重曹歯磨きって危険?安全なやり方と注意点
重曹といえば料理での下処理、洗濯の漂白やシンクの油汚れ除去など、生活のあらゆる場面で活用できる便利なアイテムですが、料理や洗濯掃除といった家事だけではなく、ホワイトニングや虫歯対策として歯磨きに使えるということはご存知でしょうか。
「歯がツルツルになる!」「虫歯ができにくくなった!」などの声も多い重曹歯磨きですが、一方で「重曹を口に入れては危険なのでは?」と心配される方も少なくありません。
そこで今回は重曹歯磨きについて、どんな効果が期待できるのか、気になる正しいやり方、行う際の注意点やポイントをご紹介していきましょう。
重曹歯磨きの効果って?
歯のホワイトニングは自分で行うことは困難で、歯科医に行って実施してもらうというのが普通ですが、重曹で歯を磨くと、重曹が持つ研磨力により、歯を白くするホワイトニング効果が期待できます。
重曹歯磨きは、自宅で簡単かつ安価にホワイトニングが行えるというその手軽さから注目を集めているのです。
また、口臭の原因は様々で、全ての口臭に重曹が効くとは言い切れないのですが、重曹は弱アルカリ性であることから、重曹歯磨きをすることで酸性に傾いた口腔内を中和してくれますので、酸化物による口臭の予防には一定の効果が期待されます。
さらに、歯の再石灰化を促進して虫歯を予防したり、歯についた茶渋やヤニなどのステイン、歯茎の汚れや舌苔を除去したりといった口腔ケアにも役立つとされています。
重曹歯磨きは危険?
キッチンやシンク、ガスコンロなどについた頑固な汚れなどに効果を発揮する強力な洗浄パワーを持っている重曹ですが、そのパワーの源は研磨力です。
つまり、重曹で歯を磨くということは、その強い研磨力により歯を傷つけてしまう危険性も否定できないということなのです。
重曹歯磨きで想定される危険やデメリットは?
- 歯のエナメル質を傷つける
- 歯茎を傷つける可能性がある
- 知覚過敏の痛みを生じる
- 歯に黄ばみが出る
中には重曹うがいをおすすめする一方で、重曹歯磨きの危険性を指摘する歯科医も少なくありません。
一度傷ついてしまった歯のエナメル質は二度と再生されませんので、重曹歯磨きを行う際には、間違ったやり方は歯を傷める危険と隣り合わせであるということをしっかりと認識しておくことが大切です。
重曹の種類
重曹にはいくつかの種類があり、大きく分類すると医療用、工業用、食用の3種類です。
口に入れても安全で、重曹歯みがきや重曹うがいなどに使用可能な重曹は医療用と食用となります。
医療用
医療用の重曹は、工業用や食用よりも純度が高く粒子が細かいのが特徴で、最も高価な種類のものです。
胃潰瘍など、胃酸過多に関連する症状の中和に効果を発揮するため、胃腸薬にも含まれていて、大腸の内視鏡検査やバリウムの発泡剤としても使用されています。
食用
最も一般的に使われているのが食用重曹です。膨張作用があるため、ホットケーキなどの生地を膨らませるベーキングパウダーの原料としても使われています。
肉を柔らかくする下処理や、山菜のあく抜きなどにも使用され、料理に使う一般的な重曹はこの食用重曹となります。
重曹とベーキングパウダーの違いは?
