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    【デンタルフロスの使い方/選び方】引っかかる・出血の対処

    【デンタルフロスの使い方/選び方】引っかかる・出血の対処

    デンタルフロスの間違った使い方は、痛みや出血を招くことも…正しい使用方法の確認は必須です!歯間ブラシとの比較・奥歯に使うコツ・タイミング・頻度などもご紹介。

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  • 更新日:2016年01月12日

口臭&虫歯予防に超有効!デンタルフロスの使い方

口臭&虫歯予防に超有効!デンタルフロス

口臭予防や虫歯予防に有効な方法は、「歯磨き」だと思っていませんか?実は、歯磨きだけで綺麗にできるのは口腔内の一部だけです。歯と歯の間などは歯ブラシが届かず、うまく清掃することができません

白く健康な歯がステータスであるアメリカでは、歯磨きの時間を短くして、デンタルフロスを用いて歯を磨いています。その方が効率が良いからです。
また、歯医者さんでも虫歯の検査や、詰め物がちゃんと接着されているかチェックするために使用することもあります。

デンタルフロスに馴染みが無い方も多いかもしれませんが、実践すればより口臭予防や虫歯予防へつながります。

デンタルフロスは自分に合った種類を選ぼう!

デンタルフロスは糸状の口腔内清掃器具です。その種類には様々なバリエーションがありますので、汚れをとる糸部分と、指で把持する部分に分けて見ていきましょう。

糸の形状はさまざま、効果も違います

汚れを落とす糸部分には主に以下のような種類があります。

糸の形状の種類

  • ワックスタイプ
  • アンワックスタイプ
  • デンタルテープ
  • スーパーフロス

ワックスタイプとアンワックスタイプ

一般的なデンタルフロスはこの2種類になります。糸にワックスが塗布されているかいないかの違いです。使い分けについては後ほど紹介します。

デンタルテープ

普通のフロスより幅が広く、汚れをより多く落とします。歯と歯の間が狭い人に適しています。

スーパーフロス

スーパーフロス

糸の一部が、フィラメントというふわふわしたスポンジになっているタイプです。歯と歯の間ではなく、インプラントブリッジのポンティック(ダミーの歯)と歯茎の隙間に使うことが多いです。

持つ部分について

指で把持する部分には2種類のタイプがあります。

把持部の形状

  • 糸巻きタイプ
  • ホルダータイプ(F型、Y型)

糸巻きタイプ

糸巻きタイプ

一般的なデンタルフロスは、こちらの糸巻きタイプと言えると思います。適当な長さに切って、人差し指に巻き付けて使います。1回につき3~5円くらいで済むため、比較的リーズナブルだと言えるでしょう。

ホルダータイプ(F型、Y型)

糸ようじ・ホルダータイプ(F型、Y型)

「糸ようじ」とも呼ばれるもので、プラスチックのホルダーにフロスが付いたものです。F型前歯部分に、Y型奥歯部分に使いやすいようにできています。
誰にでも使いやすく糸を切る必要もありませんが、1回につき10~15円かかるので糸巻きタイプに比べて費用が高くなりやすいです。

デンタルフロスの使い方

デンタルフロスの使い方はタイプによって異なります。ここでは糸巻きタイプとホルダータイプのそれぞれの使い方についてご紹介します。

糸巻きタイプの使い方(指巻き法)

フロスを引っ張り出し指先から肘の辺りまでの長さ40~60cmほどで切ります

1.フロスを引っ張り出し40~60cmほどで切ります。だいたい指先から肘の辺りまでの長さと考えて良いと思います。

短いと使いづらいですし、長いと使わない部分が多すぎてもったいないので気をつけましょう。

2.片手の中指に2回ほど巻き付け、反対側の手の中指にも同様に巻き付けます。

片手の中指に2回ほど巻き付け、反対側の手の中指にも同様に巻き付け

間隔は後で調節するので適当で大丈夫です。

3.両手の人差し指でフロスをピンと張り人差し指どうしの感覚が1~1.5cmくらいになるように調節します。

両手の人差し指でフロスをピンと張り人差し指どうしの感覚が1~1.5cmくらいになるように調節

4.フロスを前後に動かしながら歯と歯の間を2~3回上下させて汚れを除去していきます。

フロスを前後に動かしながら歯と歯の間を2~3回上下させて汚れを除去

歯と歯の間をすり抜け(この時少し音が鳴ります)歯茎に接するまでフロスを入れましょう。ただし、勢い余って歯茎を傷つけないように力加減をセーブしてください。ここがちょっと難しいところです。

5.4と同様に前後に動かしながらに引き抜いて外します

前後に動かしながら上に引き抜いて外します

次の歯間部に移動する時は糸の新しい部分にずらして使いましょう。汚れが糸にいっぱい付いている時は水で洗い流して使っても構いません。

ホルダータイプの使い方

最初に水で濡らした方が滑りが良くなります。あとは、指巻きタイプと同じように歯と歯の間をのこぎりのように前後に引きながら上下させて汚れを落としていきます。
糸の部分が僅かしか無いので、汚れをとる度に水で洗い流してから次の歯間部へ移動した方が良いでしょう。

デンタルフロスを効果的に活用するための5つのポイント

デンタルフロスは、効果的に歯と歯の隙間の汚れを取り除くことができる、優れた清掃用具なのですが、なんとなく使用しているだけでは効果的とは言えないでしょう。
効果的な活用のために、ぜひ次のようなポイントを取り入れてみてください。

奥歯の方までキレイにするにはY型・指巻き法ならコンパクトに!

