舌磨きのやり方と効果!歯ブラシを使うのはNG?
近年はオーラルケアなどニオイに対する意識が高まっていると言えます。そのため、口の中のケアの一環として、舌磨きを行っている人も多いでしょう。
しかし、気になる口臭を消すために、舌磨きの際に舌をゴシゴシと歯ブラシで強く磨いている人も少なくないとか…。舌の粘膜はとてもデリケートなので、間違った舌磨きを行うと逆効果になることも!正しい舌磨きを行うことで、息をキレイにできます。
ここでは、口臭予防に効果的な正しい舌磨きの方法をご紹介します。
舌の汚れとは?どうして汚れる?
汚れた舌は白くなります。と言っても、全く白くない舌もよくありません。健康な舌であっても、多少なりとも白い汚れは付着しているものなのです。
舌に付着する白い汚れは、「舌苔(ぜったい)」と呼びます。過剰に付着すると、不快な臭いのするガスを放出するため、口臭の原因となってしまいます。また、さらにひどくなると、味覚障害を引き起こす可能性があるため、適切な舌磨きで過剰な舌苔を除去する必要があります。
舌に汚れが付着する原因
舌の表面には、小さな突起が多数あります。舌苔は、この突起の隙間にコケ状に付いた汚れのことです。汚れが付着し、細菌が繁殖することによって白くなります。うっすらと白いくらいであれば、問題ありませんが、まっ白になるほど付着している場合には、口臭の原因になるため除去することが必要です。
舌苔の付着の仕方はその人によって異なり、体調や時間帯によっても付き方は違ってきます。(付着の仕方の個人差が、どうして起きるのかについては明確になっていません)
特に舌の奥の方に付着しやすいため、舌苔が多く付着していても、気付かない人もいるでしょう。健康状態は舌にも現れるため、舌磨きを行いながら、舌の状態を定期的にチェックすることも大切なことでしょう。
舌苔が口臭の原因になる理由
先にも紹介した通り、舌苔は舌に付いた汚れに細菌が繁殖したものです。舌苔が口臭の原因になるのは、この繁殖した細菌によるものです。
舌に繁殖した細菌は、不快な臭いのする「揮発性硫黄化合物(VSC)」を放出します。口臭の主な原因となっている揮発性硫黄化合物(VSC)には、硫化水素・メチルメルカプタン・ジメチルサルファイドなどがありますが、腐ったタマネギや生ゴミのようなニオイがあります。
強烈なニオイの原因である揮発性硫黄化合物は、歯周病の人の口の中から多く検出されることがわかっていますが(主にメチルメルカプタン)、舌の上で最も多く作られるとされています。
口臭が気になったり指摘されたりした場合は、まずは舌の汚れによるものと疑ってよいと言えるでしょう。
舌磨きの正しいやり方とタイミング
歯磨きとは異なり、細かな溝などもありませんから、舌磨きは簡単だと感じるかもしれません。しかし、舌磨きは正しくできていない人が多いというのが実状です。
舌磨きは、専用のブラシである「舌ブラシ」を使う方法、歯ブラシを使用する方法、綿棒を使う方法が主に挙げられます。強くこすりすぎると、逆効果になりかねないため、やさしく行うことが大切です。
また、どの方法であっても、口内炎など舌に何らかの潰瘍・傷がある場合には、舌のケアを行うのはやめてください。舌に負担をかけずに行うことが重要です。
舌磨きを行うタイミングと注意点
- 起床時など1日1回のケアで十分
口臭が気になると、何度も舌磨きがしたくなるかもしれません。しかし、舌への負担を軽減するためにも、1日1回が望ましいでしょう。 - 歯磨きの前に舌磨き!
舌磨きをしてから歯磨きをするようにしましょう。歯磨きをした後に舌磨きをすると、口臭改善どころか、逆効果になりかねないとされています。 - 舌磨きでかける力は100グラム
100グラムの力加減と言われても、今一つイメージできないかもしれません。はかりで100グラムを示す程度の力加減ですから、極めて弱い力であると言えるでしょう。実際に、家庭用のはかりなどを使って、100グラムの力加減を確認してみるとよいでしょう。
【舌ブラシ】の正しい使い方
舌ブラシは、舌磨き専用のブラシであり、舌の形状を考慮して作られています。そのため、正しく使用することで効果的に汚れを除去できると言えるでしょう。
舌磨きの手順
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舌の汚れの付き方を確認する
舌を出して、奥の方まで汚れの付き方を確認します。 -
舌の奥の方に軽くブラシを当てて、手前に動かす
舌を出して、鏡で確認できる部分だけ行うと良いでしょう。ブラシを当てる位置が奥すぎると、嘔吐反射が出やすくなる原因につながります。
奥から手前にやさしくブラシを動かしましょう。ゴシゴシとブラシを行ったり来たりさせるのではなく、奥から手前の方向に動かして舌の汚れを除去します。 -
ブラシについた汚れを落とす
ブラシに付着した汚れを水道水で落としてから、もう一度清掃を行います。ブラシの汚れの付き方を確認し、汚れがあまり付かなくなってきたら舌磨きを終了します。
舌磨きに使う舌ブラシの選び方
舌のケアは、舌の奥の方から行いますので、舌の奥側に届きやすいものを選ぶことが大切でしょう。
毛のついたブラシのようなタイプと、毛のついていないヘラのような形状のものも販売されていますが、毛が付いているタイプは、毛に弾力があって細かいものがおすすめです。
さまざまなタイプの舌ブラシが販売されているので、自分の使いやすいものを見つけると良いですね。
嘔吐反射を防いで舌のケアを行うには?
