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    口臭がひどい原因は病気の可能性も!治療法と予防対策

    口臭がひどい原因は病気の可能性も!治療法と予防対策

    口臭がひどい症状は、原因となる病気の治療が最も重要です。歯周病やドライマウスなどひどい口臭の要因となる6つの疾患について、治療法や予防方法を解説していきます。

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  • 更新日:2016年02月10日

口臭がひどい原因は病気かも?治療/予防法

なかなか自分では気づきにくいのが口臭。しかし「ひどい口臭で周りの人に迷惑をかけていたとしたら…」と考えると、スメルハラスメントとなる前にどうにか対処したいものですよね。

あまりにも口臭がひどい場合、もしかするとその原因には何らかの病気が隠れている可能性も考えられます。
今回はひどい口臭の原因となる6つの病気と治療法/予防法について詳しくご紹介します。

口臭がひどい原因となる6つの病気と治療法・予防法

口臭がひどい原因となる6つの病気と治療法・予防法

一口に口臭といっても、その種類は様々です。

どんな人にでもあるとされる生理的口臭は、唾液の分泌が減少することで起こり、空腹状態や起床したばかりのとき、緊張を感じているときなどに強まる傾向があります。
歯みがきなどの口腔ケアや食事、会話などによりにおいは弱まってくるので、特に治療を要するものではありません。

生理的口臭と同様、タバコやアルコール、ニオイの強い食品などによって発生する飲食物や嗜好品による口臭も、時間が経過すれば次第に薄れていくため、治療の必要はないとされています。

そして、治療を要するひどい口臭として注意したいのが、病的口臭と呼ばれるものです。
病的口臭の場合は虫歯や歯周病など、9割以上は口腔内に原因があるのですが、消化器系や呼吸器系、肝臓疾患などの要因による口臭も、この病的口臭に含まれます。

では、病的口臭の原因とされる6つの病気と治す方法について解説していきます。口臭がひどい場合には、以下の病気の可能性も疑っておきましょう。

1.歯周病

歯周病

歯周病は、数ある口臭の中でも最もそのにおいがきつく、口臭がひどい原因としても最も多い病気です。

歯周病になると、歯と歯茎の間(歯周ポケット)にプラーク(歯垢)という細菌の塊が感染して炎症を起こすのですが、当初はほとんど自覚症状がないまま進行します。
しかし、手遅れになると歯が抜け落ちてしまうといった重篤な症状を引き起こしかねない恐ろしい病気です。

プラークを放置すると石灰化して歯石となり、これによって歯周ポケットが深くなると、さらにプラークが溜まりやすくなって歯周病が悪化するという悪循環に陥ります。

治療方法

歯石はプラークと唾液によって作られますが、その表面はザラザラとしていて細菌が繁殖しやすい環境となっています。したがって、初期の場合はまずスケーリング(歯石除去)を行い、歯みがきでは取れない歯石を歯科の専門技術で除去します。

歯茎の中にまで歯石が及んでいる場合には、超音波などの専門器具を使ったディープスケーリングを行います。なお、この治療法は歯周ポケットが4mm以下であることが目安となります。

相当に歯周病の症状が進行し、5mm以上の歯周ポケットができてしまっている末期状態では、歯茎を切開して歯石を除去する歯肉剥離掻爬術(しにくはくりそうはじゅつ)が施されます。
歯の周辺の骨が極端に減ってしまっている場合には、歯肉剥離掻爬術と並行して、人工の骨や特殊なタンパク質などを注入する歯周組織再生療法が行われます。

予防策

歯周病の原因となるプラークは食事のたびに付着するため、基本的な歯磨きによるケアはもちろん、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使って除去するようにしましょう。
プラークを落としきれずにできてしまった歯石は歯科で除去してもらうなど、定期的な歯科検診によるメンテナンスも重要となります。

2.虫歯

虫歯

プラークの付着を放置してできた虫歯が進行すると、歯が溶けて穴が空いたり神経を腐らせたりします。
虫歯の穴に食べカスなどが溜まると、それらは発酵して口臭がひどい状態となる大きな要因となります。神経が腐ってしまうまで進行すると、その口臭はさらに強烈なニオイを発してしまいます。

治療方法

虫歯による口臭の場合、なによりも医院におけるむし歯治療が最優先となります。
初期であれば治療も簡単ですが、神経まで及んでいると口臭もさることながら治療期間も長くかかってしまいますので、虫歯の自己チェックの他、歯科検診で定期的にメンテナンスを行いましょう。

予防策

虫歯の予防は、日常的な歯の手入れが最も効果的です。虫歯菌は唾液が減る睡眠時に活発になりますので、就寝前の歯磨きは特に大切です。
歯ブラシだけでは落としきれない汚れは、歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使って丁寧に落としましょう。

3.舌苔

舌苔

舌の表面に付着している白っぽい苔状のものは、舌苔(ぜったい)と呼ばれるもので、食べかすが舌に残ることや口呼吸、または唾液の減少などによって口の中が乾燥し、汚れがこびりつくことなどが原因となって発生します。

