラークスコアは10%以下となります。

虫歯を防ぐには…

歯間ブラシ・デンタルフロス

プラークスコアが高い方は、歯周病だけではなく虫歯にもなりやすい傾向があります。

虫歯を予防する上で特に気をつけたいのは、歯と歯の間の磨き残しです。歯ブラシを使って歯と歯の狭い隙間のプラークを取るのはとても難しいため、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する必要があります。歯肉が引き締まっていて健康な若い方はデンタルフロスを、歯肉が下がって歯根が出ている中年以降の方は歯間ブラシを使ってください。

また、歯間と同じく、奥歯の裏側も磨き残しやすい場所です。虫歯になってしまうと、歯科医師でも見えづらいため治療も大変です。こちらはワンタフトブラシや赤ちゃん用の歯ブラシなど、ヘッドが小さく小回りの利く歯ブラシを使って、丁寧に除去していきましょう。
虫歯にならないためには、歯周病予防と同様、プラークスコア20%以下を目標としましょう。

プラークスコア0%を目指すには?

歯磨きでプラークコントロール

歯には、自分では見えない場所が必ず存在します。そのため、プラークスコアを0%にするというのは、小児や高齢者はもちろん、歯ブラシやフロスをきちんと使いこなせる成人であっても困難な目標です。
また、磨き残したプラークは歯石へと変化します。歯石は歯ブラシで除去することはできませんので、定期的に歯科医院でのクリーニングを受けて、スケーリングによって除去しなければなりません。

日頃、完璧に歯磨きをこなし、自分でスケーリングまで行って常に汚れを除去していれば、プラークスコア0%という数値を叩き出せるかもしれません。しかし、セルフケアでそこまで行う必要はありません。
まずはプラークスコア20%以下を目標にして、地道にオーラルケアに取り組みましょう。

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