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    唾液が甘い原因は糖尿病や味覚障害?治療法・何科を受診?

    唾液が甘い原因は糖尿病や味覚障害?治療法・何科を受診?

    唾液が甘いと感じるのは、糖尿病や味覚障害などの病気が原因かもしれません。これらの疾患が疑われる場合、どんな治療が行われるのか、何科を受診すべきか紹介します。

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  • 更新日:2016年09月28日

唾液が甘いと感じるのは病気のサインかも!?

皆さんは、甘いものを食べた後でもないのに自分の唾液が甘いと感じたことはありませんか?ほんの一時的なことであれば、気のせいであったり、ストレスなどからくる症状であったりすることもありますが、場合によっては、それは身体が発する病気のサインである可能性も考えられます。

今回は唾液が甘いと感じる原因とその対処法について、詳しく紹介します。「最近、唾液の味がおかしい…」と感じる方はぜひチェックしてみてください。

唾液が甘いのは病気?考えられる主な原因

唾液が甘いと感じる状態が長く続いているという方は、何らかの病気にかかっている可能性がありますので注意が必要です。唾液が甘く感じる原因として、主に以下のような病気が挙げられます。

糖尿病

血糖値を図る機械

糖尿病は、膵臓から出るホルモンであるインスリンが不足し、血糖値を抑える耐糖能が正常に作用しなくなることで、血中の糖度が上がったまま下がらなくなってしまう病気です。

糖尿病の初期の段階では自覚できるような症状はほとんどなく、病状が進行していくと口の渇き(口渇)や倦怠感、皮膚のかゆみ、頻尿、足がつりやすいといった症状が現れるほか、非常にまれですが、自分の唾液が甘く感じるという症状が現れることがあります。
これらの症状のうち、いくつか心当たりのあるものがあれば、糖尿病に罹っている可能性も考えられるでしょう。

糖尿病になってしまう原因・対処法は?

糖尿病は1型と2型に分類され、原因もそれぞれ異なります。1型糖尿病の原因は遺伝や環境によると言われていますが、今のところ明確になっていないというのが現状です。
2型糖尿病の原因もストレスや加齢など様々ですが、代表的なものとしては、主に運動不足や食事の問題といった生活習慣が大きく関係しているケースが多いです。
なお、糖尿病患者のうち、9割以上はこの2型糖尿病です。

糖尿病と診断された場合、まずは食事療法や適度な運動など、原因となっている生活習慣の見直しを行います。既に糖尿病が進行してしまっている場合には、食事療法などと並行して血糖値を下げる薬を投与し、早期治療を行います。

味覚障害

味覚がおかしい男性の食事

味覚障害とは、食べ物の味の感じ方に異常が現れたり、味を感じなくなったりする症状のことを言います。
味覚障害の症状には、味に対する感覚が弱くなったり味が分からなったりする味覚低下・味覚消失が最も多く、次いで何も食べていないのに口の中で味を感じる「自発性異常味覚」が多いとされています。

このほか、本来の食べ物の味とは違った味を感じる錯味症(異味症)や、食べ物の味そのものをおいしいと感じなくなる悪味症があります。自分の唾液が甘く感じる症状は、自発性異常味覚の一種と考えられます。

味覚障害になってしまう原因・対処法は?

味覚障害になる原因としては、血液中の亜鉛不足薬の副作用、消化器系の病気や肝障害といった全身の病気食品添加物の影響、ストレスなどが挙げられます。

このうち、亜鉛不足による味覚障害については、血中の亜鉛が不足することによって、舌の奥にある味を感じる「味蕾」という器官の新陳代謝が遅くなることがわかっています。

対処法としては、レバーや牡蠣、大豆製品などの亜鉛を豊富に含む食品やサプリメントを利用して亜鉛を摂取するといった方法が効果的です。
ただし、亜鉛は銅の吸収を妨げてしまうことがあります。サプリメントなどを摂取する際には必ず用法用量を守り、過剰摂取を避けるようにしましょう。

