• 口臭 原因

    臭鼻症の症状/原因/治療法!どんな臭い?何科を受診?

    臭鼻症の症状/原因/治療法!どんな臭い?何科を受診?

    臭鼻症の原因と治療法について詳しく解説します。臭鼻症の原因や治療法は見つかっていないため、対症療法が主となります。

この記事をシェアする

  • 観覧数:25035 Views
  • 更新日:2016年10月31日

臭鼻症とはどんな臭いがする病気?症状・原因・治療法

人と会話を交わしたときなどに、ふと相手の口臭が気になったという経験のある方は多いのではないでしょうか。そのような経験をすると、「もしかしたら自分も人から口が臭いと思われているのでは…?」と不安になってしまうことがあるかもしれません。

口臭には様々な原因があり、何をすれば臭いを根本的に解消できるのか、一概には言い切れないところがあります。例えば、「口が臭うと思い込んでいたところ、臭っていたのが実は口ではなかった」というケースも少なくありません。

口以外の部分が臭うケースとして、がニオイの原因となっていることがあります。
今回は鼻から臭いが発せられる「臭鼻症」について、一体どんな病気なのか、発症する原因や症状、治療法など詳しく解説していきます。

臭鼻症とは?

口以外の臭いの発生源はいくつか考えられますが、そのうちのひとつとして「鼻」が臭いの発生源である可能性も挙げられます。

鼻自体や鼻息が臭くなる病気に「臭鼻症」という病気があります。臭鼻症とは、自分の鼻が臭いと感じたり、鼻息が臭くなったりといった症状が現れる病気のことで、「萎縮性鼻炎」「鼻臭症」とも呼ばれます。
萎縮性鼻炎は、ニオイがあるかどうかにより「単純性萎縮性鼻炎」と「悪臭性萎縮性鼻炎」に分類されます。単純性萎縮鼻炎では粘膜にできるかさぶたが少ないために、ニオイを感じず症状も軽く、無自覚である場合が多いです。

臭鼻症の患者数はどれくらい?

臭鼻症は主に10代のうちに発症することが多く、40代以降の発症は稀であるとされており、男女比ではどちらかと言うと女性に多い病気と言われています。

昔に比べると、現在の臭鼻症の患者数はとても少なくなっており、診察を受けた場合でも気にし過ぎていると判断されることも多いです。
しかし、患者数が少ないということは、世の中で広く認知されているとは言いがたいということです。中には臭鼻症によるニオイによって職場や周囲との人間関係が上手くいかなかったり、精神的に追い詰められてしまったりと、深刻な問題を抱えている方も少なくありません。

臭鼻症に罹っている方が、単なる口臭と同じものとして軽視されてしまうということはとてもつらいことです。周囲の人間が臭鼻症という病気について深く理解することも大切なことと言えるでしょう。

臭鼻症の主な症状と原因

ニオイを軽減しようとするあまり、独自の判断で不適切なケアを続けると、却って臭鼻症の症状を悪化させてしまう危険性も考えられます。

自分の鼻息や口臭が気になるという方は、適切なケアを行っていく上で、「臭いの原因は口以外にある可能性もある」と知っておくことが必要です。臭鼻症が疑われる場合には、必ず専門医の指導のもと、適切な治療を受けるようにしましょう。

臭鼻症はどんな臭いになる?症状は?

腐った肉

鼻の中の粘膜がかさぶた状になって溜まり、これが腐敗したものが臭鼻症の臭いの発生源となります。そのため、肉の腐ったような臭いを発します。呼気とともに鼻の穴から臭いが放出されるので、周囲にも分かるほどの強い臭気を発することもあります。

また、鼻息そのものが臭気を帯びるために、患者自身は臭いに気づかず、周囲から指摘されて初めて臭いを自覚するといったケースも少なくありません。

臭鼻症のその他の症状としては、かさぶたによる鼻閉塞感(鼻づまり)や頭痛、嗅覚が鈍る、鼻からの頻繁な出血などが挙げられます。
さらに悪化すると、ニオイを感じることができない「無臭症」になるケースもありますので、早めに治療を受けることが大切です。

臭鼻症になるのはどうして?原因は?

