歯周病予防のよくある10のNG!間違ったケアは逆効果!
歯周病は口臭の原因になるだけでなく、歯を失うことにつながりますし、顎の骨を溶かす・全身疾患に悪影響を及ぼすといった悪影響もあります。
多くの人が歯周病予防を行っているのですが、効果的とは言えないケアを行っている人も多いとか。中には間違ったケアで、逆効果となっていることも…。
今回は、歯周病予防にありがちなNGなケア10を紹介します。
1.うがい薬を使用すれば歯周病予防ができる
歯周病の原因はプラークです。プラークの中の細菌が歯肉に炎症を起こし、歯を支える組織を破壊していきます。
うがい薬(マウスウォッシュ)の使用によって、歯周病の予防効果を高めることは可能ですが、うがい薬だけで歯周病の予防はできません。プラークはネバネバしていてうがいだけでは除去できないため、歯ブラシで物理的に除去する必要があります。
効果的に歯周病を予防するためには、正しい歯磨きを身に付け、しっかりとブラッシングを行ったうえで、うがい薬を使用すると良いでしょう。
また、うがい薬はさまざまな種類が販売されていますが、殺菌効果のあるものがおすすめです。細菌の増殖を抑えて、歯周病を予防します。
2.イソジンで歯周病を予防できる
イソジンとは殺菌・消毒効果が期待できる一般的なうがい薬ですが、ネットなどで「歯周病予防に効果がある」などと言われています。
イソジンは殺菌効果がありますが、それだけで歯周病を予防できるとは言えないでしょう。
3.歯周病予防効果のある歯磨き粉を使用すれば防げる
歯周病の予防・治療の基本はプラークコントロールであり、歯磨き粉を使用すれば効果的に予防できるとは言い切れないでしょう。
歯磨き粉もさまざまな種類があり、抗菌作用によって細菌の増殖を抑制できるものもあります。しかし、歯磨きをしっかり行ってプラークを除去することが不可欠であり、歯磨き粉は補助的に使用すると考える必要があります。
歯磨き粉の効果に頼ってしまうと、プラーク除去が不十分になりがちなので注意しましょう。歯磨き粉を使用すると、口の中がスッキリして汚れをしっかり落とせているような気がしてしまうため、1本1本ていねいに磨くことを心がけることが大切です。
4.歯周病予防に歯茎を磨くと良い
歯茎に歯ブラシを当てて、歯茎の血行を促進することは悪いことではありません。しかし、ゴシゴシと力を入れてしまうと、歯茎に負担をかけてしまうので逆効果になりかねません。また、自分ではそれほど力を入れていないつもりでも、歯ブラシの毛がかためであったりすると、歯茎に負担をかけることもあるでしょう。
やりすぎは歯茎の退縮(歯茎がやせる)を招く可能性もあるため要注意です。
歯を磨いて出血する場合、歯茎に炎症がある可能性も
歯茎を磨いた時に歯茎から出血がある場合は、力の入れすぎによるものの場合もありますが、歯茎に炎症が起きている場合もあります。
歯茎からの出血が続く場合には、一度歯科医院で相談すると安心でしょう。歯周病は、早期発見・早期治療が大切です。
5.電動歯ブラシの使用で予防効果が高まる
電動歯ブラシと一言で言っても、近年は多くの種類の電動歯ブラシが販売されていて、音波歯ブラシ・超音波歯ブラシなども人気を集めています。
音波歯ブラシは、高速振動によって高い清掃効果が得られるとされていますし、超音波歯ブラシは汚れを落としやすくする・歯茎など歯周組織の回復を助けるといった効果が期待できます。
もちろん、電動歯ブラシの効果的な使用によって、歯周病の予防効果を高められると言えますが、正しく使用できていない場合は、そうとは限らないでしょう。
音波歯ブラシはブラシを動かさずに1本ずつ歯をずらして使用するのに対し、超音波歯ブラシは普通の歯ブラシと同様にブラシを動かしながら使用します。音波歯ブラシと超音波歯ブラシで使用方法が異なるのです。
それだけでなく、商品によっても若干違う場合もあるため、使用前に取扱説明書を確認することが大切です。
6.虫歯予防とは違って歯周病予防は食事とは関係ない
