口臭が生臭い…考えられる原因と対策方法は?
人と会話をしていて、相手の口臭が生臭いと感じたことはありませんか?中には、自分の口臭が生臭いと感じ、ニオイが気になってしまって人との会話を楽しめないという方もいらっしゃるかもしれません。
今回は口臭が生臭いときに考えられる原因と対処法をご紹介します。原因を特定して、生臭い口臭を改善しましょう。
口臭が生臭くなる原因
口臭が生臭くなってしまう原因は様々です。生臭い口臭のほとんどは口の中にある原因により発生していますが、口腔内ではない別の部位の異常によるものである場合もあります。
具体的にどんな原因が考えられるのか、それぞれ確認していきましょう。
1.生理的口臭
生理的口臭は誰でも発生する口臭のことで、特に気にする必要はありません。
起床時や空腹時、緊張したときなどは、唾液の分泌量が減少し、口の中の細菌が増殖して口臭が発生しますが、これも生理的口臭に分類されます。
口腔内の細菌が古くなった細胞や食べカスに含まれるたんぱく質を分解すると、悪臭ガスであるVSC(揮発性硫黄化合物)が発生し、口臭が強くなります。VSCは硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの3種類のガスから成っています。
2.歯周病
歯周病は歯周病菌によって歯茎に炎症が起こり、悪化すると歯を支えている歯槽骨が溶かされて歯が抜け落ちてしまう恐ろしい病気です。歯周病は気づかないうちに進行してしまうことから「静かなる病気」とも呼ばれており、日本人の成人のうち、約8割がかかっていると言われています。
歯周病の口臭の特徴
歯周病の患者の息からは、生臭いニオイを放つメチルメルカプタンが高濃度で検出されます。これは、歯周病菌がメチルメルカプタンを作り出すからです。歯周病が進行するほどメチルメルカプタンは増え、口臭の生臭さが強くなっていきます。
3.膿栓
扁桃腺周辺のさらに奥、両側にあるコブのような部分には腺窩(いんか)と呼ばれるくぼみがあります。鼻や口から侵入してきた細菌やウイルスは、身体の免疫によって死滅し腺窩に溜まっていきます。このとき、陰窩にできる乳白色をした小さな塊を膿栓(臭い玉)と言います。膿栓は咳やくしゃみをしたときなど、自然に出てくることがあります。
膿栓は侵入した細菌やウイルス、白血球などが死滅した塊ですので、潰すと強烈な臭いを発します。また、膿栓を餌にして口の中の細菌が増殖すると、さらに口臭が強くなります。
4.病気
鼻や肝臓の病気にかかった場合にも、口臭が生臭くなることがあります。
蓄膿症は鼻の副鼻腔に炎症が起こり、細菌が繁殖して膿が溜まってしまう病気で、アレルギーや風邪、歯の炎症、ストレスなどが原因で起こります。この膿のニオイが生臭いために、呼吸と混ざることで口臭が生臭いと感じる場合があります。
さらに、蓄膿症は鼻が詰まって口呼吸になるので、口腔内が乾燥して細菌が増殖するために、さらに口臭が強くなってしまいがちです。
肝臓の病気で肝機能が衰えてしまうと、食べ物を消化する過程で発生したアンモニアを処理できなくなるため、その臭いが肺を通って呼気として排出されます。この臭いが生臭い口臭の正体である可能性も考えられます。
魚臭症(トリメチルアミン尿症)
口臭が生臭い原因は、魚臭症である可能性もあります。魚臭症は先天性の理由(遺伝)や肝機能の低下・障害が原因で、魚が腐ったような臭いを放つ「トリメチルアミン」という成分を分解する酵素が備わっていないために起こる病気です。
健康な方であっても、食べ物を消化するときにトリメチルアミンが発生しますが、トリメチルアミンを無臭化する分解酵素が働くので、口臭が生臭くなることはありません。
しかし、魚臭症の方は体内でトリメチルアミンが発生しても分解できません。その結果、トリメチルアミンが血液中に取り込まれた後、全身を巡って呼吸として吐き出されて口臭や体臭が魚のように生臭くなってしまうのです。
魚臭症の場合、口臭・体臭以外の症状は特にありませんが、ニオイによって仕事を続けることが困難になってしまうことも少なくありません。
子供やペットの口臭が生臭くなることも!?