舌のケアを行うと、えづいてしまう・オエッと吐きそうになってしまうという人も少なくないでしょう。嘔吐反射の起こりやすさは個人差がありますが、嘔吐反射が強い人は舌磨きや歯磨きで気持ち悪くなってしまいます。
嘔吐反射が起こりやすい場合には、舌磨きをする際に数秒間息を止めると良いでしょう。嘔吐反射が起こりにくくなります。
【歯ブラシ】を使った舌清掃の方法
歯ブラシで舌磨きを行っている人も多いでしょう。しかし、むやみにゴシゴシ磨いてしまっては、舌の粘膜に負担をかけてしまいます。
力を入れて磨いたからといって、舌の汚れが効果的に除去できるわけではありません。舌に負担をかけないように慎重に行うことが大切です。また、舌磨きの際には歯ブラシの毛のかたさが柔らかめのものを選ぶのがよいでしょう。かための歯ブラシを使用している場合には、力を入れすぎないように注意が必要です。
- 鏡で舌の汚れを確認する
舌の汚れの付き方を鏡で確認しましょう。 - 舌の奥側から前方に歯ブラシを優しく動かす
奥の方から前方に向かって歯ブラシを動かします。同じ箇所に何度も歯ブラシを当てないようにし、磨くというよりも撫でる感覚で行うようにしましょう。 - 歯ブラシに付いた汚れを除去しながら舌磨きを行う
舌ブラシを使用する時と同様に、ブラシに付いた汚れを水道水で洗い流しながら行います。汚れが気になるとは思いますが、やりすぎには要注意です。
歯磨き粉を使った方が効果的?
舌磨きを行う時は、歯磨き粉・歯磨き剤は使用しません。歯磨き粉の刺激によって、舌に負担をかけてしまう可能性があるからです。
【綿棒】で舌の汚れを取るという方法も
綿棒はクッション性があり、舌に負担をかけずに舌清掃ができるというメリットがあります。水で濡らした綿棒で軽く舌の汚れをふき取ります。使い捨てなので、衛生面も安心でしょう。
歯ブラシや舌ブラシで、力を入れすぎてしまうという人は、綿棒を使ったケアの方が舌に負担がかからないかもしれません。
また、綿棒の他、目の粗いタオルを使って汚れをふき取るのも良いでしょう。自分が取り入れやすい方法を選ぶと良いでしょう。
舌をゴシゴシ磨くことの悪影響
舌磨きで舌をゴシゴシと力を入れて磨いてしまうと、舌を傷付けてしまいます。舌の表面には、舌乳頭という突起物が多数ありますが、ゴシゴシと力を入れて磨いてしまうと舌乳頭が取れてしまうこともあります。
舌乳頭は、一度取れても再度出てくるものなのですが、舌がヒリヒリしたり、味覚に悪影響を及ぼしたりしてしまいます。
先にもありましたが、舌苔が全くないのも良くありません。舌磨きは適度に行うことが大切でしょう。
「舌磨きをどこまでやって良いのかわからない」という場合には、舌苔がペースト状に取れなくなるまでと考えて良いでしょう。舌磨きをとことんやりすぎてしまうと、さまざまな悪影響が懸念されるので要注意です。
舌苔の味覚への影響
「味蕾(みらい)」という場所で味を感じますが、味蕾細胞の大部分は舌乳頭にあります。そのため、舌乳頭にダメージを与えてしまうと、味覚障害が起こる可能性があるのです。
舌はデリケートな部位であることを意識して、慎重に舌ケアを行うことが大切でしょう。
舌に付着する汚れの予防法
舌苔が付きやすい人もいれば、そうでない人もいますが、その理由は明確になっていません。舌磨きだけでなく、歯磨きをしっかり行い、細菌の繁殖を防ぐために口の中の細菌を減らしておくことが有効でしょう。
また、口の中を清潔に保つためには、口腔内の唾液の分泌を促進することが大切です。唾液の分泌を促進する唾液腺マッサージ、水分摂取、ストレス解消などが有効でしょう。
アルコールの過剰摂取や喫煙は、唾液分泌を抑制しやすいため注意が必要でしょう。
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