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    尿毒症の症状11/アンモニアのような口臭が発生することも!

    尿毒症の症状11/アンモニアのような口臭が発生することも!

    尿毒症の症状には全身の浮腫(むくみ)やだるさ、アンモニアのような口臭が引き起こされることも!日頃から腎機能を低下させない生活習慣や病院受診を心掛けましょう。

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  • 更新日:2016年08月12日

尿毒症の症状11/アンモニア臭の口臭が発生することも!

「体調が悪くなると口臭が強くなった気がする」と訴える方は多いですが、その説はあながち間違っていません。口臭の原因は口の中にあるとは限らず、口腔の近くに位置する鼻や咽喉(のど)などの呼吸器系はもちろん、胃や腸などの消化器系の病気でも口臭が発生することがあります。

そして、口腔とは一見無関係そうな腎疾患も口臭の原因のひとつです。腎疾患では、尿毒症という状態になるとアンモニア臭という独特な口臭・体臭が発生することがあります。
今回は、口臭をはじめとする尿毒症の症状について詳しく紹介していきます。

そもそも尿毒症とは?

尿毒症は、腎不全により身体の老廃物がちゃんと排出できないことによって生じる症状のことです。腎不全による症状のほか、吐き気や嘔吐、頭痛、貧血などを伴った状態を指します。

では、腎不全になると具体的に腎臓はどういった状態になるのでしょうか。まずは腎臓の機能について詳しく説明します。

腎臓について

腎臓の働き

腎臓は、お腹の背中側にあるそら豆形をした対称性の臓器です。尿を作って膀胱へ送る器官で、尿素というタンパク質の残りを排泄しています。
また、レニンというホルモンによって水分バランスを程よい具合に調節し、不要な水分だけを捨てています。

他にもカリウム・マグネシウム・ナトリウム・クロールといった電解質の濃度バランスを整えたりビタミンDの生成を助けたり、骨を作るカルシウムやリンの調節を行っていたりと、普段は意識しない器官ですが、実に様々な役割を担っています。腎不全になると、これらの機能が低下してしまうこととなります。

腎不全になると

腎不全と健康状態のちがい

腎臓に起きる病気には様々なものがありますが、主にネフロ-ゼ症候群や腎炎、結石、腎臓ガンなどが挙げられます。この中でも一番多いのが腎炎で、その中でも毛細血管の塊である「糸球体(しきゅうたい)」という、血液を濾過する場所に炎症が起こる糸球体腎炎が有名です。
原因には免疫反応などが挙げられますが、糸球体腎炎にも細かく分けると様々な種類があり、中には詳しく正体が明らかになっていないものもあります。

糸球体腎炎などで糸球体の濾過機能が低下すると、腎臓の機能にも障害が起こり、血中の尿素窒素(BUN)や血清クレアチニン(Cr)という物質の量が増えてきます。
また、水分バランスが崩れて浮腫(むくみ)が起こり、重症だと心不全が起きます。カルシウムの生成量が低下すれば骨折しやすくなります。これが腎不全の状態です。

腎不全は急性腎不全慢性腎不全に分類され、症状が急激に現れる急性腎不全では、治療によって改善の余地が見込めます。
しかし、数ヶ月~数年で進行する慢性腎不全では、不可逆的な症状がゆっくりと進行します。最終的には末期腎不全に至り、透析療法が必須となります。

一般的に、腎不全の状態でさらに糸球体の濾過値(GFR)が正常値の10%以下になると尿毒症と判断されます。

尿毒症の原因

尿毒症は主に急性腎不全、慢性腎不全の末期に腎機能が低下することで発症します。その他、薬の副作用や心不全などの理由から、腎臓へ送られる血液が減少することも、尿毒症の原因のひとつです。

尿毒症の症状

尿毒症になると、全身で様々な異常が起きます。実際にどんな症状が現れるのか、具体的に確認していきましょう。

全身の浮腫

腎臓の機能が低下しているために水分バランスの調節ができず、体内に水が溜まる浮腫(むくみ)が起きやすくなります。手足、顔などのむくみを感じるようになります。

高血圧

腎不全により、体内の水分量やナトリウムの排出が上手くいかず、体内に溜まってしまうことで血圧が上昇してしまいます。

出血しやすくなる

肌の色の変化として出血斑や紫斑、茶褐色への変色がみられます。少しぶつけただけなのに痣ができたり、血が止まりにくくなり出血傾向がみられたりします。鼻血が出やすくなることも、尿毒症の症状のひとつです。