糖尿病や味覚障害が口臭の原因になることも…

糖尿病や味覚障害といった病気は、それぞれ口臭の原因になることがあります。糖尿病や味覚障害が口臭の原因となっている場合、マウススプレーやサプリメントなど、別の強い香りで口臭を隠すこと(マスキング)はあまり意味がありません。まずは口臭の根本的な原因となっている病気を突き止め、治療を行っていくことが重要となります。

糖尿病や味覚障害が口臭を引き起こすメカニズムについては、主に次の3つのパターンが考えられます。

1.糖尿病によるアセトン臭

糖尿病に罹るとインスリンが不足しますが、このインスリンは血糖をエネルギーに変える役割を担っています。よって、糖尿病患者は糖を分解してエネルギーを作り出すことがうまくできなくなりますので、身体は脂肪やタンパク質を分解してエネルギーを取り出すようになります

脂肪やタンパク質が分解されると、ケトン体という物質が生成されます。ケトン体には独特の臭いを持つアセトンという有機溶媒が含まれているため、口臭や体臭にアセトン臭が混じるようになるのです。

アセトン臭とは?どんな臭い?主な原因3つとその対策

2.ドライマウスが原因の口臭

水分補給をする男性

糖尿病の症状のひとつに、口の中が渇きやすくなる口渇(こうかつ)が挙げられます。いわゆるドライマウスの状態となり、唾液が不足しがちになります。

唾液は口の中の衛生環境に大きく関わっています。唾液が減ると、本来であれば唾液の殺菌作用によって増殖が抑えられていた細菌が、口の中で増殖してしまいます。そして、口腔内で細菌が増えると、食べかすや歯垢を細菌が分解し、その過程で悪臭を放つガスが発生して口臭の原因となるのです。

3.味覚障害による自臭症

皆さんの中には、「鼻がつまっているときに食べ物の味が分からなくなる」といった経験のある方も多いのではないでしょうか。
私たちの味覚は、嗅覚とも密接に関係しています。実は味覚だけでなく、嗅覚を感じる細胞も亜鉛を材料として新陳代謝を行っています。そのため、味覚障害になっている方は、嗅覚にも何らかの異常があることも考えられるのです。

嗅覚に異常をきたしていると、本来の臭いが分からないだけでなく、何も臭いがないところに臭いを感じてしまうことがあります。このため、本当は気にするほどの口臭はないにも関わらず、自分は口が臭いと思い込んでしまう「自臭症」になる可能性も考えられます。

【自臭症の症状/原因】口臭を気にしすぎる人は要チェック

唾液の味に異常を感じたら…

体調やストレスなどによって、一時的に唾液の味に異常を感じるだけであれば、それほど心配する必要はないでしょう。
しかし、「長期間にわたって唾液が甘く感じる」「日常生活に支障をきたしている」という場合には、身体に何らかの異常があることを疑うべきかもしれません。気になる方は、念のため各疾患に対応した診療科を受診することをおすすめします。

糖尿病の疑いがある場合

糖尿病の疑いがある場合は、まずは内科を受診するようにしましょう。また、糖尿病を専門とする糖尿病・内分泌科糖尿病・代謝内科がある病院もあります。

健康診断の際の血液検査結果から糖尿病が発覚するケースもありますので、経過観察や再検査の必要があると言われた場合は指示に従うようにしましょう。
食事療法をはじめとする生活習慣の改善や投薬といったように、そのときの病状によって必要な治療も変わります。担当の医師の指導に従って、適切な治療を進めていきましょう。

味覚障害の疑いがある場合

内科や歯科でも診断や治療を受けることが可能な場合もありますが、味覚障害の場合は主に耳鼻咽喉科で診察を受けることができます。
味覚障害は原因を把握した上で適切な治療を行えば、かなりの割合で改善することができる症状です。自分一人だけで悩むのではなく、少しでも不安なことがあれば専門の医師に相談し、病気の早期解決を目指していきましょう。

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