赤ちゃんや子供の口臭が生臭くなる原因の多くは、口呼吸によるものです。また人間だけでなく、ペットにも生臭い口臭が発生することがあります。
子供や赤ちゃんの生臭い口臭の原因
赤ちゃんや子供の口臭の原因は、不十分な歯磨きや虫歯なども考えられますが、最も大きな原因は口呼吸です。テレビを見ているときや勉強をしているときなど、無意識のうちにポカンと口が開いて口呼吸になっている可能性があります。
また、口周りの筋肉が発達していないために起こるほか、蓄膿症や鼻炎など鼻の病気で鼻づまりになることで口呼吸をしてしまう場合もあります。
口呼吸になると口の中が乾燥し、細菌が増殖するので口臭が生臭くなります。子供の鼻がつまっていると感じたら、早めに耳鼻科を受診し、鼻水を吸引してもらうなどの適切な処置を受けましょう。
ペットの生臭い口臭の原因
ペットの口臭が生臭いのは、人間と同様、口の中に食べカスが残ったままの不衛生な状態になることで口臭が強くなっている、腎臓の病気、食べているエサの鮮度が落ちているなどの可能性が考えられます。
ニオイの原因は様々ですが、ペットの口臭が生臭く、歯の状態や病気が気になる場合は獣医に相談することをおすすめします。
口臭が生臭いときの対処法
生臭い口臭を改善するには、それぞれの原因にあった対策・治療を行うことが大切です。
1.生理的口臭の場合
生理的口臭は、口腔内の唾液の分泌量が減少することで発生します。食事中はよく噛んで食べ、こまめに水分を摂ることを心がけ、唾液の分泌を促しましょう。口が乾燥していると感じた場合には、ガムを噛むのも効果的です。
また、ストレスや緊張は唾液の分泌量を減らし、口の中をネバつかせてしまいます。ストレスを溜めないようにリラックスする時間を持ちましょう。もちろん、口腔内の衛生を保つために、毎日の歯磨きやデンタルフロスなどを使った歯間ケアもしっかり行うことも大切です。
2.歯周病の場合
歯周病は、歯科医院で歯石除去や歯周ポケットを洗浄してもらうことで改善されます。重度の場合は手術を行うこともあります。
歯周病は再発しやすい病気です。セルフケアで再発を防ぐだけではなく、治療が完了したからと受診をやめるのではなく、定期健診を受けて歯周病を予防することをおすすめします。
歯周病菌が増殖する時間帯
歯周病菌は唾液の分泌量が少なくなる就寝時に最も増殖すると言われています。夜寝る前の歯磨きで歯周病菌を少ない状態にして、朝の歯磨きで増殖した歯周病菌をしっかり除去しましょう。
3.膿栓の場合
膿栓は誰にでもでき、繰り返しできるもので、病気ではありません。膿栓があってもなかなか取れない方も多いですが、口の中を傷つける可能性がありますので、無理やり除去するのはおすすめできません。
膿栓を取ってくれる場合もあれば、除去せず放置しても問題ないと判断する医師もいますが、気になる方は耳鼻咽喉科で一度相談してみるとよいでしょう。
4.病気の場合
病気が原因で口臭が生臭い場合、病気を治すことが一番の口臭予防対策です。
蓄膿症の場合、慢性化すると治療期間が長引き、口呼吸が習慣化してしまいます。溜まった膿の臭いに加え、口呼吸により生臭い口臭が更に強くなります。耳鼻咽喉科を受診して治療を受けましょう。
肝臓の病気は肝機能の低下によって引き起こされますが、肝機能の低下は生活習慣によって引き起こされています。過度のアルコールや脂肪分の多い食事を控え、質の良い睡眠と適度な運動、ストレスを溜めないよう生活習慣での改善を心がけることが大切です。
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