膿栓の原因は何?臭い玉ができやすいのはどうして?
膿栓は口臭の原因となります。膿栓を潰した時のニオイは強烈であり、「臭い玉」「臭玉(くさだま)」という別名があるのも納得できるほどです。
口臭が気になることから、膿栓の存在を気にしている人も少なくないでしょう。しかし、膿栓は除去しても繰り返しできてしまいますから、根本の原因を取り除くことが大切でしょう。
膿栓の原因は?臭い玉ができるメカニズム
扁桃(扁桃腺)は、口から細菌やウイルスが侵入するのを防ぐ免疫機能を担っているリンパ組織です。扁桃には、陰窩と呼ばれる穴(くぼみ)が多数あり、この穴に細菌やウイルスを取り込むことによって、細菌・ウイルスの体内への侵入を防ぎます。
膿栓は陰窩に溜まった細菌やウイルス、白血球などの死骸が固まったものであり、大きなものでは5ミリもの大きさになります。
膿栓ができやすい人とそうでない人がいますが、陰窩(穴)の大きさや数、深さなどの違いによるものであり、個人差が大きいようです。
膿栓ができない人は免疫力が弱いということ!?
膿栓は口臭の原因となりますが、細菌やウイルスの体内への侵入を防ぐことによりできるものですから、免疫機能がしっかり働いている証拠とも言えるでしょう。
では、膿栓ができない人は、この免疫機能が働いていないからか、と言えばそうではありません。
膿栓は誰にでもできます。しかし、膿栓が陰窩に溜まったままになってしまう人もいれば、長く溜まらず排出される人もいます。
「膿栓ができたことがない」と思っている人も多くいますが、膿栓を知らないうちに飲み込んでしまっていたり、くしゃみなどで排出したりしているのです。
口呼吸の人は膿栓ができやすい!?
口呼吸には、ドライマウスや口臭、虫歯、歯周病を招くなど、さまざまな悪影響があります。さらに、口呼吸によって膿栓ができやすくなる可能性もあります。
鼻呼吸よりも口呼吸の方が、風邪を引きやすくなることはよく知られています。これは、鼻呼吸の人が鼻毛や鼻粘膜などのフィルターを通してから空気を吸い込むのに対して、口呼吸の人は鼻のフィルターを通すことなく、直接喉から吸い込むことが原因です。
口呼吸によって膿栓ができやすくなるのは、鼻のフィルターを通すことなく細菌やウイルスが喉に送られることから、扁桃が細菌やウイルスにさらされる機会が多くなるためです。
膿栓は誰にでもできますが、できやすい場合は注意して
膿栓は誰にでもできるものですから、膿栓ができやすいからと言って何らかの治療が必要になるとは限りません。
しかし、膿栓ができやすいことの影には蓄膿症や鼻炎、慢性扁桃炎などが隠れている可能性があるため、注意が必要でしょう。
先に、口呼吸の人は膿栓ができやすくなると紹介しましたが、口呼吸になる原因は、ただの癖ではなく、歯並び・鼻詰まり・口周りの筋肉の発達などが影響している場合があります。
口呼吸の弊害は多岐に渡りますので、口呼吸の原因を明確にし、鼻呼吸に変えることが大切でしょう。
膿栓とストレス・疲れとの関係
ストレスや疲れが溜まると、口臭が強くなりやすいです。この原因は膿栓だけでなく、唾液の分泌量が減少することも影響しています。
ストレス・疲れが溜まっている時に、膿栓ができやすいように感じる人も少なくないかもしれませんが、あまり気にせず、無理に除去しすぎないことも大切でしょう。
気になる場合には、リラックスする時間や趣味の時間を作るなど、ストレスや疲労を解消するように努めることも必要でしょう。
膿栓ができやすい人のための3つの対策方法
先にもありましたが、膿栓は誰にでもできます。ネットで検索すると、膿栓の取り方が多数紹介されていますが、自分で無理に除去することは、喉の粘膜や扁桃を傷つけてしまう場合もあるため注意が必要です。
膿栓を予防する方法として、次のような方法があります。また、気になる場合には、耳鼻咽喉科で相談すると良いでしょう。
1.うがいをする
口の中の汚れを除去することで、膿栓が作られるのを防ぐことができます。水でうがいするのも良いですが、緑茶を使用することでさらに効果を高めることができます。
緑茶に含まれているカテキンには、抗ウイルス作用や抗菌作用があり、膿栓を効果的に防ぐことができます。
2.ていねいに歯磨きをする
歯磨きを丁寧に行って口の中の汚れを除去することは、膿栓の予防につながります。
普段から毎日歯磨きを行っている人は多いのですが、大人にも磨き残しが多いようです。正しく歯磨きができていない人も少なくありませんから、磨き方を改めて見直してみると良いでしょう。
また、歯磨きの時間を十分に確保したり、歯ブラシの毛先が開いてきたら交換したりすることも大切です。
3.口の中を乾燥させない
口の中が乾燥すると、膿栓ができやすいとされています。口の中の乾燥を防ぐために、口呼吸から鼻呼吸に変えるのはもちろん、ガムを噛む・唾液腺のマッサージを行うなど、唾液の分泌を促進することも有効でしょう。
唾液の分泌を促進することは、膿栓の予防はもちろん、歯周病や虫歯、口臭の予防にもつながります。
膿栓が口臭の原因ではない場合もあります
膿栓による口臭に悩む人は少なくありませんが、口臭の原因となるのは、膿栓だけではありません。
適切な膿栓対策を行っても口臭が改善されない場合は、他に原因があるのかもしれません。
口臭の原因の多くは、舌や歯の汚れ(プラーク)、歯周病など口の中にあるとされています。膿栓ができていることが明確な場合には耳鼻咽喉科に相談すると良いですが、他の原因が疑われる場合には歯科医院で相談すると良いでしょう。近年は口臭外来を開設している医院も多く、口臭に関する専門的な検査を受けることも可能です。
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