この舌苔はうっすらとついている程度であれば問題はないのですが、過剰に厚くついていると口臭がひどい症状を引き起こす場合があります。

治療方法

舌苔の量が過剰な場合は、舌ブラシやガーゼなど舌苔除去専用の清掃器具を使い、丁寧に除去していきます。
舌の表面は非常にデリケートで傷つきやすいため、歯ブラシなどでゴシゴシと擦らず、1日1回、起床時に清掃を行うと良いでしょう。
できるだけ舌を傷つけたくない方は、上アゴに舌をこすりつけて除去する方法も簡単なのでおすすめです。

予防策

舌苔の予防は、日常的に鏡などで自分の舌の状態(色)をこまめにチェックすることです。

健康な状態であれば、舌は薄いピンク色で、薄く白い舌苔がついています。舌苔の量が過剰で口臭が気になる場合は除去を行いましょう。
ただし、舌苔はその全てが悪いものではなく、舌を保護する重要な役割も担っています。完璧に除去しないように注意しましょう。

また、ハチミツには、舌苔を殺菌する効果を持つプロテアーゼという酵素が含まれています。日頃から手軽に舌苔予防を行いたいという方は、はちみつを舐める方法も効果的です。

4.ドライマウス

ドライマウス

慢性的に唾液の分泌が少なく、常に口の中が渇いてしまうドライマウス(口腔乾燥症)も、口臭がひどい原因につながります。また、口臭だけでなく、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。

ドライマウスになってしまう原因は様々ですが、主な要因としては口呼吸糖尿病、高血圧といった生活習慣病、強いストレスなどが挙げられます。

治療方法

原因が口呼吸である場合には鼻呼吸を意識することが一番ですが、歯並びなどに原因がある場合にはマウスピースなどによる矯正治療が必要になることもあります。
生活習慣病が原因であれば、その病気の治療に専念することとなります。

予防策

アメやガム、マウスウォッシュなどの使用や、できるだけ咀嚼回数を増やし唾液の分泌を促進させるなど、日常的に口の中を清潔かつ潤いを保つことが予防の第一歩です。
ストレスや緊張は唾液の分泌を減らしてしまいますので、気分転換できる発散方法やリラックス方法を見つけましょう。

5.口腔ガン

口腔ガン

舌ガンや頬粘膜ガン、歯肉ガンなど、口腔内のガンが原因で口臭を発生させることがあります。発症率は全体の割合として1~3%程度で、直接見ることが可能な患部であることから、比較的早期発見されやすいと考えられます。

頬や舌にしこりを感じる、あるいは粘膜に白斑や潰瘍などの症状が見られ、原因としては様々なものが想定されていますが、第一には喫煙と飲酒が挙げられます。
また、虫歯や歯石、治療によって装着された金属などがひっかかり、常に舌や歯茎を傷つける状態でいることも原因と考えられています。

治療方法

口腔ガンに限らず、あらゆるガンは早期発見が最も重要です。
治療は基本的に外科的手術となりますが、切除の範囲が広くなってしまうと機能障害の恐れがあるため、状況に応じて化学療法やレーザー治療を併用します。

予防策

口腔ガンの原因の多くが飲酒と喫煙である限り、それらを控えることが予防対策としてとても重要です。
特に、非喫煙者と比べると、喫煙者の口腔ガンの発症率はなんと約7倍と言われています。禁煙に努め、日常的に口の中を清潔に保ちましょう。

また、口の中の異変を早期発見するためにも、定期的に歯科を受診することが大切です。被せ物や入れ歯などが合わない場合も、そのまま放置することのないようにしましょう。

6.のどや鼻の病気

のどや鼻の病気

「咽頭炎」「副鼻腔炎(蓄膿症)」など、のどや鼻の病気に罹っていると、タンパク質を含んだ血液や膿が鼻から口の中に流れ込み、ひどい口臭を発生させます。

咽頭炎の原因はウイルスや細菌の感染、副鼻腔炎の場合は風邪症状からの炎症の広がりや花粉症やアレルギーによるものです。

治療方法

咽頭炎は抗生剤の投与やうがい、蓄膿症はマクロライド系抗生物質の少量長期投与および手術的な治療を行います。
いずれにしても、原因が鼻やのどにあると判明した時点で、耳鼻咽喉科を受診する必要があります。

予防策

それぞれの発症原因となるウイルスや細菌から身を守るために、外出時にはマスクを着用すること、手洗いとうがいを徹底的に習慣づけましょう。

根本原因を治すことこそが先決!病気治療で口臭対策を

口臭がひどい症状が病気によるものの場合、タブレットやサプリなどに頼ってもその効果は一時的なものです。まずは根本的な病気の治療が最優先となります。

また、口臭がひどい原因として、口の中や鼻、のど以外にも疾患がある可能性も考えられます。
糖尿病では果物が腐ったような甘酸っぱさのあるアセトン臭(ケトン臭)が出たり、胃潰瘍や胃炎などの場合もイヤな臭いが発生したりする場合があります。
口臭の原因が口や鼻などにないとわかったときには、できるだけ早めに専門医を受診してくださいね。

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