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    【歯石除去が痛い/血が出る原因】術者が下手?器具の違い?

    【歯石除去が痛い/血が出る原因】術者が下手?器具の違い?

    歯石除去で痛いのは仕方ない?そんなことはありません。超音波やレーザーなど取り方はさまざまですし、痛みの原因を理解しすることも大切でしょう。

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  • 更新日:2016年05月03日

歯石除去は痛い?痛みの原因と超音波など器具による違い

歯石は自分で除去できませんから、歯科医院でとってもらう必要があります。でも、「歯石除去ってどんなことをされるんだろう?」「歯石をとるのは『痛い』とよく聞くけど…」と、歯石除去に不安を抱いている人も少なくないでしょう。
実際に歯石をとってもらって、痛かったり血が出たりして驚いた経験のある人もいるかもしれません。

でも、歯石の除去は、健康な歯肉を保つために欠かせないものです。痛みが怖い人は、できるだけ痛みを少なくするように処置してもらうことも可能でしょう。
歯石取りで痛いということは、歯肉に何らかのトラブルが起きている可能性も否定できません。歯周病の発症を招き、さらに痛い処置が必要になることがないよう、歯石除去について正しく理解し、歯科医院で定期的に歯石をとってもらうことをおすすめします。このことは、病気の早期発見・早期治療にもつながるでしょう。

歯石除去って痛い??

「歯石除去は痛くない」と、一概には言えないでしょう。歯肉の状態や歯の状態によって、痛みは違ってくると言えるでしょう。

歯周病が重度であればあるほど炎症が進み、歯肉の状態が悪いため、強く痛みを感じます。健康な歯肉の人はほぼ痛みを感じないか、少し器具の刃先が歯肉に当たってチクチクする程度です。
全然痛くなくて寝てしまうような人もいれば、目をギュッとつぶってひたすら痛みに耐えている人もいます。

また、知覚過敏の人も痛みを感じます。知覚過敏の痛みは歯が肉に埋まっている境目(歯頚部)あたりで起きやすく、歯石が付着する部分とちょうど被るためです。

歯石除去は超音波の方が痛くない?

歯石の除去にはスケーラーという器具を用います。スケーラーには「手用スケーラー」「超音波スケーラー」の2種類が存在します。

「超音波の方が痛くないだろう」と思う人は少なくないようですが、手用と超音波のどちらが痛いかは、人によって違うと言えるでしょう。超音波スケーラーは、知覚過敏による痛みの他、振動による独特の不快感がある場合もあります。

  • 手用スケーラー

手用スケーラーには鋭利な刃が付いており、直接歯石を削り取っていきます。歯石を一気にとるのは難しいので、1歯ずつ時間をかけてとっていきます。刃先が歯肉に当たるとチクチクとした痛みを感じます。

  • 超音波スケーラー

超音波スケーラーには刃が付いておらず、超音波で振動させて歯石を剥がしていきます。すぐに歯石がとれるので、上下合わせて10〜20分程度の短時間で済むケースが多いです。
また、水を同時に噴射するので洗浄効果もあります。刃が当たる痛みはありませんが、知覚過敏の人の場合は、超音波によってしみるようなキーンとした痛みを引き起こすことがあります。
通常は超音波スケーラーで大まかに綺麗にした後、手用スケーラーで細かいところを取り除いていきます。

レーザーによる歯石除去とは?

レーザー

近年、歯科治療ではレーザーが注目されています。口内炎の治療にも使われているHe-Neレーザーや、外科手術の際に歯肉を切開CO2レーザーなど、様々な種類があります。中でも、Er:YAG(エルビウムヤグ)レーザーは、虫歯除去歯石除去にも用いられています。

レーザーによる歯石除去のメリット

レーザーを使う利点はさまざまありますが、痛みを最小限にできるというのは大きなメリットでしょう。削りとるのではなく、蒸散させるので不快感が少ないことが特徴です。
また、歯周病菌を殺菌したり、菌の死がいが産生して組織を破壊する「内毒素」を蒸散させるという報告も出ています。主に歯の根の部分についた歯石に適応されます。

全ての歯科医院で行われているわけではなく、レーザーを設置している一部の歯科医院でのみ実施しています。レーザーによる歯石除去を希望する場合には、事前の確認が必要でしょう。

歯石除去の痛みは歯科衛生士さんの腕次第?

歯科衛生士

歯石除去で痛い思いをした人の中には、「歯科衛生士が下手だったのではないか」と考える人も多いようです。歯石除去に行くと、「どの衛生士さんに当たるのか」とドキドキする人も少なくないでしょう。

確かに、術者によって歯石をとる時の痛みに差があると言えるでしょう。しかし、それは上手いか下手かというよりは、丁寧か雑かという言い方の方が正しいでしょう。ゆっくり時間をかけて丁寧に除去していく人もいれば、多少荒くても素早く除去する人もいます。

中には痛みを感じやすい人もいます

どんなに上手い人にやってもらっても痛みが出やすい人は存在します。歯周病が進行している人歯石が多量に付着している人知覚過敏が強い人などです。歯石はガッチリ歯にくっついているので強い力をかけなければ除去できませんし、知覚過敏の人は触っただけでも痛い人もいます。

超音波スケーラーは出力を調整することも可能なので、痛みがある時は遠慮なく申し出ましょう。ただし、いきなり喋ったり起き上がったりすると危ないので、右手を挙げて知らせてください。

歯石除去による出血の原因

歯石除去で血が出るとビックリしてしまうかもしれませんが、安心してください。よっぽど下手な人が歯茎をザクザク傷つけない限りは、その血は歯周病による血です。

歯周病では歯周病菌の増加によって炎症が生じます。炎症は身体の免疫(白血球など)とばい菌が闘っている証拠で、汚い血がたまっている場所でもあります。ですので、歯周病による出血は悪いことではなく、むしろ出してしまった方が歯周組織には良いでしょう。
歯周病になると出血しやすくなりますが、歯磨きの最中に血が出たからといって磨くのを止めてしまうと、歯周病が進行する原因になってしまうので良くありません。

もちろん、歯周病であったとしても、歯石除去による出血が長時間続くことはないでしょう。余りに長く血が止まらない場合は、全身の病気や薬の副作用が原因となっている場合もあるので注意が必要です。

歯石除去後に歯が痛い・しみるようになるのはどうして?

歯がしみる女性

歯石を除去すると、歯に痛みが出たり、冷たいものがしみることがあります。
これは、歯石でブロックされていた歯がむき出しの状態になるためです。長い間刺激にさらされていなかったため、敏感に感じてしまうのです。歯石が多く付着していた人ほど痛みが出やすくなります。

歯石除去後の痛みはいつまで?

歯石除去後の痛みは、しばらくすれば治まるのが普通ですが、ずっと症状が続く場合もあります。その場合は虫歯慢性的な知覚過敏の可能性もあるため、放置せず早めに歯医者さんで診てもらいましょう。

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