牛乳で口臭を予防しよう!どんなニオイに効果的?
口臭に悩む方におすすめされる飲料として、しばしば挙げられるのが「牛乳」です。牛乳による口臭予防については古くから生活の知恵として浸透していることから、中には既に意識して牛乳を飲んでいる方も多いことでしょう。
しかし、牛乳に口臭予防の効果があるのは一体なぜなのでしょうか。
実は牛乳にも、口臭の原因によっては消せるニオイと消せないニオイがあるのです。
今回は、牛乳と口臭の関係を解説していき、より牛乳の口臭予防効果を高めるために知っておきたいポイントについて触れていきます。
牛乳で口臭は消せる?
牛乳は口臭に効果的と言われていますが、全ての口臭に効果があるというわけではなく、消えるニオイとそうでないニオイが存在します。
では、牛乳でニオイを消せるものと消せないものの違いとは一体何なのか、詳しく整理していきましょう。
牛乳でにおいを消せるもの
牛乳によってにおいを軽減できるのは、香りが強いニンニクや長ネギ、あさつき、ニラ、タマネギといった食材によるものです。そのため、これらの野菜が多く含まれる焼き肉やキムチ、餃子といったメニューにも一定の消臭効果を発揮してくれます。
これらの食材には、強いニオイの成分である「アリシン」が共通して含まれています。
アリシンはニンニクやネギ、ニラ、タマネギなどに含まれる香気成分で、これらの食品を調理することによって「アリイン」という物質が「アリイナーゼ」という酵素と結合することで発生します。
その独特の強いニオイが特徴的である一方で、疲労回復や生活習慣病や感染症の予防効果、殺菌効果などといった健康面における効果も高く評価されている成分です。
アリシンはタンパク質と結合しやすい特徴を持っていることから、アリシンを含む野菜を摂取した後に牛乳を飲むと、アリシンは牛乳に豊富に含まれるタンパク質により包み込まれ、体内に消化吸収されにくくなり、その結果、口臭を軽減してくれるのです。
食べる量などによって個人差はあるものの、アリシンを含む食材、特ににんにくを食べたあとのにおいは約16時間も続くと言われています。
最近ではニオイの少ないニンニクなども販売されていますが、翌日に響くような強烈なニオイを残さないためにも、軽減できるニオイであれば手軽に牛乳で予防しておきたいところですね。
牛乳ではにおいを消せないもの
残念ながら、牛乳の消臭効果は必ずしも万能ではなく、基本的に牛乳で口臭を消せるのは、アリシンを含むニオイの強い食材によるものだけです。
以下の原因による口臭については、牛乳の口臭予防効果は期待できないので注意が必要です。
アルコールによる口臭
まず、牛乳で消せない口臭として挙げられるのが、アルコールによるニオイです。
「牛乳を飲むことで胃に膜を張る」という表現を耳にすることも多いのですが、牛乳により膜ができた後に水分を摂れば、その膜は洗い流されてしまいます。
そのため、アルコールによる口臭の予防効果のほどは定かではないというのが実情なのです。
ただし、牛乳を飲むことで胃に直接かかる負担を減らす作用や、牛乳に含まれるタンパク質が肝臓のアルコール分解の働きを助け、酔いを抑える効果は高いと考えられています。
これらの効果を期待するのであれば、お酒に酔いやすい方は事前に牛乳を飲んでおくと安心ですね。
病気による口臭
いくら牛乳に口臭予防に効果があるとしても、歯周病や虫歯、ドライマウスなど、口の中の病気が原因で発生している口臭には効き目がありません。
また、同様に何らかの身体のトラブル、蓄膿症や咽頭炎、さらには胃腸の疾病や糖尿病などの呼吸器系、内臓系の疾患から発生する口臭にも、牛乳は何の効果も期待できません。
こういった病気が原因で引き起こされる病的口臭は、その病気の根本的な治療こそが口臭を防ぐための最優先事項となります。
牛乳を飲んでもなかなか口臭が改善されない方、口臭以外にも気になる症状があるという方は、重大な疾患が隠れている可能性が考えられます。
早めに病院を受診し、自分の口臭の本当の原因はなんなのかを突き止めましょう。
口臭を消したい場合に牛乳を飲むベストタイミングは?
牛乳の口臭予防効果は、アリシンを多く含むニンニク料理などを食べる際に発揮されるということですが、では、そのニオイを消すためには牛乳をいつ飲むのが効果的なのでしょうか。
口臭予防として牛乳を飲む際、最も消臭効果が高いとされるベストなタイミングは、ズバリ食前か食事中です。
食べ物が消化される前に、食事の合間に牛乳を合わせて飲むことが、口臭を軽減させる絶妙の機会なのです。
また、食べ物の内容や量にもよりますが、体内に送り込まれた食べ物が消化に必要とする時間よりも早く牛乳を飲まないと、ニオイの原因であるアリシンは既に身体の中に吸収されてしまい、口や体から出るイヤなニオイを止めることはできないということになります。
そのため、食後に牛乳を飲む場合は、少なくとも1時間以内を目標にするのがベストです。
食前や食後の効果については諸説あるようですが、食事の時間にできるだけ近いタイミングで飲むことが効果的と言えます。
牛乳を飲むと舌が白くなるけど、口臭の原因にならない?
「いちごやメロン味のかき氷を食べたあとに、舌がシロップ色に染まった」という経験がある方も多いことでしょう。
牛乳を飲んだあとに舌が白くなってしまうのが気になるという方は少なくありませんが、これは舌の表面の突起(舌乳頭)に牛乳の成分が付着することによるものです。
牛乳に限らず、カレーやコーラなどといった色素が強い飲み物や食品を口にすると、舌は一時的にその色に染まりますが、これはあくまでも一時的な現象で、すぐに口腔内に分泌される唾液により洗い流されます。
ただし、牛乳を飲んでもいないのに舌が白っぽく濃いような汚れがついている場合、過剰な舌苔(ぜったい)が付着している可能性があります。
舌苔は細菌の塊ですから、舌ブラシなどを使ってこまめにケアしないと口臭を発生させてしまいます。舌苔が気になる方は、必要に応じて舌苔除去を行い、口臭を予防しましょう。
牛乳が口臭の原因になることも!
上述のとおり、牛乳はアリシンを多く含むニンニクやネギ、タマネギ、ニラなどのニオイ消しに効果を発揮してくれる飲料です。
しかし、「ニオイが苦手で牛乳が飲めない」という方も多いように、牛乳自体も独特のニオイを持っています。そして、牛乳自体が口臭を発生させる原因につながる場合があるのです。
牛乳を含む乳製品は口臭の原因に
牛乳をはじめとするチーズやヨーグルトなどの乳製品を食べると、口腔内の細菌が乳製品に含まれる硫黄を豊富に含むタンパク質を分解し、ニオイの原因となる成分を生成し、その成分が口臭の原因となることがあります。
舌の手入れ直後の飲用にも注意!
舌苔の除去、つまり舌のお手入れのあとは唾液が出にくく、舌はとても過敏な状態になっています。
舌が過敏な状態で牛乳を飲むと、牛乳の成分が舌の表面に大量に付着します。牛乳には硫黄化合物や窒素化合物が含まれていますので、飲んだ直後は口臭がキツくなってしまいがちです。
口臭予防のつもりが、牛乳を飲んだ後のケア不足が原因で口臭を悪化させてしまっては本末転倒です。
乳製品自体が口臭の原因になりうることも考慮して、タンパク質が豊富な乳製品を食べたり飲んだりしたあとには、歯磨きや軽く口をすすぐなどの口腔ケアも忘れずに心掛けましょう。
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