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    親知らずの虫歯から口臭が発生!ニオイの原因と対処法

    親知らずの虫歯から口臭が発生!ニオイの原因と対処法

    親知らずの虫歯は口臭を発生させる場合も…日頃の予防ケアはもちろん、症状が出てくる前に早めに病院を受診し、適切な虫歯治療を受けましょう。

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  • 更新日:2016年03月09日

親知らずの虫歯が口臭の原因に…予防/対策方法は?

親知らずは別名「智歯(ちし)」「知恵歯(ちえば)」「第三大臼歯(だいさんだいきゅうし)」とも呼ばれ、上下左右の一番前の歯「中切歯(ちゅうせっし)」から数えて8番目に生える歯です。
通常は10代後半~20代前半あたりで生えてくるのですが、他の歯にひっかかって生えてこなかったり、元から親知らずがなかったりする方もいます。

そんな親知らずが虫歯になると口臭の原因になりかねないことをご存知でしょうか。
今回は、親知らずの虫歯が口臭につながるまでのメカニズムや、親知らずの虫歯を予防する方法について解説していきます。

親知らずの虫歯は口臭の原因になります

運良く親知らずが生え揃った方でも、親知らずは一番奥に位置するとても磨きづらい歯のため、虫歯になってしまうことは少なくありません。

また、その他の歯と比べると、目には見えにくい場所でもあり、親知らずが虫歯になっていても気づくのが遅れてしまい、親知らずに接している手前の歯までもが虫歯に侵されてしまうこともあります。

さらに虫歯が進行していくと、細菌が繁殖してが溜まり、強烈な口臭が発生することがあります。
痛みを伴う前から口臭の一因となっている可能性も否定できませんので、親知らずの虫歯は早期発見が第一です。

親知らずの虫歯リスクが高い3つの理由

なぜ親知らずは虫歯になりやすく、口臭を発してしまうのでしょうか。考えられる3つの理由をご紹介します。

1.生えるスペースが足りない

現代人のアゴは小さくなってきていて、親知らずが生えるスペースがない場合があります。
その場合、親知らずはうまく生えてくることができず、歯の頭が半分出た状態で成長が止まってしまい、形態上、プラークが溜まりやすく虫歯になりやすい傾向にあります。
また、十分なスペースを確保できないことから、虫歯になるリスクのほか、歯並びを乱してしまう一因としても考えられています。

2.生える向きが人によって異なる

親知らずの生える向き

歯茎に埋まっている時点で、親知らずの頭が横を向いていたり、下を向いていたりすることがありますが、その方向のまま生えてこようとすると、手前の歯にひっかかってしまうことがあります。
結果、手前の歯と親知らずの間にプラークが溜まり、虫歯になってしまいやすいのです。

3.歯磨きがしづらい

親知らずは一番奥に生えてくるので、鏡で見ても暗くてわかりづらい上、まっすぐ生えてくることが少なく歯磨きの難易度が高い歯です。

充分に歯磨きができず重度の虫歯になると、歯が溶けて歯髄の壊死・壊疽が起こり、さらに食べカスが虫歯の穴に残りやすいことからニオイが生じやすくなってしまいます。

また、虫歯ではありませんが口臭と密接な関係にあるのが「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」です。
親知らずに磨き残しがあることで周りの歯茎が炎症や化膿を引き起こし、時に炎症を起こしている側の顔全体に痛みを伴います。また、リンパ節が腫れて発熱することもあり、悪化すると膿が出てキツい口臭が引き起こされます。

虫歯に限らず、親知らずは磨き残しにより病気が多発しやすい歯であることをしっかりと認識しておく必要がありますね。

親知らずの虫歯が原因の口臭対策

親知らずの虫歯が口臭の直接の原因となっている場合、虫歯を取り除かなければ、そのニオイは根本的解決には至りません。

親知らずが噛み合わせに参加しており、まっすぐ生えていて歯として機能していれば、虫歯の部分だけを削って詰め物をすることで解決します。
しかし、中途半端に生えている場合は治療が難しいため、抜歯による治療が行われる可能性が高くなります。
いずれにせよ、親知らずの虫歯を放っておくと、食べカスが虫歯の穴に詰まり口臭を発生させるだけでなく、手前の歯にも虫歯や炎症が波及してしまいますので、できるだけ早い対処が必要とされます。

ちなみに、智歯周囲炎では抜歯により炎症が悪化する恐れがあり、また麻酔も効きづらいことから、抜歯するかどうかの判断を行った上で、炎症が静まってから抜くこととなります。

親知らずの虫歯を予防するには?