ベーキングパウダーの原料は主に重曹ですが、重曹の他にコーンスターチや小麦粉などが加えられており、味が調えられています。
それぞれ仕上がりにも差があり、重曹の場合は色味が濃くなりますが、ベーキングパウダーを使うとふんわりと生地が膨らみ、熱を加えても色が付きにくくなります。
なお、重曹歯磨きにはベーキングパウダーではなく、無添加の食用重曹を使用してくださいね。
工業用
最も安価な重曹でキメが粗くなっている工業用重曹は、そのキメの粗さからクレンザーの代わりとして、また、油汚れを浮き上がらせる性質があることから、掃除や洗濯にも使用されます。
工業用の重曹の用途は様々ですが、食用や医療用と比べて純度が低く、原料に不純物が混ざっている可能性が高いため、口に入れることは避けましょう。
重曹歯磨きの方法
では、重曹歯磨き粉の作り方から、重曹歯磨きの方法までを詳しく解説していきます。
1.重曹歯磨き粉を作る
重曹大さじ1杯程度を容器に入れて水を数滴垂らし、これを市販の歯磨き粉くらいの粘りになるまでよくかき混ぜ、重曹歯磨き粉を作りましょう。
より歯磨き粉のフレーバーに近づけたい方には、水ではなく重曹と飲用グリセリンを2:1の割合で混ぜ合わせ、ハッカ油(ミントオイル)を数滴混ぜ合わせるといったレシピもおすすめです。重曹、グリセリン、ハッカ油などの材料は、いずれも薬局やドラッグストアなどで購入できます。
2.重曹歯磨き粉を指で歯に優しく馴染ませる
できあがった歯磨き粉を指で取り、優しく歯につけて10分程度馴染ませます。
3.歯を優しく磨く
重曹歯磨き粉を塗布してから10分ほど経過したら、いよいよ歯ブラシを使って歯を磨いていきます。重曹の研磨力はとても強いので、歯を傷つけないよう、力を入れずに優しく磨くことが重要なポイントです。
4.すすぎ残しのないよう綺麗に口をゆすぐ
重曹歯磨き粉を使って歯を磨き終わった後は、重曹が口の中に残らないよう、丁寧に口をゆすぎましょう。
重曹歯磨きを安全に行うには
重曹歯磨きには高い効果がある一方、デメリットも少なからず認められていますので、それでもやってみようという方は細心の注意が必要です。
重曹歯磨きで注意すべきポイントを抑え、より安全に口腔ケアを行っていきましょう。
重曹歯磨きで使用する歯ブラシの種類/力の入れ方
重曹歯磨きの特徴は、何といってもその研磨力です。硬い歯ブラシでゴシゴシ磨くと取り返しのつかないことになってしまうかもしれませんから、歯磨きの際にはできるだけ柔らかな毛先の歯ブラシを選ぶと安心です。
柔らかな歯ブラシを使うと、どうしても磨き足りないような気がしてしまいがちですが、重曹歯磨きでは力を入れ過ぎないことが最重要です。
歯ブラシを持つときは、鉛筆を持つような形の「ペングリップ」を心掛けるようにすると、毛先を動かしやすくなり、力任せに磨くことが少なくなります。
重曹歯磨きを行う頻度
重曹歯磨きは頻繁に行うと歯のエナメル質などが傷ついてしまうため、毎日行ってしまうのはおすすめできません。多くても週に1~2回の頻度で行うのがよいでしょう。
また、重曹は「炭酸塩化ナトリウム」という、いわば「塩」ですので、重曹歯磨きにより頻繁に口に中に入れてしまうと、知らず知らずのうちに体の中に入り塩分過多に陥る可能性があります。
特に、まだ年齢の低い小さなお子さんや高齢者の方、腎臓病疾患を持つ方が行う際には、誤って重曹を飲み込んでしまうことや、口腔内の重曹のすすぎ残しがないよう十分な注意が必要です。
重曹歯磨きと重曹うがいはどっちが効果的?
ここまで重曹による歯磨きについてご紹介してきましたが、重曹は歯磨きだけではなく、「重曹うがい」としても活用されています。重曹による歯磨きには歯や歯茎を傷つけるリスクがあるため、この重曹うがいの方が安全であると言えます。
ただし、重曹水の濃度が高いものだと粘膜を痛めてしまうことや、重曹うがい水を飲み込むことによる塩分過多の可能性も考えられます。
重曹歯磨きと同様に、重曹うがいもあまりに頻繁に行うことは避け、誤飲の心配される方や塩分摂取が制限されている方は、通常の濃度よりも薄めた重曹水を使用すると安心です。
重曹うがいの方法
約100ccの水に小さじ半分程度の食品用重曹を入れてかき混ぜ、綺麗に溶かし切ったらその重曹水で約30秒うがいを行います。
重曹は食用のものを、水は日持ちしないミネラルウォーターは避け、水道水を使用するとよいでしょう。
重曹うがいは喉でガラガラするのではなく、口を閉じてクチュクチュと重曹水が口の中全体に行き渡るように行うと効果的です。
職場でなかなか丁寧に歯磨きする時間が取れないときなどには、うがい用の重曹水を用意しておくと便利ですね。
重曹うがいのタイミングは?
重曹うがいを行うタイミングとしては、歯磨きする前や歯磨き後に行うと、歯垢を取りやすく虫歯を予防する効果が高まります。
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