ペパーミントの効能/摂取時の注意点・副作用は?
万人受けする清涼感のある爽やかな香りで人気のペパーミントは、歯磨き粉やハーブティー、チョコレートやアイスクリーム、ガムといった菓子類など、様々な食べ物の香りづけとしても使われているハーブです。
しかし、ペパーミントはただ爽やかな香りのするハーブというわけではありません。気分をリフレッシュさせる効果や花粉症の改善、美肌効果、虫除け効果、さらに口臭予防といった様々な効能を持つ便利なハーブなのです。
今回は、便利なペパーミントの効能について詳しくご紹介していきます。
ペパーミントってどんなハーブ?
ペパーミントは、シソ科ハッカ属に属する多年草植物です。国内では「セイヨウハッカ」とも呼ばれています。
ミント系のハーブは200種類を超えるほどたくさんありますが、そのうち、ペパーミントはスペアミント(オランダハッカ)とウォーターミントを交配させたハーブです。ペパーミントは成長すると草丈が30~80cmほどになり、夏には薄紫がかった白っぽい穂状の花を咲かせます。
ペパーミントの主な成分は、爽やかな清涼感を与えてくれるメントールやメントン、酢酸メチルなどの精油成分です。その他にもたくさんの成分が含まれており、その種類は1000種類以上とも言われています。
ペパーミントの原産地
ペパーミントの原産地はヨーロッパですが、暖かく湿度の高い地域で生育するため、現在では世界各地で栽培されています。
主な産地はフランスやイギリス、アメリカ、日本です。特にイギリスはペパーミントを栽培するには適した土地柄で、世界中で広く栽培されているペパーミントの中でも、特にイギリス産のものは品質がよいと言われています。
ペパーミントの用途
ペパーミントはミント系のハーブの中でも歴史の古いハーブで、古代ギリシャでは薬用として用いられていました。なお、ヨーロッパでは現代においても薬用として使用されています。
ペパーミントで活用できる部分は主に葉の部分で、チョコレートやアイスクリーム、お酒など様々な食べ物・飲み物の香りづけのほか、ハーブティーや歯磨き粉、サプリメント、エッセンシャルオイル(精油)としても使用されています。
ペパーミントは清涼感がありながら、ほのかな甘みを感じられるのが特徴です。
ペパーミントの効能
様々な有効成分を含んでいるペパーミントの効能について、詳しくご紹介します。
1.消化器系の機能をサポートする
ペパーミントには、食べすぎや飲みすぎによる胃もたれ、吐き気といった胃の不快感を解消し、消化機能を促進する作用があります。食後にハーブティーを飲むのもよいのですが、食前に飲むことで胃の不快感を予防することができます。
また、ペパーミントには鎮痙作用があり、胃痙攣による痛みを鎮めてくれる効果も期待できます。ストレスによるIBS(過敏性腸症候群)の症状の緩和にも効果的です。
2.気分をリフレッシュさせる
ペパーミントのスッとした爽やかな清涼感は、気分をリフレッシュしたいときにぴったりの香りです。勉強や仕事がはかどらないときに、ペパーミントの香りを嗅ぐと脳が活性化され、シャキッと集中することができます。
また、怒っているときなどに興奮状態を落ち着かせてくれる鎮静効果もありますので、イライラしているときにもおすすめの香りです。気分転換に香り高いペパーミントのハーブティーを飲んだり、ペパーミントオイルでアロマを焚いたりするのもよいでしょう。
3.美肌効果
肌は水分と油分のバランスがとれてこそ、きめの整った潤い肌になります。このバランスが崩れると、肌の乾燥や乾燥から肌を守るために逆に油分が多くなり、毛穴の黒ずみやニキビなどの肌トラブルを招いてしまいます。
ペパーミントには、肌の水分不足を防ぎ、過剰に分泌される油分を抑えてくれる働きがあります。水分と油分のバランスを保つことができるので、毛穴の広がりや黒ずみを予防することができます。また、殺菌・消毒作用もあるのでニキビにも効果的です。
4.虫よけ効果
ペパーミントに多く含まれるメントールには虫除け効果があります。蚊やハエといった虫以外にも、ゴキブリやアリ、ネズミなどにも効果を発揮して寄せ付けません。数あるミントの中でも特に、ペパーミントは優れた防虫効果を発揮すると言われています。
虫除け対策に使用する場合は、ティッシュペーパーやガーゼなどに数滴のオイルを垂らしたものを部屋の四隅に置いておくとよいと言われています。
また、スプレーボトルに水とエタノール、オイルを入れてよく混ぜたものは、虫よけスプレーとして利用することができます。
5.花粉症を改善する
ペパーミントに含まれているメントールには、血管を拡張させて血流を促進し、鼻粘膜の腫れを抑える作用があります。その他、ペパーミントの一成分であるルテオリンやミントポリフェノールには、アレルギーの原因物質を抑える抗ヒスタミン成分が含まれています。
これらの成分の作用により、花粉症の主症状である鼻水や鼻詰まりを改善することができます。
花粉症対策としてペパーミントを活用する場合は、ペパーミントのハーブティーを飲むのはもちろんですが、温かいお湯にオイルを数滴入れ、上がってくる蒸気を鼻で吸いこむ蒸気吸入法を行うと、詰まった鼻の通りがスムーズになるのでおすすめです。
ペパーミントは口臭にも効果があるって本当?
ペパーミントの爽やかな清涼感のある香りは、直接口臭の臭いに働きかけて爽やかな口臭にしてくれます。
また、殺菌作用により口臭の原因となる口腔内の細菌の増殖も抑えてくれるので、口臭予防に効果的です。
ペパーミントには消化器系の調子を整える効果があるため、胃腸が原因で発生する口臭を改善してくれる効果も期待できます。
胃腸が原因で発生する口臭は、消化不良などで胃腸の調子が悪くなり、食べ物が胃腸に残ったまま腐敗することで発生するニオイです。胃腸の調子が整うと胃腸で発生する悪臭は軽減し、口臭も強くなることはありません。
口腔内と胃腸の口臭原因に働きかけてくれるペパーミントは、口臭に悩む方の強い味方となるでしょう。
ペパーミントの副作用・摂取時の注意点
ペパーミントは様々な食べ物の香りづけとして使用されており、適正な量での使用についての安全性は問題ないとされています。
妊娠中・授乳中の女性へのリスク
妊娠中や授乳中であっても、適正量を守って摂取すれば問題はありません。ただし、ペパーミントには母乳の出を抑制する作用があるため、産後に摂取することは避けた方がよいでしょう。
経口摂取によるリスク
ペパーミントオイルを経口摂取した場合、胸焼けや吐き気、頭痛などの副作用が現れることがあります。
その他、「キャラウェイのオイルと一緒に摂取したところ、ゲップや吐き気、嘔吐などの症状を引き起こした」「ペパーミントオイルを配合した飴を摂取したところ、じんましんや嘔吐、意識障害などのアナフィラキシー症状を引き起こした」といったケースも報告されています。
皮膚粘膜への影響
ペパーミントは刺激の強いハーブです。過敏な方はペパーミントオイルの使用により皮膚や粘膜に負担を掛け、正しく希釈したものや化粧品に含まれる微量なものであっても肌が荒れてしまうことがあります。アレルギーの心配がある方は、必ずパッチテストを行った上で使用するのが望ましいでしょう。
摂取量・使用量や摂取方法によっては身体に害を及ぼす可能性もあります。摂取・使用する際には必ず適正量を守り、異常を感じた場合には早めに医師に相談しましょう。
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