口がネバネバなら口臭に注意!粘つく原因と対処法
朝起きたときの口のネバネバ感は、とても不快なものです。中には「大きく口を開けたときや飲み物を飲んだあとに、唾液が糸を引いて恥ずかしかった」という経験のある方もきっと多いでしょう。
では、あの口のネバネバは一体なぜ起こるのでしょうか。今回は、口がネバネバになる原因とその対処法について詳しく解説していきます。
口の中がネバネバする主な5つの原因
口の中がネバネバとしてしまう原因には、様々な要因が考えられます。自分は何が原因でネバついているのか、ひとつずつチェックしていきましょう。
1.緊張・ストレス
唾液の分泌は、自律神経によって調節されています。自律神経というのは、身体のバランスを保っている神経で、交感神経と副交感神経の2種類の神経が存在します。
交感神経が優位に働くと、心拍数の増加や血圧の上昇、瞳孔の収縮、血糖値の上昇などが起こります。反対に、副交感神経が優位になると、これらとは逆の反応が起こります。
また、それぞれの神経が優位に働くとき、唾液にも量や性状に変化が現れます。
交感神経系が働くと・・・ネバネバとした粘液性の唾液が少量分泌される
副交感神経系が働くと・・・サラサラとした漿液性の唾液が多量に分泌される
緊張やストレスにさらされた環境下においては、この自律神経の働きが崩されてしまい、交感神経が優位となります。リラックスした状態であれば、サラサラした唾液によって口腔内が潤うのですが、交感神経が優位に働くと、ネバつきのある唾液が少しだけ分泌されるため、口の中がネバネバしてしまうのです。
緊張・ストレスによるネバネバ解消法
緊張やストレスが強く出やすい場面といえば、面接や商談などの自分が試される場でしょう。この場合は誰でも緊張するものですが、人と会話するわけですから、口が乾いて臭くならないようエチケットに気を配りたいところです。
口がネバネバすると感じたら、こまめな水分補給で口の中を潤しましょう。
また、日頃からストレスを貯めないよう、自分なりのストレス解消法を身に付けておくことも大切です。ストレスはネガティブな出来事だけでなく、結婚や出産などのポジティブな出来事でも生じます。ストレスを上手に減らすことで、口腔内だけでなく全身の健康バランスを保つようにできればベストです。
2.加齢
唾液は、主に頬・顎・舌の下にある唾液腺というところから分泌されているのですが、年齢を重ねると、この唾液腺が委縮する傾向があります。
また、中年以降になると、唾液腺の周りの筋肉が徐々に衰えて、唾液腺への刺激が減り、唾液が出にくくなってきます。唾液が減ると口の中が乾いて、ネバネバするようになります。
加齢によるネバネバ解消法
唾液腺の委縮は避けられませんが、唾液腺周りの筋肉を鍛えることはできます。まずは普段の食事で一口につき30回噛むように心がけましょう。歯がしっかりしている方は、硬いものも積極的に食べるようにしてください。唾液腺と咬筋などの咀嚼筋が刺激されると、唾液の分泌量がアップします。
さらに、舌回し運動などのエクササイズを併用と、唾液の分泌がより促進されるほか、顎周りのシェイプアップにもつながります。
3.更年期障害・ホルモンバランスの崩れ
女性の健康状態とホルモンバランスには密接な関係があります、中でも更年期障害を迎えた女性の場合、唾液にも大きな影響が出てきます。
更年期障害といえば、無気力になる、体がだるい、のぼせ・ほてり、イライラする、疲れやすいなどの症状がありますが、これらはホルモンバランスが崩れることによる症状です。
ホルモンバランスが崩れると、自律神経の乱れが起こり、唾液の量や性状が変化して口がネバネバすることがあるのです。
更年期障害・ホルモンバランスの崩れによるネバネバ解消法
更年期障害による全身症状が重い方は、一度病院で診てもらい、適切な治療を受けることをおすすめします。病院で受けられる治療内容としては、漢方薬や抗うつ薬による治療、ホルモン補充療法(HRT)などがあります。
また、口のネバネバを解消するセルフケアのひとつとして、唾液腺マッサージが挙げられます。唾液腺マッサージはいつでもどこでも簡単に行えます。ネバつきが気になるときに試してみてください。
4.副鼻腔炎
鼻と口と喉は全て同じ空間でつながっています。風邪やインフルエンザなどで副鼻腔炎(蓄膿症)が起こると、ネバネバした細菌まみれの鼻水が大量に分泌され、喉に垂れてきます。この症状を後鼻漏といいます。
副鼻腔炎の鼻水は粘性が高く、膿んでいるため黄色や緑色をしており、口や喉にへばりついてイガイガした感じやネバネバした感じがします。また、鼻水や炎症で鼻が詰まることによって口呼吸をするようになり、口が乾いてさらにネバつきが悪化します。
副鼻腔炎によるネバネバ解消法
根本的原因である副鼻腔炎の治療が優先されます。耳鼻咽喉科に行って、ネブライザーや薬の処方などの適切な治療を受けましょう。薬やネブライザー治療で症状が改善されない、あるいは鼻茸(ポリープ)が形成されている場合は手術が必要となることもあります。
セルフケアでは、生理食塩水を用いた鼻うがいをすることも効果的です。
5.プラーク(歯垢)の蓄積
プラークとは、歯に付着する黄白色をした細菌の集合体です。口の中にはたくさんの常在菌が住み着いていて、食べかすや唾液中の成分と合体し、ネバネバしたプラークを形成します。
プラークの付着量が多いと、口がネバつくようになります。さらに、プラークは口のネバネバだけではなく、放置していると虫歯や歯周病などの口腔トラブルの原因にもつながります。
プラーク(歯垢)の蓄積によるネバネバ解消法
日頃の定期的なプラークコントロールが必要です。一番大切なのは歯磨きですね。食後はなるべく早く歯磨きをして、プラークを取り除きましょう。デンタルフロス・歯間ブラシの活用も必須です。歯磨きの最後にマウスウォッシュによるうがいをすると、ネバつきが一層除去されます。
口のネバネバは口臭の原因に!
口の中がネバネバする原因は様々ですが、ほとんどの原因に共通することは、唾液が少なく口が乾燥しているということです。
口の中の潤いを守る「潤滑・湿潤作用」や清潔を保つ「自浄作用」など、唾液は口の中の健康を守る上でいくつもの重要な働きを担っています。
唾液が少ないと、口腔内の細菌が洗い流されずどんどん増えていき、増殖した細菌は揮発性硫黄化合物(VSC)という強烈な臭いを放つガスを発生させ、口臭を強くさせてしまいます。
つまり、口のネバネバや口臭を予防するには、唾液の分泌を促すことが重要となります。
歯磨き後も口のネバネバがとれないのはどうして?
歯磨きを行っても口のネバネバがとれない場合、ネバネバの原因が口の中以外にある可能性があります。ストレスや加齢、ホルモンの乱れ、副鼻腔炎などの原因も疑ってみましょう。
もしくは、正しくブラッシングを行えておらず、歯垢を除去し切れていないということも考えられます。
一口に歯磨きといっても、歯の生え方や歯周病の状態によってやり方は変わってきます。歯科医院を受診し、現在の歯の状態を把握した上で、自分に合ったプラークコントロールの方法を教えてもらいましょう。
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