風邪が口臭の原因に!なぜカゼを引くとニオイが強くなるの?
風邪をひいてマスクを装着していると、いつも以上に口臭が臭く感じることはありませんか?風邪を引いていても他人と接する機会はあるため、相手に不快な思いをさせているのではないかと気になるところですが、実は、風邪をひくと口臭は強くなりやすいのです。
今回は、風邪が口臭を発生させてしまう原因と対処法と子供の風邪による口臭について紹介します。
大人だけではなく、子供も風邪を引くと口臭が強くなりますが、風邪の症状や口臭が長引く場合、もしかすると蓄膿症である可能性も考えられます。
風邪で口臭が強くなる原因4つ
季節に関係なく一年を通して引くことの多い風邪は、ウイルスが鼻や喉の粘膜から感染することで起こり、咳や鼻水、くしゃみなどの症状を引き起こします。
風邪で口臭が強くなる原因としては、いくつかの要因が挙げられます。
1.発熱
発熱は風邪症状のひとつで、体内に侵入してきたウイルスから身体を守ろうとする生体防御機能ですが、このとき、体内の水分は体外に出ていき水分不足となって、口腔内の唾液の分泌量も減少します。
唾液の分泌量が減少すると、食べ物のカスなどが唾液不足で洗浄されず口腔内に残ったままとなり、口腔内の細菌が増殖するため口臭が強くなってしまいます。
2.免疫力の低下
「風邪をひくと免疫力が低下する」と言われますが、風邪を引くと身体全体はもちろんのこと、同時に口腔内の免疫力も低下します。
口腔内の免疫力の低下は、唾液の分泌量の減少や殺菌力の低下を引き起こし、口内の細菌を増殖させてしまいます。舌の汚れである舌苔が増加することで、口臭の原因となるVSC(揮発性硫黄化合物)と呼ばれるガスが発生し、口臭が強くなってしまうのです。
3.口呼吸
風邪症状でよく現れるのが鼻づまりです。多くの方は鼻で呼吸をしますが、風邪をひいて鼻づまりになると息苦しさを感じるようになり、口呼吸になってしまいがちです。
口呼吸は口腔内を乾燥させ、さらに唾液の分泌量を減少させるため、口臭を強くする原因となります。
風邪を引いているときはもちろんですが、日常的に鼻が詰まりやすい方は口呼吸になりやすく口臭が発生しやすいため、注意が必要です。
4.風邪薬の副作用
風邪薬の種類によっては、副作用として「口渇(こうかつ)」が現れることがあります。口渇とは、口内が渇く状態のことです。
風邪薬の中には、抗ヒスタミン剤という成分が配合されているものが多くあります。
抗ヒスタミン剤の服用により、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状を改善できる一方で、口渇の副作用が現れることも多く、口臭が強くなることがあります。
風邪による口臭を防ぐ4つの方法
風邪による口臭は、風邪が治ると自然に解消されます。
風邪が治るまで人と接することなく過ごせるとよいのですが、よほどの重症ではない限り職場や学校を休めないという方も多く、人と接触する機会を避けるのはなかなか難しいものです。
そこで、風邪で口臭がキツいときに効果的な予防策4つをご紹介します。
1.こまめに水分を補給する
風邪を引くと、発熱や口呼吸、免疫力の低下や風邪薬の副作用によって唾液の分泌量が減少します。そこで水分補給をこまめに行うことで、口腔内や体内の乾燥を防ぎ、唾液の分泌量を促すことができます。
口臭対策として水分補給をする場合は、糖分を多く含むスポーツドリンクやジュース類は避け、水かお茶を飲むのがおすすめです。
2.うがいをこまめに行う
こまめなうがいは食べ物のカスをスッキリ洗い流して、口の中の細菌の増殖を抑えることができます。風邪予防にはもちろん、口臭予防にも良く、手軽にできて効果が期待できる対策です。
また、ただうがいをするのではなく、できれば殺菌効果の高いイソジンやアズノールなどの市販のうがい薬を使用すると、口腔内を清潔に保つことができます。
3.食事をしっかり摂る