親知らずの虫歯は日頃のケアによってある程度予防することが可能です。親知らずが原因の口臭予防のためにできるケアをしっかりと押さえておきましょう。

1.自分の親知らずの生え方を知る

まずは、自分の親知らずがどんな状態なのか、生え方をしっかりと把握しておくことが大切です。
上下左右のどこの親知らずがどれだけ生えているのかを理解しておけば、歯磨きの際に、特に注意して磨くよう意識することができます。

2.歯ブラシはヘッドの小さいものを選ぶ

先の細い歯ブラシ

歯ブラシのヘッドが大きすぎると、一度に磨く範囲は大きくなる一方、奥にある親知らずをしっかり磨いてあげることができません。
歯ブラシはヘッドの小さなものを選び、一番奥の細かいところまでよく磨くようにしましょう。

全ての歯を普通の歯ブラシで磨いた後、親知らずだけを更にコンパクトな歯ブラシで磨くことができれば理想的です。タフトブラシという、ブリッジの清掃に使う鉛筆の先のような細いタイプの歯ブラシや、赤ちゃん用の歯ブラシを併用するのもおすすめです。

3.デンタルフロスを使用する

デンタルフロス

歯の表面のプラークは歯ブラシで落とせても、歯と歯の間の汚れはなかなか除去しにくいもの。特に親知らずと親知らずの手前の歯の間は虫歯になりやすい箇所です。

日本歯周病誌のデータによると、歯間部の歯垢除去率は、歯ブラシのみを使用した場合は58%であるのに対し、デンタルフロスを併用することで86%にまでアップすることがわかっています。
デンタルフロスを使って細かいプラークを落とすことが、親知らずの虫歯予防や歯周病予防につながるのです。

デンタルフロスの種類とそれぞれの特徴

・Y字、F字タイプ(糸ようじ)…持ち手がついており初心者の方でも使いやすい
・ロールタイプ…細かな力加減や操作を行いやすい

4.唾液の分泌を促す

食道内の洗浄や粘膜の保護、発がん性物質の抑制など、口腔内の唾液は私達の健康維持のためにとても重要な役割を担っています。
歯垢によって作られる酸による脱灰を防いで歯の再石灰化を促し、虫歯を予防してくれる働きもその働きのうちのひとつです。つまり、唾液が少ない方ほど虫歯ができやすいと言えます。

唾液を増やすには?

唾液腺マッサージを行う
・食事の際にはゆっくりと時間をかけ、よく噛んで食べる
・シュガーレスガムを噛む
・こまめに水分を補給する

また、唾液は緊張やストレスによる自律神経の乱れが原因で、スムーズに分泌されなくなってしまう場合があります。
唾液の減少は虫歯だけではなく、歯周病の発症や強烈な口臭を招く可能性があります。緊張を感じるシーンではより積極的に水分補給を行い、唾液の分泌を促進するよう心がけましょう。

5.定期的に歯科医院で検診を受ける

歯科医師

他の歯と比べて虫歯のリスクが高い親知らずは、セルフケアだけではどうしても虫歯の発生を阻止できないこともあります。
そこで、歯科医院で定期的に検診を受けておけば、小さな虫歯を早期発見できたり、自分では取り除けない歯石の除去を行ってもらったりと、親知らずの虫歯予防に限らず、口全体の健康維持のためにケアを行うことができます。

口腔内のトラブルは、放置してしまうと口臭だけにとどまらず、手術が必要な事態にもつながりかねません。
例えその時点で歯に違和感がなくとも、3ヶ月に1回などと期間を決めて、歯科医院の先生から自分では磨きにくい箇所のチェックや清掃、自宅での歯磨きの仕方に関するアドバイスなどを受けておくと安心ですね。

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