「デンタルフロスで奥歯の方までキレイにするのが難しい」と感じている人は多いでしょう。奥歯の清掃をする際は、ホルダータイプであればY型を使用します。指巻きタイプであれば両手の人差し指の間隔を小さくして奥に届くようにコンパクトにします。
上の歯であれば人差し指ではなく親指に引っかけて使っても良いでしょう。

うまく使えなかったら鏡でチェック!

鏡を見て場所を確認しながら行いましょう。汚れがちゃんととれているか、歯肉を傷つけて血が出ていないかチェックしてください。
また、引っかかるような感覚がある時は詰め物が外れたりする可能性があるので、上に引き抜かないで静かにから抜くようにすると良いでしょう。

1日3回のフロス使用がベスト!

毎回歯磨きをした後に補助的に使いましょう。歯磨きは1日3回食後に行うのがベストですので、デンタルフロスの頻度もそれに準じます。
…と言っても、ランチの後の歯磨きは、外出先や職場で行っている人も少なくないでしょう。また、忙しい朝はフロスでケアを行う余裕がないかもしれません。

無理をする必要はありませんが、なるべく使用の頻度を高めることをおすすめします。
もちろん、使用すればするほど良いということはないので、適度な回数で行うことが大切です。

ワックス加工の有無にもこだわって

デンタルフロスにはワックスタイプ(ワックスが付いている)とアンワックスタイプ(ワックスが付いていない)があります。ワックスタイプは糸がワックス=ろうで覆われているので、表面がツルツルしていてほつれにくいです。
一方、アンワックスタイプは糸が分かれやすくほつれやすいですが、汚れを落としやすいです。
なんとなく選んでいる人も多いようですが、使い心地などをチェックして、自分の気に入った方を選ぶと良いでしょう。

好みの使い心地は人それぞれですが、歯科医院では汚れを落とすアンワックスタイプの方を奨められることが多いようです。

歯間ブラシと比較!自分に合ったものを選ぶ

歯間ブラシは折り曲げ自由な針金に細かい毛がたくさん付いたブラシです。歯と歯の間が大きく開いた箇所への使用が適しています。矯正で金具が付いている部分の清掃に使ったりもします。

健康な歯並びの人は歯間ブラシでは無くデンタルフロスを使いましょう。歯並びが凸凹していたり、歯周病で歯茎が下がってしまった人には歯間ブラシの方が汚れを除去しやすくおススメです。

デンタルフロスでよくある困りごと

デンタルフロスを使っていて、「こんな時どうしたら良いの?」という疑問が生じることもあると思います。でも、デンタルフロス使用における困りごとが、病気を知らせてくれている場合もあります
いつも同じ箇所で同じトラブルが生じるならば、それを見過ごさないことも大切です。

フロスが引っかかる

デンタルフロスが引っかかってしまったり、切れてしまったりするのは、歯と歯の隙間が虫歯になってしまっている可能性があるでしょう。また、引っかかってしまったフロスを無理に動かしてしまうと、詰め物が取れてしまう場合があります。

フロスの種類(糸の形状)を変えることで改善することも可能ですが、歯と歯の隙間に虫歯ができている、詰め物・被せ物が合っていない・不具合が生じているという可能性もあるでしょう。
一度歯科医院で相談してみると安心でしょう。

デンタルフロスを使うと血が出る

デンタルフロスを使って出血するのは、歯肉の状態が良くないことが原因の可能性があります。歯肉炎になっている場合には、フロスの使用を中断せず、プラークコントロールを続けることをおすすめします。
しかし、歯肉の炎症だけならば、プラークコントロールで症状を改善できますが、進行させてしまうと治療が必要になります。歯肉の炎症が続いているならば、歯科医院で相談しましょう。

また、デンタルフロスで歯肉に負担をかけ、出血が起きてしまっているならば、デンタルフロスの使い方を見直す必要があります。

デンタルフロスを使うと痛みが生じる

「デンタルフロスを使うと痛い」という場合は、デンタルフロスの使い方が間違っている(力を入れすぎている)という可能性もありますが、病気が原因となっている可能性もあります。
歯と歯の隙間の虫歯歯周病による歯肉の炎症が原因で、痛みが生じている可能性もあるでしょう。

心配な場合には、病気の進行を防ぐためにも、早めに歯科医院で相談すると良いでしょう。また、正しい使い方を身に付けたい場合にも、歯科医院で指導を受けることができます。

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