めかぶの効果は口臭や体臭予防にも!6つの効能
めかぶ(和布蕪)はよくスーパーマーケットなどで見かける、ごく一般的な食材です。独特なぬめりと歯ごたえを活かして、三杯酢で和えたり、汁物に入れたり、納豆などと一緒に食べたりと様々な食べ方が楽しめますね。
実は、めかぶには血圧を安定させたり口臭を予防したりといった様々な健康効果があると注目されています。今回は知られざるめかぶの効果について詳しく解説します。
そもそもめかぶとは?
勘違いされがちなのですが、めかぶは「わかめ」の一部で、「めかぶ」という植物があるわけではありません。
味噌汁などに入っているわかめは食べやすい大きさに切られていますが、わかめそのものは長さ2メートルにもなる大きな海藻です。そのわかめの根元部分にあたる付着器(海底に付いて身体を支えるための部分)を「めかぶ」と呼びます。
生のめかぶを調理する際には軽く湯通しをしますが、このとき、めかぶの色は褐色から鮮やかな緑色に変化します。緑色になっためかぶは、適度な長さに切ったり刻んだりして料理に使われます。
処理に一定の手間を要することから、かつては捨てられていたこともあるようですが、現在はそのおいしさだけでなく、様々な健康効果があることが分かってきたことで、改めて健康食材として注目されているのです。
めかぶに含まれる成分
めかぶは栄養豊富で、ビタミンKやヨウ素、カルシウム、アルギン酸、フコイダン、フコステロールなど様々な成分を含んでいます。めかぶの成分が、それぞれどのような働きをするのかご紹介します。
ビタミンK
ビタミンKは出血した際の止血作用を向上させるとされています。また、丈夫な骨を維持するのにも役立つ栄養素とも言われています。
ヨウ素(ヨード)
ヨウ素は甲状腺ホルモンの主原料となる成分です。新陳代謝を促し、身体の抵抗力を向上させます。子供が摂取することで、成長ホルモンと一緒になって成長を促進する働きをするとも考えられています。
カルシウム
カルシウムは骨を作り、身体の調子を整えるために役立てられる、私たちの身体にとって大切なミネラル栄養素です。牛乳や小魚などに豊富に含まれていることで知られるカルシウムですが、めかぶにもカルシウムが含まれています。
アルギン酸
「海藻のネバネバが健康のためによい」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。アルギン酸は食物繊維の一種で、海藻のぬめり成分のうちのひとつです。免疫力を高めて、身体に有害なものを体外へとデトックスする作用があると言われています。
フコイダン
アルギン酸と同じく、フコイダンも海藻のぬめり成分のひとつです。海藻の身体が傷ついた場合の修復や感想を予防するために使われています。
この働きは人が摂取した場合にも有効で、免疫力をアップして細胞を元気にする効果が期待できます。
フコステロール
植物の細胞膜を作る成分の総称を「植物ステロール」と言います。その中でも特に海藻に多く含まれる植物ステロールがフコステロールです。
フコステロールは血圧を下げるのに役立つとともに、血液をさらさらにして血栓を防ぐ働きがあり、心筋梗塞や脳梗塞といった病気を防ぐ効果も期待できます。
なお、植物ステロールは過剰摂取すると便秘や下痢などの副作用が現れることがありますが、身体に吸収されにくいという特徴があるため、副作用を起こす可能性はとても低いです。
めかぶの効果
めかぶには、健康に役立つ様々な成分が含まれていますが、これらの成分を摂ることによって具体的にどのような健康効果が期待できるのでしょうか。
1.頭皮環境の改善
髪の毛が生えている表皮より下の部分を「毛根」と呼びます。毛根の一番下の膨らんだ部分を「毛球」と呼び、毛球の先端部分には毛乳頭があります。この毛乳頭を取り巻くように並んでいるのが毛母細胞で、髪の毛はこの毛母細胞が細胞分裂することによって作られ、伸びていきます。