風邪を引くと免疫力が低下します。免疫力を高めるためには、たっぷりと睡眠をとり、食事からも充分に栄養を摂って体力をつけることが大切です。
口臭予防に効果があるりんごやプレーンヨーグルトなど、食べやすく栄養価の高いものを摂取することがおすすめです。
さらに、食事中はゆっくり時間を掛けて、食べ物をよく噛むよう心がけると、口腔内の唾液の分泌量が増加し、より口臭予防の効果が期待できます。
4.鼻呼吸を意識する
普段から口呼吸になっている方はウイルスに感染しやすく、口腔内の乾燥を招き、細菌が増殖しやすい環境になっており、口臭が発生しやすくなります。
特に風邪をひくと鼻で呼吸することが辛く、口呼吸になりがちですが、鼻呼吸を意識して行うことが大切です。鼻水や鼻づまりがひどく、どうしても口呼吸しかできない場合は早めに耳鼻科を受診し、適切な処置を受けましょう。
子供も風邪で口臭が臭くなります
風邪で口臭がキツくなってしまうのは大人だけではありません。年齢を問わず、風邪を引くと子供も口臭が強くなります。
特に、子供の場合は新陳代謝が活発であることから、風邪を引くと舌の奥に舌苔(ぜったい)が溜まりやすくなります。そのため、気になる場合は定期的に舌磨きを行い、舌苔を除去することが大切です。
その他、大人と同様、鼻や喉を守るため普段からのマスクの装着や、呼吸法が口呼吸になっている場合は口呼吸を改善するなどして、子供にも積極的に口臭ケアを行ってあげるようにしましょう。
舌磨きの行い方
子供の舌は小さく、とてもデリケートです。一般の大人用の舌ブラシのサイズでは合わないので、子供用の舌クリーナーを使用します。くれぐれも歯ブラシなどでゴシゴシと磨かないようにしてくださいね。
また、舌磨きを行う際は、嘔吐反応が出ることがあるので慎重に、少しずつ除去を行いましょう。
子供の舌磨きのやり方
- 子供の舌を前に出させる
- ガーゼなどで舌先を持つ
- 優しく表面をなぞるようにそっと磨く
子供の口臭の原因は蓄膿症であることも…
子供の口臭が気になる場合、その原因は蓄膿症であることも考えられます。
蓄膿症は慢性の副鼻腔炎で、鼻の副鼻腔に風邪などでウイルスが侵入し、炎症が悪化した状態を言います。急性の副鼻腔炎では1ヵ月程度で症状は治まりますが、蓄膿症の場合は3ヵ月以上も症状が長引くようになります。
大人と比べると、子供の蓄膿症はよほどでない限り治りやすい病気と言われているのですが、早期に気づいてあげて、慢性化させないよう治療を受けさせることがとても重要です。
蓄膿症の主な症状
蓄膿症の主な症状は鼻水と鼻づまりです。鼻水や鼻づまりが悪化すると口呼吸になるので、イライラした様子や集中力の低下が見られるようになるほか、口腔内が乾燥し、唾液量が減少することで口臭の原因にもつながります。
蓄膿症での鼻水は、黄色や緑色などの色味がかったネバつきのあるものが出ますが、中には鼻水症状は特に見られず、眠っているときに喉の奥へと流れ込んでしまうケースもあります。
鼻水が喉の奥へと流れると、味覚や嗅覚が鈍くなったり、頭痛が現れたりすることがあり、いびきや中耳炎などの合併症が現れることも少なくありません。
蓄膿症の治療方法
鼻水や鼻づまりの症状が続くようであれば、早めに耳鼻科を受診しましょう。
蓄膿症と診断された場合、耳鼻科では内服薬による治療や鼻の洗浄と吸引、ネブライザー療法などが行われます。
- 内服薬…殺菌力のある抗生剤、炎症を和らげて鼻水のきれをよくする消炎酵素剤、鼻水を排出しやすくする粘液調整剤が処方されます。
- 鼻の洗浄と吸引…自宅では鼻をかんでもすっきりしない鼻水を掃除機のように吸引し、スッキリすることができます。
- ネブライザー療法…鼻にネブライザーという器具を当て、鼻から霧状にした抗生剤などを吸入して炎症を抑える治療法です。痛みなどもなく年齢の小さい子供や高齢者の方も安心して行うことができ、効果が高い治療法です。
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