歯石が原因の口臭はどんな臭い?予防法と対策は?
歯石は細菌のすみかです。歯石が付いているだけでは痛くもかゆくもありませんから、それほど面倒なものだと認識していない人も多いでしょう。
しかし、歯石を放置しておくと、歯周病の原因になるのはもちろん、口臭が強くなる原因となるため注意が必要です。
歯石が原因の口臭は、ひどくなると強烈になることも…
口の中の健康のため、口臭予防のため、定期的に歯石除去を行うことが大切です。
そもそも、歯石の原因って何?
歯石とは、磨き残しとなったプラーク(歯垢)が、時間が経過して固まったものです。プラークが石灰化すると、歯石となって固く歯にくっついてしまうのです。
歯磨きを毎日行っている人は多いですが、しっかり磨けていない人も少なくなく、歯石ができることは珍しいことではありません。
プラークとは違って、歯ブラシで取り除くことができませんから、歯科医院を受診して専用の器具で除去してもらう必要があります。
歯石で口臭が強くなる2大原因
歯石は石のように固くなっていますから、ニオイの原因にならなそう…と思っている人も多いようです。しかし、歯石はプラークと同様に、口臭の原因となります。
1.歯石でプラークが付きやすくなる
歯石が付着していると、歯の表面がでこぼこになってしまうため、汚れや細菌が付きやすくなってしまいます。また、細菌が付着することで、口臭が強くなるだけでなく、歯周病や虫歯などのリスクを高めてしまいます。
また、歯石は「石」といっても、スカスカで軽石のような形状をしています。そのため、歯石の中にも細菌は存在します。歯石を除去することによって、歯石の外側に付着している細菌、歯石の中に存在している細菌を除去することができ、口臭を軽減できるでしょう。
2.歯周病のリスクを高める
歯石が付着していると、歯周病のリスクが高まります。細菌は、歯と歯茎の境目に付着した歯石をつかって、歯肉の奥へと侵入していくのです。
歯周病は歯を失う原因となる歯肉の病気ですが、それだけでなく、全身疾患にも悪影響を及ぼすことがわかっています。さらに、歯周病は口臭がきつくなる原因となるため、口臭予防の観点からも、歯周病予防を行うことが大切だと言えるでしょう。
歯石が原因の口臭はどんな臭い?対策方法は?
歯石が原因で口臭が強くなるのは、歯石に付着したり、歯石内に存在したりしている細菌が原因です。細菌が作り出すガスによって、口臭がきつくなってしまうのです。
口の中に存在する細菌の種類は500種類以上と言われていますが、硫化水素やメチルメルカプタンといった悪臭を放出する細菌も存在し、息が臭くなってしまいます。
硫化水素は腐卵臭、メチルメルカプタンは腐った玉ねぎのようなニオイがします。
歯石が原因の口臭は、細菌のすみかである歯石やプラークをしっかり取り除き、口の中を清潔にすることで対策できると言えるでしょう。
歯石を防ぐ方法
歯石の原因はプラーク(歯垢)ですから、普段の歯磨きでプラークを残さなければ、歯石ができてしまうこともないと言えます。
しかし、プラークを歯磨きだけで完全に除去することは困難です。磨き残しは誰にでもありますから、歯石が沈着してきてしまいます。一度歯石除去を行っても、数カ月もすれば歯石ができてきます。
歯石を防ぐためには、定期的に歯科医院でチェックを受け、歯石が付着している場合には除去してもらうことが必要でしょう。
歯石ができるまで
磨き残したプラークが短期間のうちに歯石に変わってしまうのであれば、頻繁に歯科医院で歯石除去を受けなければならないかもしれません。
しかし、プラークが石灰化して歯石になるまでには、2週間程度の日数がかかります。
歯石除去の頻度はどれくらい?
「じゃあ、歯石取りの頻度はどのくらいなの?」と思う人も多いかと思いますが、歯石除去を受ける頻度は、ブラッシングの仕方・歯磨きが上手くできるかどうかによって違ってくると言えるでしょう。
3ヵ月に1度の頻度が適している人もいれば、6ヵ月毎に行うのが適している人もいます。適切な頻度は個人差があるため、歯科医院で相談すると良いでしょう。
磨き残しになりやすい場所は要注意!
磨き残しが多い箇所として、歯と歯の隙間や歯と歯茎の境目、被せ物をしている歯(被せ物と歯の隙間)が挙げられます。
被せ物をしている歯は、治療してから時間が経過するほど、冠と歯に隙間ができやすくなります。
磨き残しになりやすい箇所は、特に歯石ができやすい箇所と言えますから、特に注意して丁寧にブラッシングすることが大切でしょう。
下の前歯の裏側は歯石ができやすい
下の前歯の裏側は、特に歯石ができやすい箇所と言えます。手前の歯ではありますが、裏側は歯ブラシが届きにくく、近くに唾液腺があることで、歯石が付着しやすいのです。
歯ブラシのかかとを使って、丁寧に磨くことが大切でしょう。
補助用具を活用しよう!
歯ブラシだけでは、歯と歯の隙間など歯ブラシが届きにくい箇所のプラークを完全に落とすことはできません。そのため、歯間ブラシやデンタルフロスといった、補助清掃用具を使用することが推奨されています。
歯間ブラシやデンタルフロスを適切に使用することによって、効果的に汚れを除去し、歯石を予防することができるでしょう。
また、デンタルフロス・歯間ブラシには種類がありますし、歯間ブラシは複数のサイズに分かれています。自分に合ったものを選ぶことも必要です。
正しい使い方や選び方が不明な場合には、歯科医院で相談すると良いでしょう。
歯石を自分で取るには?
歯石は歯に強く付着しているため、歯ブラシで除去することはできません。歯科医院で「スケーラー」という専用の器具を使って除去してもらう必要があります。
ネットなどでスケーラーは売られているのですが、自分でスケーリング(歯石除去)を行うことは、歯や歯肉を傷つける可能性があるため安全とは言えません。歯石取りは自分で行わず、歯科医院で受けることをお勧めします。
また、歯石除去やクリーニングで受診することは、歯石を取ってもらうことができ、口の中が清潔になるだけでなく、虫歯や歯周病などの病気の早期発見にもつながります。
歯石を取れば口臭がなくなる?
「スケーリング(歯石取り)を受けたら口臭がなくなった」という人もいれば、そうでない人もいるでしょう。歯石以外に原因がある場合には、歯石取りを行っても口臭が改善されない場合もあります。
しかし、口臭の原因の大半は口の中にあるとされていますので、歯石以外の原因がないか、歯科で相談すると良いでしょう。中には口臭外来を設けている医院もありますので、歯石取りを受けるだけでなく、口臭について相談すると良いでしょう。
恥ずかしくて口臭について相談しづらいという人も少なくないようですが、自分に合った口臭対策が必要であるため、早めに相談して適切な治療を開始することが大切でしょう。
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