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    歯ぎしりしてしまう理由と治療法/歯周病/口臭の悪化も!

    歯ぎしりしてしまう理由と治療法/歯周病/口臭の悪化も!

    歯ぎしりをしてしまう理由はストレス、歯並び・噛み合わせなどが挙げられます。放置していると歯だけでなく歯茎にまで負担をかけ、知覚過敏や歯周病につながる可能性も…。

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  • 更新日:2016年04月01日

なぜ歯ぎしりをしてしまうの?その理由と治療法

皆さんは、眠っている人がゴリゴリ、キリキリと歯を鳴らすのを聞いたことがあるでしょうか?無意識のうちに歯と歯を強い力で摺り合わせるこの行動を「歯ぎしり」と言います。なぜ歯ぎしりをしてしまうのか、その理由や治療法、病気との関連性について見ていきましょう。

歯ぎしりの基礎知識

歯ぎしりの動作は別称「ブラキシズム」とも呼ばれており、無意識のうちに歯と歯を摺り合わせる動作全般を指します。最近では眠っている間に起きる歯ぎしりに限らず、起きているときに歯と歯を強く食いしばることなども含めて「歯ぎしり」と定義されています。

歯ぎしりは、主に以下の3つに分類されます。

  • 上下の歯を強く摺り合わせる「グラインディング」
  • 上下の歯を強く食いしばる「クレンチング」
  • 上下の歯をカチカチと噛み合わせる「タッピング」

ゴリゴリ、カチカチと音を立てることだけを歯ぎしりと呼ぶのではなく、クレンチングのように音がしない歯ぎしりもあるということが分かります。
では、これらの歯ぎしりはなぜ起きてしまうのでしょうか。

歯ぎしりする理由・原因は?

歯ぎしりをしてしまう理由ははっきりとは解明されていませんが、考えられる歯ぎしりの原因として、主に次の2つが挙げられるとされています。

1.歯並びや噛み合わせ

歪んだ歯並び

もちろん、歯並びの良い方や噛み合わせに何ら問題のない方であっても歯ぎしりをすることはありますが、歯並びや噛み合わせが良くないと、上下の歯を噛み合わせたときに均一に力がかからず、部分的に噛み合っている歯に力が集中し、歯ぎしりを起こしやすくなります。噛み合っている歯が減ったり割れたりしやすくもなるため、症状が気になる場合は治療の必要があります。

2.精神的ストレス

転職や入学、引っ越しなどをきっかけに生活環境が急に変化したときや、辛い経験をしたときなど、ストレスを感じている状態には歯ぎしりをしやすくなる傾向があると考えられます。
特に強いストレスを感じているときには、歯ぎしりの症状も激しくなりやすく、自覚的に歯を噛み合わせるときには考えられないほど強い力がかかるために、歯の欠けやひび割れが生じたり、虫歯治療後の詰め物が取れたりすることもあります。

あなたは大丈夫?歯ぎしりをしていないかチェック!

自分が歯ぎしりをしているかどうかわからないという方は、次のような症状がないかチェックしてみましょう。

  • 食事の際などに噛むと痛みを感じる
  • 冷たいものや温かいものが歯にしみるようになった
  • 歯茎が痩せてきた
  • 歯にヒビが入っている
  • 虫歯治療跡の詰め物やかぶせ物が割れている
  • 顎に痛みを感じる
  • 肩のこりや、偏頭痛がするようになった/悪化した
  • 顔が大きくなった気がする
  • 歯茎に骨隆起がある

これらの症状は必ずしも歯ぎしりが原因で引き起こされるわけではありませんが、歯ぎしりが習慣化すると、歯が削れたり歯茎が炎症を起こしたりして、歯痛や知覚過敏をもたらすことがあります。
また、顎が痛くなったり、筋肉が偏って発達することで顔が大きく見えたりするのも、歯ぎしりによって無理な力がかかっていることが原因である可能性もあります。

