舌苔が厚くなる原因と舌苔が黒/黄色くなる要因
舌苔(ぜったい)とは、舌の上にできるこけのような白い(または黄色い)汚れのことを言います。しかし、健康な人や口の中のケアをしっかり行っている人でも、舌苔はできます。健康状態や口の中の衛生状態によって、舌苔の色や厚さなどに違いが出てくるのです。
舌苔は口臭の原因になることが知られていますが、「舌苔がある=口臭が強い」とは言い切れないでしょう。健康な舌はうっすらと舌苔があり、全くないというのも、反対に健康的ではないのです。
舌苔は何のために付着する?舌のこけの役割とは?
舌苔は舌の汚れではありますが、全くないのも良くありません。舌苔は、ただの舌の汚れと認識している人も多いのですが、舌を保護する役割を担っています。口臭予防のために、舌苔を取り除くグッズが多く販売されていますが、なんでもかんでも除去すれば良いというものではないのです。
舌苔の原因は?過剰に付着するのはどうして?
舌苔の付着に影響するものには次のようなものがあります。
- 唾液量
- 口腔内常在菌
- 免疫力の低下
- ストレス
- 全身疾患
- 口呼吸
- 薬の副作用
風邪や睡眠不足などによる免疫力の低下、自律神経の乱れなど、さまざまな影響を受けて、舌苔の量が増えてしまいます。
原因によっては、舌苔の色にも影響します。
体調だけでなく時間帯によっても舌苔のつき方が違う
舌苔の付き方には個人差があります。健康な人でも、起床時には舌苔が多く付着していたり、疲れが溜まってくると付着量が多くなったりするようです。
時間帯や体調によって舌苔の付着に違いがある理由については、明らかになっていないのが現状です。
子供の舌苔の原因
子供の舌苔の主な原因は、口呼吸や免疫力が弱いこととされています。免疫力については、成長とともに高まる可能性が高いと言えますが、口呼吸は訓練しなければ治らない場合もあります。
口呼吸は口臭の原因となるほか、風邪を引きやすくなる・歯並びが悪くなるといったデメリットが多くあるため、早めに対処することをお勧めします。
舌苔が変色する理由
舌苔が黄色っぽくなったり、黒ずんだりすることがあります。それぞれに原因があるため、舌を過剰に磨いたりせず、原因に応じて適切に対処することが必要でしょう。
舌苔が黒っぽくなる原因
舌苔が黒っぽくなるのは、抗生物質など薬の投薬を長期的に続けたことが原因でなっているケースが多いです。
抗生物質の服用を続けている場合は、薬の服用を急に中断するのではなく、担当医師に相談することが必要でしょう。
舌苔が黄色っぽくなる原因
胃酸の分泌が多くなることで、舌苔が黄色く変色してしまうケースが多いです。胃腸の調子を整え、胃酸の分泌を抑える必要があるでしょう。
また、喫煙によって舌苔が黄色くなることもあります。
舌苔を予防するために行うべき3つの方法
1.口の中を清潔に保つ
舌苔を予防するには、口の中を清潔に維持することが大切です。歯磨きをしっかりと行い、細菌の増殖を防ぐことで、舌苔の予防につながります。
1日3回歯磨きをしているのに…という方も少なくありませんが、ただ磨くだけでなく、正しい磨き方で行わなければ十分に汚れを除去できないため、歯の磨き方を見直すことも必要でしょう。
市販のマウスウォッシュ(洗口液)の使用も有効でしょう。
2.舌を清潔に保つ
むやみに歯ブラシで舌をゴシゴシ磨くのは、舌の粘膜を傷つけてしまう可能性があるのでおすすめできません。舌磨き専用のブラシ(舌ブラシ)を使用して、1日1回程度舌のケアを行うと良いでしょう。
力を入れれば入れるほど汚れを除去できるわけではないので、力を入れすぎないように注意しましょう。また、口臭が気になって1日に何度も行いたくなってしまう人も多いようですが、舌磨きは1日1回起床時に行うようにし、継続して行うことが大切でしょう。
3.食事はよく噛んで食べる
唾液の分泌が減ると、口の中で細菌が増殖しやすくなってしまいます。唾液には抗菌作用や口の中の汚れを洗い流す働きなど、口の中を清潔に維持する働きがあるため、唾液の分泌量を増やすことが必要でしょう。
よく噛んで食べることは、唾液の分泌を促進します。舌苔を予防するだけでなく、虫歯や歯周病の予防にも役立つため、日頃からよく噛む習慣を付けると良いでしょう。
舌苔が及ぼす主な2つの悪影響
舌苔が多く付着することで、痛みなどの症状は生じません。しかし、さまざまな悪影響が及びます。主な悪影響の一つである「口臭」は、コミュニケーションなど人間関係にも大きく影響するため注意が必要でしょう。
また、舌はあまり人に見られることはありませんが、真っ白な舌は汚い・不健康な感じがしてしまいますよね。
1. 口臭がきつくなる
「主な口臭の原因は舌苔と歯周病」と言われています。口臭に悩む人が多いですが、そのうちの多くの原因が舌苔と言って過言ではないでしょう。
舌苔は口臭の原因となるVSC(揮発性硫黄化合物)というガスを生成します。このVSCの主なガスに、次のようなものがあり、特有の臭いがあります。
硫化水素 | 腐卵臭(卵が腐った臭い) |
メチルメルカプタン | 腐った玉ねぎに近い臭い |
ジメチルサルファイド | 生ゴミに似た臭い |
上記のガスからなるVSCの臭いは強烈と言っても過言でなく、周囲を不快にすると言えます。
2. 味覚が鈍くなる
味を感じるのは舌ですが、舌の表面にある味蕾細胞が味の刺激を受け、それが脳に伝わることによって味として感じます。
しかし、舌苔が多く舌に付着していると、味蕾細胞が舌苔によって覆われてしまうため、味を感じにくくなると考えられているのです。
味がわかりにくくなったり、味が薄く感じられたりすることは、食事の楽しみが軽減する可能性がありますし、味を感じにくいことで濃い味付けになりやすく、長期的に続けていると糖尿病や動脈硬化のリスクを高める可能性も否定できません。
食事を楽しみ、全身の健康を維持するためには、舌が清潔であることも必要なのです。
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