めかぶにはぬめり成分である「フコイダン」が豊富に含まれています。このフコイダンには毛母細胞を活性化する働きがあります。つまり、髪の毛を作る細胞が元気に活動するようになることで、新陳代謝が活発になり、健康な髪が作られるようになるのです。
2.血圧の上昇を防ぐ
めかぶに含まれるフコステロールには、血圧を下げる働きがあることが分かっています。
フコステロールは細胞にカリウムを送り込む働きを間接的に助け、ナトリウムとカリウムのバランスを適性に保つのに役立ちます。
カリウムが不足すると細胞内でナトリウムイオンが増加し、血圧が上昇する原因になります。フコステロールが血中のカリウムとナトリウムのバランスをカリウム寄りに引っ張ることで、血圧の上昇を防ぐことができるのです。
3.便秘予防
めかぶには食物繊維が豊富に含まれています。食物繊維は腸の働きを活発にするとともに、腸内の不要物を絡め取り、排便を促進して便秘を改善してくれます。
4.身体の免疫力を上げる
めかぶのぬめり成分であるフコイダンは、身体にとって脅威となるウイルスや癌細胞を攻撃するリンパ球である「NK(ナチュラルキラー)細胞」の働きをサポートする効果があるとされています。免疫力を高めることで病気にかかりにくい身体になり、健康維持に役立つのです。
5.胃粘膜を保護する
めかぶのフコダインは、胃の粘膜をヘリコバクター・ピロリ菌という胃疾患の原因菌から守ってくれる効果があります。胃疾患の予防はもちろんですが、既に荒れてしまった胃の症状を和らげる効果も期待できるとされています。
めかぶは口臭・体臭にも効果が!
めかぶには、口臭や体臭を抑える効果もあります。どのようなメカニズムによって口臭や体臭を防いでくれるのでしょうか。
唾液の分泌を促進
口臭の主な原因として、口腔内で増えた細菌がガスを発生させることが挙げられますが、殺菌作用のある唾液が分泌されることによって、口腔内で細菌が増えるのを抑えることができます。
めかぶに含まれるアルギン酸はいわゆるぬめり成分で、口の中で咀嚼している際に、唾液の分泌を促進する効果があります。この働きによって、口臭を予防することができるのです。
臭い成分を包み込んで排出
めかぶにはアルギン酸やフコダインなどのぬめり成分が豊富に含まれており、独特な食感をもたらしています。このアルギン酸やフコダインには、身体の中で発生する悪臭のもととなる「アンモニア」を体外へ排出する働きがあります。結果、口臭や体臭の原因を元から抑える効果が期待できます。
手軽にめかぶを摂取するなら「めかぶ茶」もおすすめです
めかぶ茶とは、お湯にめかぶを入れたものをお茶に見立てた飲み物です。塩味が効いており、昆布茶と同じような感覚で飲むことができます。めかぶのぬめり成分であるフコイダンやアルギン酸は水溶性ですので、お湯に溶け出してネバネバとした舌触りになります。
めかぶ茶は低カロリーですがビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。健康に役立つめかぶの成分を効率よく摂取することができますので、とても手軽な摂取方法と言えます。
なお、めかぶ茶はお湯にめかぶを入れて自分で作ることもできますが、めかぶ茶として市販もされていますので、市販のものを利用するのもよいでしょう。
昆布茶と同様、お茶として飲むだけでなく、スープなどに利用することもできますので、料理のレシピに加えてみるのもおすすめです。
めかぶの食べ過ぎによる副作用は?
どんな食べ物にも言えることですが、様々な効果が期待されるめかぶも、やはり食べ過ぎは禁物です。
めかぶにはヨウ素(ヨード)が豊富に含まれています。ヨウ素は適量を摂取すれば健康効果が期待できるのですが、過剰摂取することで甲状腺の機能の低下や中毒症を発症する危険性があります。
毎日大量のめかぶを摂取するなどの極端な食べ方は避け、適量を心掛けて摂取するようにしましょう。
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