使った後のデンタルフロスが臭い原因・口臭との関係
デンタルフロスは、口の中を清潔に保つための有効なツールですが、使った後のデンタルフロスがなんだか臭い…そんな経験はありませんか?そのにおいが好きという人もいるようですが、口の中の健康や口のニオイとも関係しているため、改善が必要でしょう。
ここでは、使ったデンタルフロスが臭くなる原因や口臭との関係、正しいデンタルフロスの使い方などを詳しく紹介しています。
口が臭いからデンタルフロスが臭い?原因は?
デンタルフロスが臭いということは、そのニオイを口から発しているのかも…と、口臭との関係を心配する人も多いと思います。
デンタルフロスが臭い=口が臭い とは言い切れませんが、口臭が強くなっている可能性は否定できないでしょう。デンタルフロスが臭くなる原因には、次の2つが挙げられます。
原因やその進行度によっては、口臭が強くなっているかもしれないのです。
デンタルフロスが臭くなる主な原因2つ
1.プラーク(歯垢)
食事をすれば必ずといっていいほど歯の表面や歯と歯の間に食べかすが付着します。この食べかすを栄養にして口の中の細菌が繁殖し、かたまりとなったものがプラーク(歯垢)です。
プラークは口臭の原因の一つであり、プラーク内の細菌が口臭の原因となるVSC(揮発性硫黄化合物)を発生させます。そのため、使用したデンタルフロスが臭くなる場合があります。
プラークは、口臭の原因となるだけでなく、虫歯や歯周病の原因となるためしっかり除去することが大切です。
VSCのニオイは強烈!
一般的に1mgのプラークには約300種類の菌が数億以上いるといわれています。この菌が不快な臭いのするガスVSC(揮発性硫黄化合物)を発生させます。
VSCには、腐った卵のニオイがする硫化水素、腐った玉ねぎのようなニオイのするメチルメルカプタンといった物質が含まれます。
2.歯周病
歯周病はプラークを放置することによって起こる感染症です。歯周病になると、歯と歯茎の間に歯周ポケットという隙間ができますが、進行して深くなるほど細菌や汚れが溜まりやすく、排膿が起こりやすくなります。
歯周病は主な口臭原因の一つですが、歯周病を引き起こす細菌が発するガス、歯周ポケットから出る膿などが臭いの原因となります。
進行した歯周病の場合は、膿が付着してデンタルフロスが臭くなる可能性があるのです。
デンタルフロスを使うと出血する原因は?
デンタルフロスを使用した時に出血するのは、歯肉の腫れ(歯肉炎)が原因の可能性が高いです。
歯肉炎になると、デンタルフロスを使用した時だけでなく、ブラッシング時にも出血しやすくなりますが、これは歯肉に炎症が起きて出血しやすくなっているためです。
出血するからといってデンタルフロスの使用をやめるのではなく、デンタルフロスを使用して効果的にプラークを除去することは、歯肉炎の改善には有効です。正しく使用して口の中を清潔にすることで、炎症が治まり、出血も減っていくでしょう。
しかし、正しいケアを続けても出血がおさまらない場合は、歯茎に異常があることも想定されるため、歯科医に相談することをおすすめします。
デンタルフロスを正しく使えていない可能性
歯茎に炎症が起きていない場合でも、デンタルフロスの使い方が正しくなければ、歯茎に負担をかけて出血を招いてしまう可能性があります。
歯茎はデリケートなので、負担をかけないようにすることが大切です。デンタルフロスの使い方を見直すことも大切でしょう。
デンタルフロスで得られる5つのメリット
国内におけるデンタルフロスの普及率は、欧米に比べ未だ低いのが実状です。デンタルフロスは歯ブラシでは除去しきれない汚れを落とし、虫歯・歯周病の予防につながるなど、そのメリットは大きいものといえます。
また、使ったデンタルフロスのイヤなニオイも、使用を続けているうちに改善される可能性もあるでしょう。使用済のデンタルフロスだけでなく、口臭が強くなっている場合にも、デンタルフロスの使用が有効と言えるでしょう。
1.プラークの除去効果が高まる
デンタルフロスを使用することによって、食べかすや歯周病の原因となるプラークを除去することができます。歯ブラシのみの使用だとプラークの除去率は約50~60%程度ですが、デンタルフロスを使用することによって、約80%までアップすることがわかっています。
2.歯と歯の間をケアし、虫歯の早期発見ができる