だるさ

はっきりとしたメカニズムは明確になっていませんが、尿毒症になると身体が疲れやすくなり、重いようなだるいような倦怠感が現れます。

頭痛

尿毒症のポイントとして、中枢神経の症状が目立つ点が挙げられます。老廃物が血中に溜まると、それによって神経や筋肉が刺激を受け、頭痛を引き起こしたり、意識が朦朧としたりすることがあります。

食欲の減退

食欲がなくなるのも、尿毒症の症状のひとつです。ケースによっては吐き気や嘔吐を引き起こしてしまうこともあります。

尿量の減少

これは浮腫の反作用ともいえます。体外に水を排出する力がないので、尿量が減少し、代わりに体内に水が溜まって浮腫になります。

貧血

腎臓では、エリスリポエチンという造血に関わるホルモンを産生しており、骨髄における赤血球の形成を助けています。しかし、腎不全によって腎機能が低下すると、エリスロポエチンの分泌量が減少し、赤血球の生産が不十分となり、腎性貧血を引き起こしてしまいます。

息苦しさを感じる

尿毒症になると、「尿毒症性肺」といって、一部の場所に水が溜まって肺水腫胸水貯留が生じたり、がよく出るようになったりすることがあります。

また、「クスマウル呼吸(Kussmaul呼吸)」という、深い呼吸が規則正しく連続的にみられることもあります。これは、腎不全によって代謝性アシドーシスという現象が起きているために見られる状態です。
代謝性アシドーシスとは、糸球体における血液の濾過量が減少しているため、血中の酸性物質も濾過されず、体内のpHが酸性に傾いてしまうことです。代謝性アシドーシスは糖尿病などでも発生します。

皮膚の掻痒感(かゆみ)

尿毒症では、皮膚症状も多く現れます。尿毒症による代表的な皮膚症状は、肌がかゆくなる掻痒症(そうようしょう)です。これは、肌の角質層の水分が極端に減少しているために引き起こされます。
さらに、体内に尿素が増えすぎると、汗の中の尿素が結晶となって肌の表面に白く粉を吹くことがあります。

尿毒症がキツイ口臭を引き起こすことも…

尿毒症は様々な症状を引き起こしますが、特徴的な症状がもうひとつあります。それが口臭です。

腎不全によって尿毒物質などの老廃物が排泄されにくくなると、血中に溜まってしまい、結果として肺からの呼気が口臭となって現れます。この口臭を、医学的には"uremic breath"、訳すと「尿毒症性口臭」といいます。不潔な公衆トイレのような臭いで、アンモニア臭と呼ぶこともあります。
このニオイは、皮膚の汗腺から出てくると体臭としても感じられます。

どんな人に尿毒症性口臭が生じる?

尿毒症による口臭・体臭が生じるのは、主に慢性腎不全の方です。中でも、透析を受けているような末期腎不全の方が多いでしょう。

尿毒症以外にもアンモニア様の口臭が発生する病気が!

魚のにおい

尿毒症のようなアンモニア臭の口臭が発生する疾患として、「魚臭症(トリメチルアミン尿症)」という、口臭や体臭を引き起こす遺伝疾患が挙げられます。
この病気では、日常生活に支障をきたすほど全身から魚の腐ったような生臭い臭いが漂い、大きな精神的苦痛を伴います。明確に治療方法が確立されておらず、とても悩ましい病気です。

尿毒症になる前に定期検診で早期発見を!

様々な症状が引き起こされる尿毒症は、腎不全が既に悪化している段階です。定期的に検診を受けることで腎機能の低下を早期発見し、治療を進めていくことが重要です。
もちろん、腎臓に負担を掛けない食生活の改善や飲酒を控えるなど、日々の生活習慣においても尿毒症を予防できるよう心がけることも大切でしょう。

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