歯周病は、食生活や栄養状態などの影響を受けます。そのため、歯周病予防と食生活は大きく関係していると言えるでしょう。歯周病は生活習慣病の一つとして認識されるようになってきているのです。
しかし、「歯周病を予防できる食べ物」「これを食べれば歯周病にならない」というものはないと言えるでしょう。糖尿病などの生活習慣病との関係も深いことから、栄養バランスの良い食生活を心がけることが大切でしょう。
また、よく噛んで食べる習慣を身に付けることが大切なので、ファストフードなどのよく噛まなくても食べられる食事は控え、歯応えのある食べ物を取り入れて、よく噛み、十分に唾液を分泌させることも大切でしょう。
7.歯周病予防は40~50代以降で良い
若い年代の人には「歯周病予防はまだ早い」と思っている人も少なくないようです。しかし、歯周病予防は年代に関係なく必要だと言えるでしょう。
確かに、歯周ポケット保有者の割合は40~50代以降高くなっていると言えるでしょう。特に55歳以降では約50%の人が歯周ポケットを保有しているというデータもあります。
「国民の8割が歯周病」とも言われているほど、症状が現れている人、または清掃状況の悪い人が多いとされています。
若いうちから適切な歯周病予防を行っておくことが大切です。
8.歯周病予防には歯間ブラシを使用すると良い
歯と歯の隙間の汚れは、歯ブラシだけで除去するのは困難ですから、歯間ブラシの使用は有効です。しかし、歯と歯の隙間の汚れを落とす補助清掃用具には歯間ブラシの他にデンタルフロスもあるため、自分に合ったものを使用することが必要になります。
デンタルフロスと歯間ブラシ、それぞれどんな人におすすめ?
デンタルフロスは、歯と歯の隙間が狭い人に向いていますし、歯間ブラシは歯と歯の隙間が広めの人に向いていると言えるでしょう。また、歯間ブラシは自分に合ったサイズを選択することが大切です。
歯と歯の隙間が狭くて歯間ブラシが入りにくいのに、無理に歯間ブラシを通すことは望ましくありません。歯を傷つける原因になってしまいます。
歯周病予防のために歯間ブラシを取り入れることは有効ですが、デンタルフロスの方が適している場合もあるため、自分に合ったものを取り入れるようにしましょう。
9.歯周病予防に塩で歯茎をマッサージすると良い
塩を使った歯肉のマッサージを行うと、歯茎が引き締まった感じがするかもしれません。しかし、歯茎が引き締まった感じがするのは、塩によって歯肉の水分が吸収されるためです。歯肉の状態の改善によるものとは限りません。
塩そのものの効果は、殺菌効果が多少あるとはいえ、それほど期待できるものではないでしょう。
ボディマッサージなどに粗塩が使用される場合もありますが、歯肉はデリケートであるため、粗塩によってダメージを受けてしまう場合もあるため注意が必要です。
10.歯周病予防には毛のやわらかい歯ブラシが良い
歯ブラシの毛のかたさは、自分の口の中の状態に合わせて選ぶ必要があります。必ずしも、毛がやわらかめの歯ブラシが効果的とは言えません。
歯ブラシの毛のかたさによって、次のような違いがあります。
歯ブラシの毛のかたさ | 汚れの落としやすさ | 歯肉への影響 |
やわらかめ | 汚れを落としにくい | 歯肉に負担をかけにくい |
かため | 汚れを落としやすい | 歯肉に負担がかかりやすい |
歯肉に炎症が起きている場合には、歯肉へのダメージを防ぐため、毛がやわらかめの歯ブラシを使用すると良いでしょう。また、毛がかための歯ブラシは、汚れを除去する効果が高いと言えますが、歯肉にダメージを与えやすいため、磨き方・力加減に注意が必要です。
歯ブラシ選びは、歯肉の状態や磨き方などを考慮する必要があるため、一概にどの歯ブラシが良いとは言い切れないでしょう。ヘッドのサイズなども同様です。
歯科医院では、歯磨き指導も行っていますし、どの歯ブラシを使用すれば良いのかわからない場合には、アドバイスをもらうことも可能でしょう。
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