鼻の奥は粘膜で覆われており、鼻腔内に入ってきた細菌を粘膜に付着させて体内への侵入を防いだり、鼻腔内に入ってきた空気に適度な湿気を加えたりと、保護する役割を担っています。
ところが、この粘膜が何らかの原因で乾燥し萎縮していくと、やがて「痂皮(かひ)」と呼ばれるかさぶたのようなものが溜まっていきます。この痂皮が鼻の中で腐敗すると、嫌な臭気を放つようになり、臭鼻症となるのです。

臭鼻症の原因は不明点が多いのが現状

鼻トラブル

臭鼻症の原因については様々な説があり、現在のところハッキリとしたことは分かっていないというのが現状です。
遺伝的なものや体質によるものとする説もあれば、ビタミンや鉄の欠乏やホルモンを生成する内分泌障害に原因があるとする説、免疫異常や細菌感染、自律神経障害など、様々な要因が考えられるとも言われています。

ちなみに、鼻が臭う病気には臭鼻症の他に「蓄膿症」があります。蓄膿症は風邪やアレルギーが原因で鼻の奥の副鼻腔に膿が溜まる病気のことであり、痂皮が溜まることで臭いを発する臭鼻症とは異なります。

臭鼻症と口臭の関係

臭鼻症を含む「臭い」に関する病気は、症状が感覚的なものによるため、自覚がないまま時間が経過していたり、反対に必要以上に臭いを気にしてしまったりということが起こり得ます。
臭いの元が口なのか鼻なのか、あるいはもっと別の部分なのか、患者自身では判別しにくいことも少なくありません。

臭鼻症の他に、鼻息が臭うように感じられる可能性がある原因として、次のような要因が挙げられます。

  • 食べカスや歯垢(口腔内の汚れの臭いが鼻へと抜けるため)
  • 虫歯や歯周病(口腔内の臭いが鼻へと抜けるため)
  • 膿栓(喉の奥から出る臭いが鼻へと抜けるため)
  • 内臓器官の病気(消化器官や肺から出る臭いが鼻へと抜けるため)

鼻や鼻息が臭う原因も様々です。呼気に異臭を感じたり人から指摘を受けたりした場合はむやみに自己判断せず、必ず専門医の指導のもとで診断を受け、原因を突き止めた上で適切な処置を受けることが大切です。

臭鼻症の治療について

現在、臭鼻症の根本的な治療法は確立されていません。そのため、臭鼻症の症状が重い場合、症状をやわらげたり臭いを抑えたりするための対症療法が主な治療となります。

他人と話すときなどに臭いが気になってしまうと、気持ちの面でも自信が持てず、萎縮してしまいかねません。
臭鼻症の治療を受けるにあたって、どのような病院を受診したらよいのか、どういった治療法があるのかを確認していきましょう。

臭鼻症は病院に行く必要がある?何科を受診すべき?

耳鼻咽喉科

臭鼻症になることで、鼻の組織が壊死したり悪化して潰瘍になったりすることはありませんので、必ずしも大急ぎで病院にかかる必要はありません
しかし、臭いがどうしても気になる程度のものであれば、症状を改善するためにも早めに病院を受診することをおすすめします。もし臭鼻症を疑って病院を受診するのであれば、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

臭鼻症は治る?

根本的な治療法が確立されていないため、根治するのは難しいと考えられます。しかし、鼻の奥に溜まる痂皮の形成を減らしたり、鼻腔内洗浄を行ったりすることで鼻腔内をできるだけ清潔にし、新たな感染を抑える処置がなされることがあります。
また、鼻腔内の乾燥を防ぎ、痂皮が溜まらないよう、ワセリンなど鼻用の保湿クリームやグリセリン点鼻薬を処方する医院も多いです。

なお、痂皮が溜まりやすい原因のひとつとして鼻腔が広いことが考えられるため、乾燥を防いでかさぶたが作られにくい状態にする目的として、骨や粘膜を移植して鼻腔を狭くする手術が行われることもあります。ただし、鼻づまりの症状が悪化してしまう可能性もあるため、頻度としては非常に稀な例と言えるでしょう。

この記事に関連する記事