歯ぎしりによる悪影響

歯ぎしりは、上下の歯を強く摺り合わせたり食いしばったりする動作です。そのため、歯の摩耗ヒビ割れ詰め物の破損といった歯のトラブルを引き起こしますが、その悪影響は歯に対するもののみにとどまらず、顔の筋肉歯周組織にまで強い刺激を与えてしまうほか、肩こり頭痛などの全身症状を引き起こす深刻な問題となります。

歯ぎしりは歯周病にも影響します

歯周病の歯

歯周組織のトラブルは知覚過敏の悪化原因にもつながるほか、無理な力がかかり続けることによって歯周病を発症し、最悪の場合、歯を抜かなければならない事態となる可能性も考えられます。

歯周病患者の方にはニオイのキツい口臭が症状として現れることが多く、その息からは「メチルメルカプタン」という強い悪臭を放つガスが高濃度で検出されることが分かっています。メチルメルカプタンは歯周病菌が生成するガスで、腐った玉ねぎのようなニオイを放ちます。

このように、歯ぎしりは歯周病の引き金にもなりかねませんので、「たかが歯ぎしり」と楽観視せず、積極的に治療を進めていくことが大切なのです。

歯ぎしりの治療法

歯ぎしりの厄介な点は、自分が歯ぎしりをしていることに自覚がない場合がほとんどであることです。
自分では気づかないうちに、歯と歯を極めて強い力(ものを噛むときの数倍から10倍ほど)で噛み合わせているのですから、気が付いたときにはかなり歯が磨り減ってしまっていた、顎に不調をきたしていたなんて事態にも陥りかねません。

家族や友人など、身近な人から歯ぎしり癖があることを指摘されたり、歯科検診などで歯ぎしりをしている可能性があると言われたりした場合には、歯科医師の指導のもと、その原因に合った治療を行っていく必要があります。

歯並びや噛み合わせが原因の場合の治療法

歯列矯正中の歯

歯ぎしりしてしまう理由が歯並びに関連している可能性が高いようであれば、歯科医師と相談の上、歯列矯正治療を受けるのもひとつの方法です。近年は子供だけでなく、大人も矯正治療を行うケースも増えてきています。

噛み合わせは虫歯や歯周病などの病気により、短い期間でも変化することがあります。噛み合わせの変化によって歯ぎしりが悪化する場合がありますので、定期的に歯科医院に通って検診を受け、虫歯や歯周病を早めに治していくことが大切です。

ストレスが原因の場合の治療法

リラックスする女性

ストレスが歯ぎしりの原因になっている場合は、リラックスできる趣味を持ったり、適度な運動をしたり、ゆっくりと入浴したりといった時間を持つことで、精神的な安らぎを得るようにしましょう。
また、しっかりと睡眠をとり、疲労を溜めこまない規則正しい生活を心がけることも、大変重要なことです。

原因がはっきりしない場合の治療法

歯ぎしりをしてしまう理由は明確になっていないため、歯並び・噛み合わせ・ストレスといった要因が歯ぎしりを引き起こしているのかどうか断言できないケースも少なくありません。
しかし、強い歯ぎしりを放置しておくと歯や歯茎を痛めてしまいますので、歯ぎしり用のマウスピースを使って歯と歯が直接噛み合うのを防ぎ、歯ぎしりの衝撃や摩擦を受け止め、歯や歯茎を守る措置が取られる場合もあります。

マウスピースはどこで購入できる?

マウスピースには市販のものも販売されており、これらはドラッグストアでも購入が可能です。
しかし、マウスピースの歯を覆う範囲や形が自分にぴったり合っていないと、歯ぎしりを治療するどころか、却って噛み合わせを悪くしたり、歯や歯茎を痛めたりする危険性もあります。

歯ぎしりによる歯へのダメージを最小限にするには、マウスピースを装着するべきかどうかも含めて、歯科医師としっかり治療の相談をすることはもちろん、必ず歯科医院で型取りしてもらい、自分に合わせて作られたマウスピースを使用することが大切です。

なお、マウスピースの作成費用などは歯科医院によっても異なりますが、およその相場としては、3割負担の保険診療内の場合は約5,000円前後、保険外の場合は10,000~30,000円程度です。
原因不明の歯ぎしりに悩んでいるという方は、まずは歯科医院を受診し、医師の指示を仰ぎましょう。

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