歯と歯の隙間は、特に虫歯が発生しやすい場所です。歯と歯の隙間は、歯ブラシのみのケアでは不十分だと言えるでしょう。歯ブラシでは、歯と歯の隙間は磨きにくく、十分に汚れを除去できないのです。
デンタルフロスを使うことによって、汚れが残りやすい歯と歯の隙間のケアが可能になるとともに、虫歯の早期発見にもつながります。
歯と歯の間に引っかかりやざらつきがある場合、虫歯になっている可能性があるのです。デンタルフロスの使用によって、虫歯の予防効果を高めるだけでなく、早期発見が可能になります。
3.歯周病のチェックにつながる
先にもありましたが、デンタルフロスを使用した時に出血することもあります。歯肉の出血により、歯肉炎や歯周病に気付けるという点も、メリットと言えるでしょう。歯周病は、進行すると歯の脱落を招くこともある恐ろしい病気なのですが、進行するまで痛みなどの自覚できる症状が起こらないため、早期に発見しにくい病気でもあります。
歯肉の炎症が進行すると、その炎症は歯肉に留まらず、歯周ポケットを深くして歯を支える顎の骨(歯槽骨)にまで拡がってしまう可能性があるため、早期発見・早期治療が大切です。
歯茎の炎症が軽度であれば、適切なデンタルフロスの使用を続けることによって、健康な歯茎を取り戻すことができます。
4.口臭を予防・改善できる
先にもありましたが、プラークは口臭の原因となります。そのため、デンタルフロスを使用して効果的にプラークを除去することは、口臭の予防・改善に有効です。
上述の通り、使用後のデンタルフロスが臭い場合には何らかの理由がありますが、使用を続けて口の中を清潔に保つということは、口臭の予防・改善につながるのです。
5.歯茎ケアで口元美人に!
プラークを効果的に除去することは、歯周病や虫歯の予防効果を高めます。白い歯を維持することはもちろん、健康なピンク色の歯茎は口元の美しさに大きく影響しています。
プラークコントロールが十分に行えていないと、歯茎に炎症が起き、真っ赤になったり黒ずんだり、見た目にも大きく影響します。さらに、歯周病が進行すると歯肉が下がってしまったりして美しい口元を作れなくなってしまいます。
美しい口元を作るためには、白い歯だけでなく歯茎とのバランスも大切になりますから、デンタルフロスを使用した効果的プラークコントロールを行うことは、美容の面においても大変有効だと言えるでしょう。
デンタルフロス使用時の留意点
デンタルフロスはたくさんのメリットがありますが、間違った使い方をすると逆効果になることもあるので注意が必要です。
力の入れすぎには要注意!
歯と歯の隙間に入りにくいからといって力を入れすぎてしまうと、勢いあまって歯茎を傷つけてしまうことがあります。
また、詰め物をしている歯に当てるときに力を入れすぎると、引っかかって詰め物が取れたりすることもあります。
デンタルフロスと歯間ブラシ、どっちが効果的?
デンタルフロスのほかに、歯と歯の隙間をケアするツールに「歯間ブラシ」があります。どちらも口の中の健康にとって有効なツールですが、どちらを選択するかは、歯並びや歯と歯の隙間の広さ、現状の口の中の健康状態などを考慮する必要があります。
デンタルフロスは糸状なので細いですが、歯間ブラシはデンタルフロスと比較すると太さがあります。そのため、歯と歯の隙間が広い場合には、デンタルフロスよりも歯間ブラシを使用した方が効率良く汚れを除去することができますが、歯と歯の隙間が狭い場合には、歯間ブラシが通らない・動かしにくいといった支障が出て来ます。
力を入れなければ歯間ブラシを動かせないような場合には、歯間ブラシは適さないでしょう。歯間ブラシも、無理に使用すると歯や歯茎を傷める原因になってしまいます。
自分に合った補助用具を取り入れることが大切
デンタルフロスも歯間ブラシも、歯ブラシでは除去しにくい、歯と歯の隙間の汚れを効果的に取り除くことができます。しかし、自分に合ったものを選ぶ必要があるため、わからない場合には歯科医院で相談することをお勧めします。
デンタルフロスは、糸状のものもあれば、持ち手(グリップ)がついているものもあります。歯間ブラシはサイズが複数あります。
補助用具を使ったケアは、自分に合ったものを使用すること、正しく使用すること、使いやすいものを選ぶことが必要です。また、継続して行うことが大切です。
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